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外為ガイドブック☆FX取引の基礎や相場分析を解説…五里霧中の相場取引に一筋の光を

外為市場経験者の浅野敏郎が値動きに着目したチャート解説や個人的意見を綴る相場ブログ&用語集!

8月10日海外為替市場の総括と、11日の相場見通し

2009-08-11 14:31:45 |    -ポンドドル

10日東京市場

先週末の雇用統計発表で、ドルが全面高となって迎えた東京市場は、時間中は概ねドルを売り戻す調整の動きとなりました。一方で株式市場は、先週末の流れを引き継いで終始堅調な動きで、途中高値警戒感から下落する局面もあったようですが、日経平均は前週末終値に比べて112円強、高く引けました。

欧州市場

欧州時間に入って、ポンドドルが先週末のドル高値を割り込むと、ドル高が加速して相場は下落する一方で、ユーロドルは底堅く推移しました。ドル円相場は軟調地合を維持したため、ポンド円が目立って下落するなど、ポンドが弱い相場展開となりました。
背景として、欧州株式市場が総じて軟調だったことに加え、英系大手金融機関の増資の噂などが、ポンドの上値を重くした一要因だと考えられます。

米国市場

米国時間に入っても、昨日は目立った経済指標も無く材料難の中、株式市場が欧州の流れを引き継ぐように軟調な展開となると、それまで底堅かったユーロでもドル買いとなり、JST夜半過ぎに、先週末のドル高値を上回ると、為替相場はドル全面高となり、ユーロドル相場は下落しました。
対ドルでユーロが1.410水準、ポンドが1.6430水準を付けましたが、以降は調整気味にドルが売り戻されながら、引けています。

株式相場の終値は前日比で下落。債券市場は上昇して利回りは低下しています。
主要な資源相場は軟調な株式相場に歩調を合わせるように、下落して終わっています。

総括

24時間を通して、基本的には週末の調整相場と見ることができますが、欧州通貨の弱さが目立っています。週末のドル円上昇に牽引されてオーバーシュートしたクロス円は、概ね上昇前の水準へ戻すなど、円安熱はかなり冷やされた印象です。

本日8月11日午前の東京外国為替市場

ドル円相場は急激な戻しが無かった結果、昨日と同じようなテンポで着実に円高推移しており、その他対ドル通貨は昨日進んだドル高を売り戻す調整相場となっています。クロス円は結果的に円高値圏で小動きとなっています。
株式市場の日経平均は、前日比で10円弱安く始まりましたが、急激な動きは無く揉み合い相場を継続し20円強高く、前場を引けています。

今後の予想
ファンダメンタル

これからヨーロッパ市場にかけて予定されているイベントでは、以下のような経済指標発表などが材料となりそうです。
15:00 独7月消費者物価指数確報
15:00 独卸売物価指数 (MoM)
17:30 英6月商品貿易収支

予想はインフレ方向を改善とするなら、卸売物価指数が悪化、その他は概ね横ばいとなっています。

テクニカル

資金の流れだけを見ると、投資意欲の低下を意味する方向をたどっている各市場の動きです。ただ、株式市場の下落は限定的であり、調整の範囲と考えられそうですが、やや欧州通貨の弱さが目立っています。現状ではまだ短期上昇トレンドの下限で踏みとどまっていますが、下値割れとなれば、対円、対ドルで、もう一段の下落があり得そうです。

こちらはポンドドルの日足チャートです。

本年3月から反転上昇してきた相場は6月から概ね2ヶ月間の揉み合い後、上方へブレークアウトしました。しかし、5日かけて上昇し概ね目標値幅を達成した後は、本日5日目にして概ね上昇幅を戻す、V字回帰を達成しようとしています。このことはブレークアウトの意義を概ねニュートラルにしたことになり、下落トライもあり得る状況となってきました。


幸い、下方には一目均衡表と下値支持線があり、下げ止まっている状況です。
7月30日の安値1.6340/45割れは、下値線割れとなり、1.6340/45が上限となっている雲入りとなればそれなりの下押しを伴う可能性があります。1.6330あたりに売りのストップエントリーを設定し、雲の上に出直すようなら一旦はあきらめる戦略。

一方でトレンド維持を予想する場合は、ここから雲の上限近くで下値を拾う絶好の位置に見えます。雲の中へ入り込んだ時点でギブアップします。
下落相場となった場合は、ポンド円も追随する可能性があり、一時的な円全面高の展開も想定できます。


