外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

浅野のつぶやき-リスク回避のドル買いはどこへ

2010-07-02 20:30:17 | ☆相場分析-ユーロドル

こんばんは、ForexTVジャパンの浅野です。

米国指標が予想を下回り、株式市場が下落すると、これまでは “下落リスクを回避するドル買い” になるのが一般的ではなかったでしょうか。米国債は安全資産として、リスクが高まると買われるはずでしたし、金相場は安全資産として上昇するはずでした。しかし、昨日はことごとく逆の値動きになりました。

それを受けるように、世の中は一斉に、指標が悪化してドル売り、株価が下落してドル売り・・・・と、正反対の動きをまことしやかに伝え始めています。節操が無いと言えばそれまでですが、相場には流行があります。例えば以前は“有事のドル買い”という言葉があったように、軍事緊張があるとドルは買われるのが一般的でしたが、911のテロ以降は、戦火が強まるとドルが売られるようになりました。

米国市場が悪化することでドル売り、債券売りを連想する根拠として考えられるのは“ドル離れ” でしょう。

もし、金利を主眼にロジック展開をした場合、景気後退で利上げ観測が後退し、金利目当てのドル投資が巻き戻されることで、ドルが売られるというのは、比較的納得しやすいシナリオです。しかし、このケースでは資金は債券買いに流れ、債券価格が上昇して、利回りが低下するという、実態が伴うはずです。

しかし、昨夜の場合は、程度は限定的だったものの、債券相場は下落したことに加え、金相場までもが30ドルを上回る下落をしており、市場は過剰流動性で溢れていたように見えます。それらの資金が、一斉にポンドやユーロなど、ドル以外に向かったことで、各相場が急騰したと考えることができそうです。

ただ、もしこの現象が継続すると仮定すると、ドルの信任低下につながる恐れがあります。債券が下落し利回りがどんどん上昇しても、資金がまったく米国内にとどまらず、資金流出が止まらない一時のユーロのような現象に至る可能性があります。

一つには、G20 で示されたように、欧州や日本が財政緊縮姿勢を強調する中、オバマ大統領は、公約となる雇用確保を譲らず、緩和政策の継続を主張しています。つまり、アメリカの財政バランスはさらに悪化する流れにあり、通貨価値が低下する懸念が広がりつつあることです。

こうなると、外国為替のテーマがユーロ売りからドル売りになる可能性があり、比較的財政問題に対して敏感に反応しているイギリスや日本などに逃避資金が行きやすい流れも想定しておく必要がありそうです。唯一、金相場が大きく下落した背景が不明ですが、他の市場で発生した急速なポジション調整を見て、調整が強めに入ったとしか想像できません。ドルの通貨価値下落がシナリオであれば、本来は上昇するのが基本だと思いますが、一旦はキャッシュに戻す動きが強まったところからも、さまざまなゴールドクロスが巻き戻ったのかもしれませんね。

もうひとつの材料として、IMFが発表した第一四半期の外貨準備におけるユーロ比率が、あまり低下していなかったことで、ユーロを買い戻す安心材料にはなっていたのでしょう。一方、材料視されたスペインの入札結果も、最悪のシナリオからすれば、好調ともいえそうですが、前回より入札倍率は低く、利回りも上昇したとの報道がありました。調達コストは高い結果になっており、そのダメージは今後、ジワリジワリと効いてくると思います。ですから、ユーロはユーロとして、債券や株式市場の動向を良く見極める必要があり、対ドルでの動きに惑わされると、良くない結果になる場合もありそうです。

以上、FXフラッシュ1400でお約束した、ブログでの妄想を、終わりたいと思います。

今後、番組でも少しずつ触れてゆく予定ですが、今日の雇用統計が悪化してもドル売りが進むようであれば、これまでのドル買いのバイアスを、少なくとも中立からドル売りへと移行する予定です。それにしても、ポンドドルの戦略は、近めに下値目標を置いたおかげでどうにか逃げることができ、ツキはまだあるようです。

ForexTVジャパン
浅野 敏郎




AM外国為替テクニカル分析 - 7月2日、ユーロドル相場

2010-07-02 15:21:06 | ☆相場分析-ユーロドル
こんにちは、ForexTVジャパンの浅野です。

AMやPMのテクニカル分析番組でおなじみの山中さんが、兼ねてから指摘しているように、今週も木曜日が大荒れとなりました。根拠に乏しい動きだったという印象が強く、テクニカル的な材料しか見当たらない格好です。

一転してドル売りが強まった各相場ですが、山中さんの分析でもユーロドルは上昇傾向に転換しており、昨日は何か大きな資金が動いたイメージがあります。そういえば、毎週水曜日は、IMMレポートのデータが締め切られる日です。その翌日に大きく動いても、しばらくは実態が明るみに出ないこともあり、もしかするとそんな動きがあったのかも知れません。今週土曜日に発表されるデータには昨日の動きは反映されないため、17日公表分のデータに何らかの動きがあれば、一つの証明にはなるでしょう。

