石仏散歩

現代人の多くに無視される石仏たち。その石仏を愛でる少数派の、これは独り言です。

136 目黒不動の石造物⑥参道(仁王門→男坂)の両脇境内

2018-08-05 05:36:43 | 寺院

     「henkyのブログ」より無断借用

境内図を作成する能力がないので、ネットから借用。

しかも無断盗用で、まことに申し訳ありません。

今回は、汚く赤で印をつけた3か所の石造物について。

まず、男坂に向かって左の樹木の下。

石仏が1体座していらっしゃる。

左手に本来あるはずの薬壺がないが、薬師如来でしょう。

全体に黒っぽいのは、戦禍に巻き込まれたせいか。

 

次に仁王門横のトイレ。

看板に「湯放処」とあり「ゆまるところ」と仮名がふってある。

入口の石柱の上に石仏がおわす。

見かけない像容だなと思ったら、下に「うすさま明王」とある。

うすさま明王は、トイレの守り神。

東京では、ほとんど、見かけない珍しい仏様。

烏枢沙摩明王は古代インド神話において元の名を「ウッチュシュマ」、或いは「アグニ」と呼ばれた炎の神であり、「この世の一切の汚れを焼き尽くす」功徳を持ち、仏教に包括された後も「烈火で不浄を清浄と化す」神力を持つことから、心の浄化はもとより日々の生活のあらゆる現実的な不浄を清める功徳があるとする、幅広い解釈によってあらゆる層の人々に信仰されてきた火の仏である。不浄を浄化するとして、密教や禅宗等の寺院では便所に祀られることが多い。(Wikipediaより)

うずさま明王を祀る伊豆市の明徳寺では、下半身の病気に功ありありとして、便器をまたいで、祈願する習わしがある。

 便器型の祈願所(明徳寺)

私も祈願したが、前立腺肥大が悪化、先月手術したばかり。

跨ぎ方が悪かったせいだろうか。

 

地蔵堂前の藤棚の下には、宝篋印塔が在します。

高さ4m。

中央正面に「寛政十二庚申歳/正月吉辰/願主/中橋西会所/小倉庄助/稲貞隆敬書」。

 

左面から「観天宝篋印塔婆/者法界體性諸佛/・・・」と裏面、右面へと続く。

台石には、石工、鳶頭の名前が刻され、「安政六年再興」の文字も読める。

安政の大地震で倒壊したものを再建したものか。

≪参考資料≫

◇「目黒不動の金石物一覧」(『郷土目黒』NO40/平成8年)