ポンドドル相場分析-あくまで迷走中のなかで

2009-07-22 17:29:14 |    -ポンドドル

先日、週足から見た現在のポンドドル相場は、今後2000ポイントという幅の中で乱高下する可能性を説明しました。もっとミクロ的に見て何か手がかりは無いものか、その後も模索してきましたが・・・残念ながらベストな方法が見つかりません。

どれだけ矛盾した相場かを説明しつつ、やや強引かもしれませんが、あくまでも取引はご自身の判断で行われることを大前提としつつ、特別な事業者への誘導も、また取引事業も行っていない立場で、戦略をたててみます。

添付のチャートはポンドドル日足です。


MACDだけで相場展開を説明するとすれば、先行、遅行の両線がプラス領域に出た、3月27日を起点に上昇相場となり、途中揉み合いながらも6月8日までは継続。以降は上昇相場ながらも調整相場となり現在に至っている状況です。
MACDで言う調整相場はプラス域での下降曲線、またはマイナス域での上昇曲線が相当します。このような状況は、これまでのトレンドに反して調整が進行する場合と、横ばいに推移することで移動平均値の前後差が縮小することで自然的にニュートラルを意味するゼロ境界へと向かう場合が在ります。
つまり、現状は一旦ピークを付けたあとの調整相場にあり、概ね横ばい推移が原因で2線が下落中であるといった状況です。

また一目均衡表で言えば、相場は雲の上方に位置しており、依然として上昇相場を示唆しています。しかし、価格は基準線の上方にいるにも関わらず、転換線が下方に位置するという短期的に矛盾した位置関係にいます。遅行線は5月の揉み合い相場に絡み付いている状態で、こちらもはっきりしませんね。

波動で考えた場合、6月30日の足で、それまでの高値だった6月3日の1.6662を上回り、1.6743まで上昇。その後の下値は6月8日の1.5801を未だに下回っていないため、一応は上昇派動を否定されてはいません。ただ、ヒゲを含めての結果であり、もし信憑性がより高い終値で観た場合は、明らかな揉み合いを継続しています。
つまり揉み合い期間の最大レンジを想定すると1.5801~1.6743という値幅に支配されていると考えられますが、終値で考えると、未だに6月2,3,4,5日で形成した1.5978~1.6583に支配されているている状況です。

これだけ入り混じった、ニュートラルな状況では、戦略を立てづらいのも当然かもしれませんが、レンジ取引を基本にブレークアウトを視野に入れて作戦を練りましょう。

レンジ取引:想定レンジは先の終値での説明どおり1.5978~1.6583
順番に関係なく、どちらかに近づいたら上値で売り、下値で買い。反対側で利益確定。ストップロスはそれぞれの後方の、レンジから外れたところに必ず置きましょう。
例)リミット売り@1.6550 ストップロス@1.6630 プロフィット@1.6010
例)リミット買い@1.6020 ストップロス@1.5960 プロフィット@1.6550

上昇戦略:ストップ買い@1.6610 ストップロス@1.6560
利益確定の水準は順次考えますが、上記レンジの差分を少なめに見積もった500ポイント程度は狙いたいですね。

下落戦略:ストップ売り@1.5970 ストップロス@1.6040
レンジの内側に日足の雲上限があり、レンジを割れること自体、雲入りを意味する可能性があります。利益目標は上昇戦略と同様ですが、雲入りを果たす分、雲の下限となる1.5530水準は視野に入ります。

もっとミクロに見るなら7月8日からの上昇派動を想定するアプローチがありそうです。機会があればまた、説明いたします。


 


ポンドドル相場分析-恐怖度合いは怪談話並み

2009-07-17 19:49:45 |    -ポンドドル

金曜日になりました。梅雨が明けた途端に猛暑が続きます。ある意味ではっきりした季節の移り替わりで潔いのですが、体がついて行ききれません。

潔い、という表現が当てはまるかどうかは別して、ポンド相場が1日ともたずに方向を変える潔さに、デイトレーダーを除き、扱いづらい相場が続いています。本日はあえてそのポンド相場を分析してみます。


添付のチャートは、ポンドドル相場の週足です。まずは根底の流れを把握しようとしていますが、リーマンクラッシュがあまりにも深く短期間で発生したためラインも引けないほどで、トレンド云々どころではありません(おそらく、ジョージソロスがかつてポンド相場を壊した値幅と期間を、優に上回っていたかと思います)。

大底からの切り返しだけを見れば、確かに上昇相場です。確かに・・・下落したのだから上昇もあり得る・・・と考えるのは、間違ってはいません。しかし、上昇スピードは明らかに遅く、26週間かけてやっとフィボナッチの38%戻しを達成したに過ぎず、下落の影響を受けていると考えるのが自然です。

相場は一目均衡表の雲に入り込んだものの、五里霧中のなかで、最後の手すりから手を離し切れないように、下限に張り付いています。

実は怪談話に例えたのは、なんと言っても雲の厚さです。基本的に雲の間はトレンドが無いと考えるのが自然で、言い換えれば、この厚い雲の中であれば、自由に上下できる・・・と言うことができてしまいます(恐)!

