ジェンダー学の講義で、人身取引について連続講義中。これまで自分自身がいろいろと調査でかかわったり、被害者たちと接してきたこともあって、講義だからといってあまり準備はしないんだけれど、毎回かなり力の入る講義。
たまたま、久しぶりにカンボジアに戻ってきたVichutaおばちゃんのところに遊びにいったら、「例の映画、アメリカで買ってきたよん」とのこと。Human Trafficking (人身取引)というタイトルの映画で、ぜひ見たいなあって言ってたのだ。
借りてさっそく見てみると、まあなんとも悲しすぎるし内容なのと、超がつくくらい腹の立つ映画。出来栄えは相当よいのだけれど、一般受けはしないだろうな・・・・講義とか教育目的で作られたのだろうか。
↓フランス人の友達が「家庭料理よ」と言う料理、Atmosphereで
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中欧から人身取引されてアメリカに連れてこられる数多くの女性と、フィリピンで誘拐されて売られちゃう白人の女の子が中心になってるのだけれど、まあ、よくここまで映画にできたなあというくらい、残酷な現代の奴隷制について描き出しているのだ。
↓わたしはいつもこのサラダ
人身取引の映画は、ドキュメンタリーを含めいろいろと講義を進める中で上映していくのだけれど、以前よく上映していたのはリリア・フォーエバ-。スェーデンの人身取引を描いた実話にもとづく話でかなり出来栄えもいいのだけれど、レイプのシーンがかなり残酷なので、カットして上映したりするのがなかなか邪魔くさくなってきて(そういう残酷なシーンも見てほしいけれど見せると問題になりそうって不安もある)、最近はちょっと上映してなかったのだ。
カンボジア語でも人身取引関係のDVDはいろいろあるのだけれど、今年に入ってから「RED LIGHT」っていうカンボジアを舞台にしたドキュメンタリーも上映中。これは、クメール語なので、学生のうけはかなりいいのだけれど、私は個人的にあまり好きではないドキュメンタリー・・・というのも、かなりハリウッド的に色づけされているから。
↓なぜか、がぶりと母をかむ子ども、腕の傷を撮影
子どもにがぶってかまれただけでもいたいのに、人身取引の被害にあう女性たちは、なぐられる・けられるの連続・・・・なんて、比較しちゃあいけないんだけれど、肉体的に痛いのも精神的にいたいのも、つらいよなあ、などと思うのである。
この映画、Human Trafficking は、第一部が90分、第二部が90分の大作。作り話とはいえ、何度も目をそらさなきゃいけなくなったし、さらには、どうなるか心配で見るのがつらい・・・・・みたいな、臨場感あふれる映画。
おじいちゃんになってもドナルドサザーランドはかっこいいなあと思ってしまう以外は、楽しくないんだけれど、この映画は人身取引に関する認識を高めてもらうためには、抜群にいい映画。ちょっと長いのと、ショッキングすぎるシーンが多いから、学生向けに上映するかは要検討だけれどなあ・・・・でもぜひ見てもらいたいなあ。