ジェンダーからみるカンボジア

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紛争下の女性に対する暴力:地域会議

2012年10月10日 | カンボジアのジェンダー規範

 

 

「紛争下での女性に対する暴力」のサーバイバーを招待して、自分たちの経験を語ってもらう会合をプノンペンで開催。

この会合は、わたしが2006年に実施したKR時代の女性に対する暴力の調査結果からうまれた小さな社会運動を盛り上げていく活動の一環なので、会合にはファシリテーターで参加。そのために、休暇もこの会合の直後から、って日程を組んで計画していたのだ。

今回は、カンボジアからだけでなくって、ネパール・東ティモール・バングラデシュの紛争で被害にあった女性たちを招へいして、カンボジアの人たちともいっしょに過去の紛争下の犯罪について正面から語りあうという、壮大な試み。アメリカ・メキシコ・オーストラリアなどなどからカンボジア入りした専門家たちや、カンボジア政府・ASEAN人権委員会関係など政府関係者も多数出席。

↓準備会合の様子、6か国語で会話なので通訳も大変・・・・

会合1日目は、300人ほどが参加、50人以上の「白人」が出席していて、国際色豊かな会合。

紛争下の女性に対する暴力の専門家2人の講義と、カンボジア・バングラデシュのサーバイバーたち合計6名が壇上で自分たちの経験について紹介。

2006年に調査した際には、連日何十人もの被害者と会ってインタビューして、こういう話を何度も何度も聞いたなあ・・・・と思いつつ。今年の出席者は、何度も泣き崩れて自分のレイプの被害とかについて語って、出席者も大声で泣き出す人が多数・・・・・会場から精神科医につきそってもらって退場する人も続出。ティッシュを持ってまわる組織委員会の人たちもいて、なんだかお葬式みたい・・・・エンパワーメントの会合なんだけれどなあ。

ニンプなわたし、丸一日ずっと会場にいるのはちょっと大変なので、精神的にケアが必要な人が保護される部屋にちょっとだけ退避して横になっていたんだけれど・・・バングラデシュの被害者たちが泣きながら連続して合計3人はいってきて、小さな部屋は地獄模様。何言ってるのかわからないのがつらくて、手を握るくらいしかできないのである。

クメールルージュ時代の性犯罪について調査をしたい、ってわたしが1人で言い出した2004年当時、「被害者なんて誰も生き残っていないし、調査なんて無理」ってみんなに言われたけれど、めげずに調査を実施したわたし。被害者は絶対いるし、絶対見つけられるって信じていたけれど、調査が終わるまではほんとに被害者が出てくるのかとっても不安だった。

あれから、8年たって、2012年の今。

何千人もの被害者が名乗り出て、公の場で自分の性被害の過去について語れる人も出てきたカンボジア。自分のまいた小さな小さな種が、国際社会も動かすような女性運動につながりつつあって、とっても嬉しい気分なのである。