現在、雲の上限が1.6970/75水準から9月にかけて1.6830/35水準に水平移動、一方で下限は現在の1.6100水準から、今後1.4570水準まで下落します。最大で約2200ポイント!!という、ぶ厚い雲の中で、どう動くか判らない状況はあまり想像したくありません。上昇するのであれば早くしないと、ますます不利な状況となりそうです。

チャートの1マスが900ポイントと、日足なら1マスで画面いっぱいになってもおかしくないチャートにすら違和感を覚えます。もしこのまま上昇するためには、このチャートに限定して考えても、
・転換線が雲入り
・遅行線が当時の基準線越え
・遅行線が雲入り
・現行価格が戻り高値越え
・現行価格が雲を上抜け
などが、タイミングとして浮かびます。

1.7100水準に引いた、緑の水平線は、過去の上昇相場で最後の一上げを演じた際の、始点水準です。フィボナッチ50%戻しが1.7350水準にあり、上昇してもこのあたり(と言っても、200ポイントもある差を”あたり”で済ましてよいのか・・・悩みます)が上値抵抗となります。

今後、ポンド相場はオシレーターが重要になってくる予感がしています。もっとミクロに分析できないか、可能でしたらお伝えしますが、ロスリミットも相当見込まなくては戦略すら見えない難しい相場に、あえて手を出す必要性の方を考えたいところです。

今週は底値から26週目・・・ということは、変化日の第一候補でもありそうですね。


昨日1日の海外市場まとめ+ポンドドル戦略「ダマシの香り」

2009-07-02 16:41:14 |    -ポンドドル

ドル買いで始まった昨日の東京市場は、ヨーロッパ時間までドル高値圏での揉み合いに終始しました。

円安の背景として、発表された日銀短観が、思いのほか地合が悪い内容だったことや、中国からは指標購買担当者景況感が良い水準を維持している発表があり、株式市場が底堅いことなどが指摘できそうです。

ヨーロッパ時間に入り、相次いで発表された経済指標が、堅実な内容だったこともあって、ヨーロッパ通貨全体が強めに推移しました。
本格的に市場が始まると、株式相場も総じて好調となり、資金はキャッシュから投資先に向かう動きが継続した結果、為替はドル売り、円売りという相場展開でした。

NY時間に入っても投資ムードは好調を維持。注目されていた雇用指標や景況感指標も概ね改善された内容だったことも材料視された模様です。ただ、住宅関連の指標は悪化を示す結果だったことから、手放しで喜べる内容ではなかったように思えます。

特に昨日の海外市場ではユーロの上昇が目立ちましたが、
継続していたドル売りのほかに、新たな準備通貨に関する話題が再浮上したことも影響していたのではないでしょうか。
ドル円相場はNY時間まで円売りが継続した結果、ユーロ円は一時136.85水準の高値を付けました。しかしドル売り圧力が顕著になるとドル円は次第に下落相場となり、そのまま引けを迎えています。

本日の為替市場ですが、昨日1.42台を覗いたユーロドル相場の調整相場が継続したまま現在に至っており、一時1.4100水準まで下落しています。対ユーロでのドル買い圧力が相場全体を牽引しているようですが、あくまで調整相場との印象があり、急激な推移には至っていません。
株式市場は、海外での好調ぶりを引継ぎ切れていない模様で、前場は小幅な揉み合い相場といったところです。

相場はさえない展開です。
先月末に荒れた展開となったポンド相場ですが、決定的なパターンが見当たらない中で、個人的には6月初旬の下げ相場の影響が継続しているようにも見えます。そこまで順調に反転上昇してきた相場は約一ヶ月間、揉み合いながらも高値圏に収斂(しゅうれん)しました。パターン的には上昇を継続するペナントフォーメーションですが、月末のトライ失敗によって、ややダマシの匂いが漂っています。


