ジェンダーからみるカンボジア

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高等教育へのジェンダー主流化

2012年03月04日 | 女性の自立

 

大学などの高等教育機関で、どのくらいジェンダー学の講座が開設されているかの調査結果の発表会に出席。昨年8月頃にこの調査のインタビューを受けていて、どんな結果がでるのかとっても楽しみだったのだ。

↓調査はRUPPの先生とGADCが共同で実施

調査では、181人の学生と71人の教員にインタビューしてて、学生の97%がジェンダー学を勉強したいと回答、教員の71%がジェンダー学の講座を開設することが重要と回答。ちなみに、教員の5%はジェンダー学の講座は不要だと回答していて、名前を公表しろ!!って言いたくなるのである。うちの同僚でないことを期待しよう。

うちの大学は、カンボジアでは唯一ジェンダー学が必須科目になっているの超珍しい優秀校。毎年1500人がジェンダー学を受講するっていう異例というのか、珍しいカリキュラムの大学。現在、ジェンダー学は7人が担当していて、わたしはそのジェンダーチームのリーダーというのかとりまとめ役なのだけれど、まあ、教員一人ひとりの個性も違うし熱心さも違うから、レベルの高い講義をやってもらうのは、そりゃあ大変なのだ。

公立大学ではジェンダー学を開設しているところはなくって、「カリキュラムは3年先まで決定していて、変更するにはけっこう大変な手続きが必要」だそう。

ジェンダー学を導入することへのバリアーとしては、「教員不足、カンボジア語の教科書がない、カリキュラムがない、男性のマスキュリニティを減少させることになる」などなど。カリキュラムの改変と、カンボジア語でのテキストなど副教材の充実が必要であることはまったく同感。

今回の調査、なかなか面白い結果なのだけれど、残念なのは、高等教育機関の組織的なジェンダー主流化の視点での質問がなかったこと。いくらジェンダー学を導入しようとしても、組織としてジェンダー政策がなかったりセクハラ方針がなかったりすると、講座を一つ設けるくらいでは、不十分なのである。大切なのは、ジェンダー主流化を組織的に進めていくこと、男女平等について基本原則として組織が理解すること。それには、まだまだ時間がかかるなあ。

 

 

 

 


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