随分と相場感が合わなくなってきました。結果も悪く現在の運用も決して安泰ではないので、リスクを拡大しないためにも新規は自粛しようと思います。
さて、何やら世界中にスタグフレーションの予兆が見え隠れしています。
夕方にECB筋が公表した経済予測では、インフレ予測を2.1%から2.6%に上方修正する一方で、成長率は2.25%から1.8%に下方修正するなど、不景気を予測する中でのインフレ拡大予測を報告しています。
日本の不景気はデフレを伴っていたため、消費などの経済活動は最低限を維持できていました。個人的にも収入は減りましたが、大好きなワインなどは1000円も出せば、そこそこのクオリティーあるものを楽しめたりと、一概に悪い印象ばかりではありませんでした。しかし、不景気なのにインフレという状況下では、経済のリセッションは急加速する可能性は否めません。
この波のインフレは明らかに資源インフレですから、原材料が高いのでは製品も高くならざるを得ません。価格を下げる余地があれば、値下げすることで購買意欲を刺激できる可能性はありますが、不景気で所得は減るのにモノが高くなるようでは何もしないのがベストということになるのは当たり前です。
イギリスの小売売上高が予想より好調(増加)したという発表を受けてポンドが買われています。
確かに数字は上昇したのでしょうが、消費が同じとして売値が上がれば売上高は伸びますし、違うコストを下げることで資源費の上昇をカバーしようと努力しても、数字は維持できたとしても収益は圧迫され、企業収益は低下するというトリックが隠れています。現に、T&C社のfx waveニュースによれば、英国の小売上昇は、ある業界の大幅な値下げセールの影響で消費が伸びたのが原因だと伝えているように、先を見越した売れ残りリスクの回避行動が一時的に購買意欲を刺激した可能性もあり、暫くはこうした経済指標にも“ダイバージェンス”を伴うこともありそうです。
忘れもしない、確か1997年でしたでしょうか。不況からやや立ち直り始めたように見えた日本経済が、消費税上げというイベントにあって再度沈降したということがありました。あれは、最終処分として投売りしていた消費財に割安感を覚え、一時的に消費が上向いただけだったのに、政府が真に受けてしまったと言うことも出来そうですね。見せ掛けの数字でポンドを買い進める気には到底なれず、まだまだ相場観と実際の展開が一致しない期間は続きそうです。