日足チャートでオシレーターを3つ並べて見ましたが、どれも上昇を示唆するイメージがありません。オシレーターですので、動かなくなるとニュートラルへ近づくのは仕方なく、上昇から揉み合いに移行するとどうしても右下がりになります。また、数値を終値で取っているので、月末の高値はデータに何の影響も与えていません。月末を含めて3本目となり、終値はどれも大きくは違いませんが、STCが急激に下げているのが気になります。

ここから直ぐにブレークダウンを想定するにも無理を感じるところですが、少なくとも下方へのトライが近々あっても不思議ではありません。当面の目標は、週足雲の下限となる、1.6315水準とし、軽く割れてくるようならブレークダウンを想定します。といっても、6月初旬の下落幅を超える動きは期待薄かもしれません。


ポンドドル 上昇相場とするには違和感 対ドルアウトルック

2009-06-30 20:05:19 |    -ポンドドル

それにしても、ものすごいポンドのショートカバーでしたね。ロンドン勢が来るまではどうにか耐えていた相場が、一気に吐き出されたという感じでした。
東京時間中にストレートがここまで動くのは滅多にない相場だと思いますが、材料を探したものの特に見当たらず、テクニカル要因が強かったのかも知れません。
確かに東京株式市場が、前日比で高く引けたことも、続く欧州市場への期待感となってドル売りが強まったということもあり得たのでしょう。

本日は、主要3通貨ペアの現状を簡単に把握し、明日から始まる7月相場を想定して見ます。
ではまずは、お騒がせのポンドドルから。
左が週足、右が時間足です。


週足では2番底以来、概ね上昇トレンドを継続していることがわかります。上げそうで上げなかったのは、一目均衡表の雲が迫っており、抵抗となっていた様子がわかります。先週はかろうじて雲の中で終了しているだけに更なる上昇期待があったのかもしれません。

時間足では、ここ数日の変動が見て取れますが、上昇トレンドを否定する材料はありません。今日は高値を更新したということで、上昇の目が残っています。
ただ、週足での雲入りは、一概に続伸を意味できません。つまり、短期での雲は比較的相場転換として捕らえられる傾向がありますが、週足となると、雲はニュートラル、つまりこの間はどちらに行くかわからないゾーンと言う事もできます。さらに先行スパン上限は今後水平に推移していることから、9月以降の水準である1.6825あたりは上値として考慮する必要が出てきそうです。

次にユーロドルです。


こちらの週足は既に雲の中での推移となっており、乱高下する理由が先に述べたとおりです。
ここでも、水平に推移する先行スパン上限1.4180水準は上値抵抗となっています。時間足ではご覧のとおり上昇トレンドですが、基本を揉み合いと仮定すれば、目先の上値抵抗となる先行スパンが利用できそうです。たとえば、1.4180に引き付けて売り、越えてストップかドテン。うまく下落へつながれば先行スパン下限の1.3870手前で利食い。突き抜けて追いかけ売りなどです。短期トレンドを信用しすぎてのナンピン買い下がりは要注意と見ます。

最後にドル円です。


週足では雲に入りかけたものの、居心地が悪かったのでしょうか、直ぐに下方へと雲抜けしています。雲の下方にいるということは、下落バイアスが維持されていると見受けられ、時間足では揉み合い相場にみえます。雲の上限は前述に違わず98.87円で水平推移しており、しばらく相場は揉み合いを継続しそうな気配です。直ぐにでも揉み合いを90~95円にシフトしてもよさそうですが、基本は現状から上下どちらにも大きく変動しそうもありませんから、対円取引にこだわる向きには、ストレートを横に見ながら同じ通貨の対円取引が妥当に見えます。


パリティ目前 英国金融関係者の沈黙が不気味

2008-12-31 13:16:07 |    -ポンドドル

ご無沙汰しておりました。ここ数ヶ月間、全く更新できない状況続き、申し訳ありません。
それでも尚、当サイトにたどり着いていただくユーザーは多く、感謝にたえないと同時に、せっかくいらして頂いた方々に、非常に古い記述しか提供できていないことは、大いに反省いたします。2009年は丑年。年オトコとして牛の勢いを借りて前向きに対処いたしたいと思います。

2008年は本当に大変な年でした。
ある程度は予想の範囲内でしたが、約5年かけて上昇した各相場が、たったの3ヶ月で元あるいはそれ以上に反落するという、ポンドで言えばソロス・ショックに匹敵するクラッシュを示現してしまいました。世間では値ごろ感の買い意見も散見されていますが、この異常なクラッシュ相場のモーメントは、そうは簡単に覆ることは無いと見ています。少なくとも数ヶ月の時間を要するものと考えています。

