今日、長承4年(1135)3月21日は覚鑁上人が大伝法院・金剛峯寺座主を辞任し密厳院で無言三昧の行に入られた日です。これは保延5年(1139)4月2日までの4年間、1446日に及びました。『密厳院発露懺悔文』にその時の願いが著わされています。これは自分も真別処で50年も前に加行をしたとき毎晩読まされました。いまも僧侶の頂門の一針です。
密厳院発露懺悔文「我等懺悔す 無始よりこのかた妄想に纏れて衆罪を造る。身口意業 常に顛倒して 誤って無量不善の業を犯す。珍財を慳悋して施を行ぜず 意に任せて放逸にして戒を持せず。しばしば忿恚を起して忍辱ならず 多く懈怠を生じて精進ならず。心意散乱して坐禅せず 実相に違背して慧を修せず。恒に是の如くの六度の行を退して 還って流転三途の業を作る。名を比丘に仮って伽藍を穢し 形を沙門に比して信施を受く。受くる所の戒品な忘れて持せず 學すべき律義は廃して好むこと無し。諸佛の厭悪したまう所を慚じず 菩薩の苦悩する所を畏れず。遊戯笑語して 徒らに年を送り 諂誑詐欺して空しく日を過ぐ。善友に随がはずして癡人に親しみ 善根を勤めずして悪行を営む。利養を得んと欲して自徳を讃じ 名聞を求めんと欲して他罪を誹る。勝徳の者を見ては嫉妬を懐き 卑賤の人を見ては驕慢を生じ、富饒の所を聞いては希望を起す 貧乏の類を聞いては常に厭離す。故に殺す有情の命 顕はに取り密かに盗る他人の財
、触れても触れずして 非凡行を犯す 身口意三互に相続し、佛を観念する時は攀縁を発し経を読誦する時は文句を錯る
。若し善根を作せば有相に住し 還って輪廻生死の因と成る。行住坐臥知ると知らざると犯す所の是の如くの無量の罪 今三宝に對して皆発露し奉る。慈悲哀愍して消除せしめ賜え。 皆悉く発露し 尽く懺悔し奉る。乃至法界の諸の衆生 三業に作る所のかくの如くの罪 我皆 相代って尽く懺悔し奉る 更に亦 その報いを受けしめざれ。南無 慚愧懺悔 無量 所犯罪」
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