福聚講

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地蔵菩薩三国霊験記 8/14巻の4/13

2024-09-15 | 先祖供養

地蔵菩薩三国霊験記 8/14巻の4/13

四、花を盗み供養して感應を受る事

丹後の國天橋立と云所に栖ける人の娘の阿賀と申すあり。生得佛をうやまひ佛法をあがむ心あり。人の教るにあらざれども地蔵菩薩を皈依したてまつりて色よき花を求めては必ず地蔵菩薩に供し奉りける。或時隣家の園にある菊を見てあかつき方に忍び入り彼の花一朶を引き折り皈来りて地蔵に供へける。明日花の主見付けて大にいかり日比の事なればだれの人にもあらじ阿賀のしわざなるべし。古来も落花の狼藉こそ誰にも容(ゆる)し花有れば即ち奥じて貴賤をえらばず入て見るこそ詩にもことわるとかや。何ぞ盛りの花を折ること無下の至り切諫あれと母に告げこしければ母腹立して汝女の身として花をぬすみ人の園をやぶることをそろしや。もののしわざかな老の末もすさまじとて、したたかにいましめて大なる木にしばり付けてぞさいなみける。年来十二歳になりし。いとけなき身なれば杖の数々息絶てやにわに打ち殺されて終に虚しくなりぬ。されどもあまり本意なきことなりと三日まで葬らでをきけれども、かわれることもなければ野邊の送りをせんと其の日の暮れを待ち居けるに何方ともなく若き僧の来たり玉ひて彼の女の口に水を灑玉ひて出給ふが、くれに失せさせ玉ひける。不思議や且くありて息をいたして蘇生しけり。其の後生成して公に仕奉り目出く一生を果たすとかや。未来のほどたのもし。是則ち地蔵菩薩の御利生なり。一花親切の志にこたへて現に感應を蒙れり。誠なるかな一花開五葉結果自然成(小室六門「吾(達磨)本來茲土、傳法救迷情。一華開五葉、結果自然成」)とあり。況や香油珍菓にをいてをや。

引証。本願經の偈に云、香華衣服飲食を以て供養し奉らば百千妙楽を受けん云々(地藏菩薩本願經・見聞利益品第十二「地藏名字人若聞 乃至見像瞻禮者 香華衣服飮食奉 供養百千受妙樂 若能以此迴法界 畢竟成佛超生死」)

 

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