ポンドが話題となりましたが、いよいよポンドとユーロのパリティ、つまり貨幣価値の均衡が目前となってきました。

かなり前にも夢想に近いコメントして、当パリティを想定し、イギリスのユーロ加盟の可能性を示唆しました。それが、ここへきてかなり現実味を帯びてきたと考えています。
こんな私でも想定するような事態の割には、世間では余にもこの連想に関するコメントが少なく感じます。一ヶ月前辺りに、唐突にイギリスの当局筋から、ユーロへの加盟の可能性を否定するコメントがニュースとなっていた記憶がありますが、基本的には皆無といった状況が続きます。

確かに、当時はまだ金利の大幅引き下げ前だった記憶がありますが、それ以降BOEは大幅な利下げを敢行し、いまやユーロより低い金利政策に突入しています。この事実は、インフレを極端に嫌気するユーロにとって、一つの加盟条件を満たした形となっています。さらに気になるのが、英国金融当局筋の沈黙であり、ユーロ復活が大前提に進んでいるのであれば、今のシナリオを崩したくないのが本音ではないでしょうか。もしかすると、突然の表明に対応できるだけの対策を、秘密裏に行っているのではないか、とかんぐりたくなります。

添付のグラフは、ポンド円とユーロ円のチャート(週足、終値ベース)に、価格差をかぶせたモノです。

上昇期には価格差を維持するような形で推移していますが、下落相場に入るとその差を大幅に縮小させ、下値抵抗であった50円を割り込むと急速に収束していることがわかります。

本日の水準が
ユーロ円が127.25円
ポンド円が130.50円
と、僅かに3円強という領域に入っています。
対ドルではざっくりと1.41と1.44となっており、お茶目な面を持つ相場性向としては、一旦はパリティ実現を目指すと予想しています。

イギリスがユーロ復帰するかどうかの現実的な議論は、パリティを見てからということになりそうですが、問題はなったと仮定した場合に、相場はどの様に展開するのかというところです。

パリティですから、120円で均衡しようと、140円で均衡しようと、100円、150円・・・とある意味ではいくらでも良いのですが、ドル円がかなり安定した動きを見せる中で、ユーロとポンドが1.4台にいるということは、たとえば1.425あたりを中心値とすれば、
1.425×90=128.25円あたりで、ポンド円、ユーロ円が均衡する・・・などと想いを膨らせることもできます。

パリティが達成し、ポンドがユーロ復帰すると仮定した場合、ユーロとしてはどんな動きになるでしょうか。

こればかりは いろいろな捉え方ができるでしょうが、一般的に考えれば、ユーロにメジャー国が増えることで、ユーロが好感され買い進められる可能性があります。
一方で、対ポンドの資産整理がどのように進むかがポイントにもなりそうです。

ユーロ統合の時がそうでしたが、例えばドイツ・マルクはユーロと交換されるため、そのまま持っていても問題は無いはずです。しかしながら交換比率等の思惑が交錯し、一時的な欧州通貨離れを招いた経験がありました。その経験を考慮すれば、ユーロポンドは過剰気味に上昇してしまう可能性も秘めています。


ややとりとめも無い話となってしまいましたが、2009年はこんな論争もテーマとなりそうな予感があります。
本年もあと数時間を残すのみとなりました。
外貨邦貨の金利差がどんどん縮小する中で、限界に近づくものの、再度拡大するトレンドになるかは大いに疑問であり、ますます相場を相場として明確に取り組める方々が有利な展開となる可能性が高まるのではないでしょうか。そういった意味で、売り持ちでも買い持ちでもハンディとしての差が少ない相場は、不条理なオマケを考えずにすむことから、相場を相場として取り組むためのステップアップにはもってこいの相場となりそうです。
どうか良いお年をお迎えいただき、2009年は自由な為替相場をどうかご堪能ください。(為替投資郎)


GBPUSD G7から24時間経過もドルの反応はまちまち ポンドの弱さが目立つか

2008-04-15 19:38:05 |    -ポンドドル

ドル円同様ポンド円についても、セルオンラリーが基本に見えてしまう昨今で、上手く伸びたところを売れれば概ねTPの機会にも恵まれていたのではないでしょうか。

一方で、クロス円が突っ込んで売られた時は、こちらも買い下がっておけばそう待たずしてTPできるといった、典型的なレンジ相場を繰り返しています。

ポンド円が弱いイメージは、ストレートペアであるポンドドルでも同様で、一時ユーロポンドの売り戻しで強まったポンドでしたが限界があり、このところ再びポンド売りが先行している形です。