では、本日もアセンダント、山中康司さんの相場解説を動画でお届けいたします。
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7月02日、午前の東京外国為替市場概況と、ユーロドル相場分析-「FXフラッシュ1400」

2010-07-02 15:05:39 | ☆相場分析-ユーロドル

■本日7月02日、午前の東京外国為替市場の動きをお伝えします。

月初から大荒れとなった昨日から一夜明け、終盤の流れを少し伸ばした後、米国の雇用統計も控えていることから、基本的には揉み合い相場となっています。

■今日の通貨フォーカスはユーロドル相場です。

ドルが大幅に全面安となった昨日後半の動きで、各対ドル相場はボトムを打った印象があります。米国の雇用統計が悪化してもドルが売られるようなら、真剣にドル離れを意識した方が良いかもしれません。詳細はブログで妄想してみます。


(画像のチャートタイトル書きが30分足になっています。中身は日足ですが、混乱するかもしれず、予めお詫び申し上げます)

ユーロドルの日足をみると、先月末に付けた安値は、5月安値の1.21台半ばで概ね一致し、パターン分析からは、逆のヘッドアンドショルダーを完成したように見えます。現在の水準となる1.2500付近はそのネックラインにも見えることから、ここを越えるようだとブレークアップにつながる可能性があります。




短期的には現在、ペナントフォーメーションを作っており、下に離れた場合は、絶好の買い場を提供してくれそうです。
昨日の上昇時に少しもみ合った、1.2450付近でユーロを買い、6月末の高値となった1.2400を割り込むようなら、一旦はストップです。




日足雲の下限となる1.2595を越えるタイミングでは、ユーロを買い増し、雲の上限で半分決済するイメージです。値幅的には5月の下落起点となった1.3100付近はあり得ると思います。
今日に限っては相場のカギは雇用統計ですが、良い数字が出たときはさっぱりあきらめましょう。
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以上、1本前の記事を含めた内容を、動画番組「FXフラッシュ1400」で視聴できます。最上段の右端にある「ForexTV.jp」バナーでサイトの動画ニュースページへ行き、動画プレーヤーのメニューから「市況」をご指定ください。動画では画像を織り交ぜて分かりやすく解説しています。
動画はYouTubeからもご覧いただけます。ForexTVjpチャンネルでご確認ください。


7月01日の外国為替市場、復習とキーポイント-7月02日「FXフラッシュ1400」

2010-07-02 14:48:53 | ☆外国為替を読む
■7月01日、木曜日の総括です。

東京時間では、前日30日のポンド安の流れが継続し、ポンド円も下落したことで、市場全体は、ドル買い円買いが優勢でした。

しかし、欧州時間に入ると次第にユーロ買いが優勢となり、対ポンド相場でもユーロ買いが進行しました。この影響で、ポンドは一時売りが強まったものの、ユーロドルに連れてドル売りが優勢となると、一気に上値を更新する展開でした。
市場では、スペインの国債入札が予想に反して好調だったことがユーロの買い戻しを誘ったとの認識が支配的です。本日の米国雇用統計前にポジションを縮小する動きが強まった観もあり、ややテクニカル的な動きが中心だったという印象です。

米国時間に入って発表された経済指標が冴えない中でも、ユーロやポンドの対ドル相場はドル売りを継続した一方、ドル円はクロス円での買いが円売り材料となり、86円台を付けた後は戻し相場が優勢となっています。

それでは、各主要通貨の推移を、プロスティックスの30分足チャートで確認してゆきましょう。

◆ユーロドル相場

1.2200割れを幾度か試したものの底堅かった模様で、前日高値の1.23台を上に抜けると、引け際には1.25台半ばへと上昇しました。

◆ポンドドル相場

ユーロポンド相場でポンド売りが強まったことで、一時1.4880付近まで下落しましたが、その後はユーロに連れ高となり、引けにかけて1.51後半へと上昇しました。

◆ドル円相場

終始上値が重く、欧州時間以降ドル売りが強まった局面では86円台を瞬間覗く下落もありました。しかし、対ドルで急上昇したその他の通貨を買う動きが優勢となると、87円台半ばへと戻しています。

◆その他の米国市場の動向

株式市場は下げ幅が縮まったものの、下落で引けた一方、債券市場はやや下落し、利回りは若干上昇しました。資金の流れは相反する結果ですが、指標が冴えない中でリスク回避のドル買いにはなりませんでした。金相場も急落しており、リスク資産や海外投資から資金が自国に引き揚げる、レパトリーが急激に入ったとの印象があります。
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今日の通貨フォーカスはユーロドル相場ですが、一旦ページを改めます。通貨フォーカスを含んだ以上の内容は、動画番組「FXフラッシュ1400」でご覧いただけます。
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