外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

Ifoドイツ景況感指数【Ifo Business climate index】

2008-04-24 21:06:12 |   -FX実用相場用語

ドイツのミュンヘンにあるCES ifo Group の中核的な調査機関がIfo Institute for Economic Researchで、そこが一月に一度発表する景気に関する指数である。2000年を100として指数化したものだが、英語名称から「企業景気指数」とか「企業景気感指数」などと呼ばれる場合がある。

最近では景況感指数と呼ぶのが一般的だが、当指数はClimate(景況)-Situation(査定?)-Expectation(期待)の3数値で形成されており、そのうちClimateが指標名と一致するため、景況感指数といえば、Climate数値が代表されている可能性もある。

2008年4月24日日本時間17:00に発表された4月の指数は、予想を下回る結果となり、ユーロ売りのきっかけとなっているが、本日は実物を見ながらどんなレポートか見てみよう。

CESifoのホームページ内のhttp://www.cesifo.de/portal/page/portal/ifoHome/a-winfo/d1index

で、各種調査の結果が出ているが、具体的なレポートは下記のPDFファイルとなっている。

http://www.cesifo-group.de/portal/page/portal/ifoContent/N/data/Indices/GSK2006/GSK2006Container/GSK2006PDF/GSKKTDLPDF2008/KT_04_08_dd.pdf


英語を飛ばして進むと、最初のグラフが目に入る。
専門ニュースなどで知った本日のifo発表値が並んでいる。

詳細の見方は専門家に任せるとして、重要なのは、
①オレンジの期待感とエンジの景況感は2006年前半期より横ばいから下落
②ブルーの景況査定は遅れてピークアウト
③期待感は先行し、やや極端に表現され気味だが、そのとおりに査定値が追ってくる傾向が高い
④期待感はこの一年でとうとう底割れを示現
⑤査定と期待の間で信憑性の高い景況感が、遂に期待感を追いかけて底割れ

あたりのザックリ感である。

結果として、5月の査定値が、底である107.9を割れるようなら、本格的な景気後退もあり得るという見方が出てきそうなところ。

資料を先に進むと、製造業(Manufacturing Industry)、建築(Construction)、卸売り(Wholesaling)、小売り(Retailing)のセクター別比較が見えてくる。こちらは端的に図示をしたい為か景況感はなく、期待感と査定のみの表示となる。

建築と小売がまだ比較的強気である一方で、製造業、卸売りは悲観的。そもそもピークを見ても製造業と卸売りの一部のみがプラス転をしており、工業主導であるドイツの実体が見える。今回は、主導する製造業の期待値が遂にマイナス圏に突入し、卸売りもプラス転が期待される中で、悪化している。

このようなグラフもトレンド分析が可能であり、上値抵抗、下値支持などでイメージしてみるのも一興である。

こぼれ話

Ifo指数で起こり得るかどうかは別として、昔このようなレポートのほうが、声明より早く露出してしまい、リークとして大騒ぎになることがしばしばあった。皆さんも注意して発表ごとにサイトをチェックしていると、そんなアクシデントに遭遇できるかもしれない?(あまり真面目に受けられないよう、お願いします)

ただし、その機会を収益に結びつけることが出来るかどうかは、別のお話となるだろう。


ラストリゾート【Last Resort】

2008-04-24 19:44:52 |   -FX実用相場用語
相場で使用する場合は“最後の綱”という意味がしっくり来る。旅行業界で言えば“最後の楽園”とでもなろうか。

周辺は混沌としたマーケットながら、ユーロは比較的どの通貨に対しても値を崩さなかったことから、迷った時にはユーロを買っていれば、ここまでどうにかしのげて来た場合が多かったのではないかと推測され、正にユーロは為替のラストリゾートだった。

こぼれ話

昔のインターバンク為替市場では、プライス供給者の秘匿という紳士協定があった。つまり、例えばドル円で103.10/13という取引価格が市場に存在していた時、10で買いたい銀行はどこで、13で売りたい銀行はどこなのかを事前に知ることはできなかった。
13を買ったり、10を売ってみて初めてその相手を知ることとなるが、クレジットの関係でその相手銀行との取引ができない状況があり、その場合は両方と取引可能な銀行に、間に立ってもらうしか手がなかった。

サブプライム問題で周知となったクレジットという言葉であるが、正にクレジットが低い金融機関は、誰とも取引できなくなることから手詰まりとなる。

クレジットは信用問題から端を発する場合があるが、瞬間的に同じ相手と取引をしすぎると、充当された枠を使い果たしてしまうこととなり、これが原因となるケースも多々あった。こんなとき、間に立ってくれる銀行は、正に神様のような存在なのだが、見つからない時は徹底して見つからないもので、6時間以上も相手を探し回ることが稀にあった。

間に立ってくれる銀行も、そうは毎回当てにされても困る場合がある。そんな時は「もっと他を探して御覧なさい。もし、10時を過ぎても駄目なら、私がラストリゾートになってあげるから…」という、市場を育てようとしてくれたディーラーの中のディーラーというべき神様が、居てくれたことに感謝する。

今は、それもリスクの増大要因として、先ず不可能な話となった。事前にクレジットを設定することで、取引できないオーダーは見えないようになっており、避けて通ることが出来ている。技術の進歩で可能となったお話である。


EURUSD ドイツifo景況感指数の悪化でユーロ全面安 気になるラストリゾートの行方

2008-04-24 18:22:23 | ☆相場分析-ユーロドル

夢の1.60台をつけたユーロドルは、どちらかといえば達成感が強く、ユーロ圏の経済指標が僅かながら色あせてきたことを受け、日付を24日に替えて以降は終始軟調に推移。策ほど発表されたドイツifo景況感指数もかなりの悪化を見せ、ユーロの投げが全体的に先行している状況です。

ポンドドルも連動して下落する中で、ドル買い戻しのフローがドル円相場にはドル買いとして現れています。

ユーロ円はユーロの投げが先行する形となっています。今後、決してドル買い相場とは捉えにくい地合いの中でドル円の上昇が限定的となれば、ユーロ全面安を受けてユーロ円はストップロスのスパイラルに入り込む可能性もあり、そうなると今後は円買いのフローがドル円での円買いとして露出すれば、その他のクロス円にも下方リスクが先行する傾向が継続しそうです。

やや緊張感が薄れてきた相場でしたが、クロスでのユーロ売りは静かに進行している模様です。