利下げの現実性を考えるとユーロポンドは買われ気味に推移してしまうことは容易に想像でき、確かにそう単純ではないと思いながらも、現実が先行しています。

カナダや豪ドルも、どう見ても既に下落の目を引いてしまっているようにしか見えない状況で、ドル円の底堅さから感覚的には底堅い印象があります。時間的にもう少し調整が入るのかもしれませんが、やはり高金利通貨の売りタイミングが近づいているような気がしてなりません。"投資郎"


GBPUSD どのペアも冴えず指標も売り買い様々の中、唯一日足で一致が見える

2008-04-09 21:59:23 |    -ポンドドル

行き過ぎ調整が継続している様に感じるこのところの相場ですが、ここからドル円が一段踏みあがるには明確なドル買い要因または円売り要因が必要な様相となっています。

昨日、「影のMPC」といわれる筋からは6対3で利下げを提言していた事実が判明し、それまでユーロポンドの買われすぎの調整売りが優勢だった相場は一気にユーロポンドの買いに転換。ポンド全面安となりポンドドルも一気に値を下げました。

本日の安値である1.9647は、実は昨年の8月の悪夢を僅かながら下回っています。当時の安値圏では未だに下値からの圧力を引きずっていることを実感した一方で、2.00台に戻ったかという印象が新しい中で、既にここまで下落したのかという興味も同時に覚えます。

相場全体がハッキリしない方向感の中で、GBPだけが一方的に動くとは考えにくくはありますが、オシレーターなどを確認してみると、唯一一致したインディケーションを発しています。他にも幾つか同調する分析が見えたことから、諦めつつも一駒置いておこうかと思います。

繰り返しになりますが、方向感の無い中で基本は様子見であり、根拠や分析も今は背中を押してくれる原因探しといった状況です。


GBPUSD 昨日の反転からやや意外な伸び ポンドのリスクは残るも微妙な位置へ

2008-03-06 23:11:16 |    -ポンドドル

昨日はいきなりの反転で、各種運用のストップが発動し、快調だったポンドドルも一気にストップを向かえ、逃げそびれてしまいました。四の五の分析をしたところで、逆に行く場合はそれが現実であり、受け入れるしかありませんね。

昨日はドル円を中心としたクロス円の主導で上昇したように見えましたが、本日はややドル売りから欧州通貨の買戻しという形でストレートの上昇が目立ちます。

昨日は中東勢が膨大な単位でユーロを買っていたというニュースも聞こえていましたが、ドル売り再燃という匂いも漂い始めており、クロス円は特に右往左往といった展開です。

カナダ円も嫌な予感が的中し、〝3時間天下〝程度は持ちこたえたでしょうか…。あっという間に持って行かれてしまい、調子に乗りすぎました。もう少し引き付けられれば今こそ天下だったが悔やまれます。

昨日から本日掛けて感じたことは、やはりドル円の上値は重たいというもの。今ひとつ大きな理由も無くドル売りが再燃していますが、利下げ期待が比較的強かったBOEが据え置いたのはインパクトがあったのでしょうか。対ドルではチャートも抜けると上昇しそうな位置に迫っています。

具体的な戦略を立てる時間がありませんが、ポンドドルの買いに挑戦しようかと考えているところです。


GBPUSD 長期の揉み合いの上限 ポンド円は既に下値割れに見える

2008-03-04 21:18:13 |    -ポンドドル

ご存知のとおり、ドル売りに端を発した今回のドル円下落は、クロス円にとっては思わぬ展開を余儀なくされ、対ドルでの強さに思わず戻しを期待するような展開です。

しかし、例えばポンドドルは上限を抑えられポンドの上昇が望めない状況で、着実にドル円が下落した結果、2月27日のピークから静かに下落し、気がつくと既に203円台を付けた後の204円台という展開です。

チャートを見る限りにおいて、ポンド円単体では既に下値割れを起しているにも関わらず、今ひとつ熱気がこもってきません。確かにドル円も100円が意識される中で一瞬はモーメントが低下しており、下落にも勢いが無いのは事実です。

ドル円がここから先歩みを遅くすると仮定すれば、下落はポンドドルから始まるのではないかというのが、プランの発端です。
ポンドはだけ下落というのは考えにくいところですが、実は対ユーロでは安値を更新する状況下で、ユーロは対ドルで下値は限定的でも、ポンドだけ下落というシナリオはありえます。