大師の性霊集「前の清旦州、亡妻の為の達嚫(だっしん)」には「伏して願わくは此の法力をもって先霊を開悟せしめむ」、「「諸行無常云々」もし男女あって一度此の偈を聞けばよく罪業を滅して早く善果に登る。(涅槃経の「諸行無常、是生滅法、生滅滅己、寂滅為楽」の偈を聞くとその霊魂は罪業を滅して成仏する)・・伏して願わくは此の法力をもって先霊を開悟せしめむ、妙偈加持して早く知見の源を證し、没駄護念してすみやかに本 . . . 本文を読む
弘法大師の説かれた鐘の功徳です
「鐘の知識を勧め唱ふる文
それ滄海は鱗甲の潜まるところ、泰岳は翔蹄の集まることろなり。すなわち知りぬ、智池は坌塵の浴するところ、霊鐘は苦類の息ふところなり。しかればすなわち洪鐘隆んに鼓す。ただ吨王の望剣を留むるのみにあらず(付法因縁傳に、罽賦吨王が鐘音を聞き剣の地獄から救われた故事あり)、兼ねてはまた灰河の難獄を甦らしむ。故に経に曰く、一たび鐘を打ん聲ごとにまさ . . . 本文を読む
今日12月19日は大師が「藤原園人追悼文」を撰し贈られた日です(弘法大師全集)。「法力遠近なし」とおしゃっています。「藤原園人追悼文 弘仁九年十二月凶禍常なし。伏して承る相国納言、孝養を待たずと(大納言藤原園人は子供の孝養を待たず亡くなった)。乍ち聞いて驚慟す。五内(五情、こころ)主なし。惟んみるに擗躍はん裂して(胸も張り裂け)、荼毒(くるしみ)居り難からん。痛み当にいかん。相公高年といえども、こ . . . 本文を読む
以下は「伝教大師消息」にある手紙です。
「借請
虚空蔵経疏四巻
華厳入法異品字門一帖(文殊字母加へて返畢、金剛字母返畢)
十地経二帖(廻向品・十力経を加ふ)
菩提場所説一字転法王経一帖
守護國界主経一帖(返畢)
烏樞瑟摩経一巻上下
金剛薩侘五秘密念誦儀軌
右法門来年二月下旬を限りて将に奉上せんとす。伏して乞ふ、大徳慈悲哀愍聴許せよ 稽首
和南
弘仁三年812十 . . . 本文を読む
秘蔵宝鑰「一佛の名号を称して無量の重罪を消し、一字の真言を讃して無辺の功徳を得る。・・経法のあるところは諸仏護念し、諸天守衛す、かくのごとくの利益あげて計うべからず(一体の仏の名をおとなえしても重罪が消え、数あるご真言の一句でもとなえれば無辺の功徳を得る。・・仏の教えを大切にしているところは諸仏が守り諸天が護衛して下さる。密教ではこのような霊験は数えきれない。) . . . 本文を読む
天長三年十一月二十四日、大師は東寺の五重塔建立に着手されました。大師53歳の御時です。「東寺の塔を造り奉る材木を曳き運ぶ勧進の表」です。これによると「塔を建て憧を建つるは福徳無尽なり」と仰せられています。いまでもおおくの塔が建立される所以です。東寺は桓武天皇の御願であり、歴代四代を経ても完成せず大師自ら工事現場の総監督としてあたられていました。大塔の完成をするべく諸子百官に力を合わせ、材木を東山よ . . . 本文を読む
秘蔵宝鑰のお言葉「大毘盧遮那経にいわく『悉地は心より生ず』。金剛頂経に説くがごとし、『一切義成就菩薩初めて金剛座に坐し、無上道を取證して遂に諸仏に此の心地を授かることを蒙ってしかしてよく果を證す』。およそ今の人、もしよく心決定して教えの如く修行すれば座を起たずして三摩地現前し、ここに本尊の身を成就すべし。」(大日経悉地出現品にいわく「悟り・霊験はこころより生ずる」と。また金剛頂経には「お釈迦様は初 . . . 本文を読む
今日弘仁3年11月15日は高尾山にて大師が金剛界結縁灌頂を開壇され、伝教大師・和気真綱・和気仲世・美濃種人らが入壇された日です。(「灌頂暦名」に「弘仁三年、十一月十五日於高雄山寺 受金剛界灌頂歴名 最澄・・・」としてでてきます。
「眞言付法纂要抄」にも「弘仁三年十一月十五日、高雄山寺において金剛界灌頂を修す。受者、釋最澄、大學大允和氣仲世、美濃種人等也。金剛界大法灌頂は此時を始となす。」
) . . . 本文を読む
長者補任
「(天長六年(829))大僧都空海 十一月五日大安寺別当に補す。今年、和気真綱、同清麻呂、神願寺を以て大師に付嘱し奉る。神護寺是也」
大安寺は元興寺と並んで日本における三論宗の二大拠点を成した。入唐僧道慈は、護国経典として重視された新訳『金光明最勝王経』を日本にもたらし大安寺の整備に尽力。鑑真招請の普照と栄叡、大師の師の勤操、また最澄の師にあたる行 . . . 本文を読む
秘蔵宝鑰「一佛の名号を称して無量の重罪を消し、一字の真言を讃して無辺の功徳を得る。・・経法のあるところは諸仏護念し、諸天守衛す、かくのごとくの利益あげて計うべからず((条件の整っている者は)一体の仏の名をおとなえしても重罪が消え、数あるご真言の一句でもとなえれば無辺の功徳を得る。・・仏の教えを大切にしているところは諸仏が守り諸天が護衛して下さる。密教ではこのような霊験は数えきれない。) . . . 本文を読む
今日は伝教大師から弟子の泰範にあて弘法大師の灌頂に入壇すること等を書いた手紙を出されています。実際この年の十二月十四日には大師は高雄山寺において胎蔵結縁灌頂を開かれ約束どおりに最澄・賢栄・泰範等が入壇されています。
「比叡山老僧㝡澄敬白
應に灌頂を受法する事
右㝡澄去月二十七日(弘仁三年十月二十七日)頭陀の次を以て乙訓寺に宿し空海阿闍梨に頂謁す。教誨慇懃具に三 . . . 本文を読む
「それ釈教は浩汗にして際なく涯なし、一言にしてこれを蔽えばただ二利にあり。常楽の果を期するは自利なり、苦空の因を救うは利他なり。空しく常楽を願うも得ず、徒に抜苦を計れどもまた難し、必ずまさに福智(注1)兼ねて修し、定慧(注2)並べ行じて、いましよく他の苦を救い、自の楽を取るべし。(御請来目録)」(自他を救うためには、仏教の教理を学び、六波羅蜜特に布施行を実践し、禅定と智慧を磨かなければならない). . . . 本文を読む
「国家の奉為に修法せんと請ふ表」(性霊集第四)「沙門空海言す。空海幸に先帝の造雨に沐して遠く海西に遊ぶ。儻灌頂の道場に入て、一百余部の金剛乗の法門を授けらるること得たり。其経は佛の心肝、國の霊宝なり。是の故に大唐開元よりこの己来、一人三公、親り灌頂を授けられて、誦持観念す。近くは四海を安むじ、遠くは菩提を求む。宮中に長生殿を捨て内道場とす。復七日毎に解念誦の僧等をして持念修行せしむ。城中城外に鎮國 . . . 本文を読む
大師が任王会を開かれんとされた表です。「国家の奉為に修法せんと請ふ表」(性霊集第四)「沙門空海言す。空海幸に先帝の造雨に沐して遠く海西に遊ぶ。儻灌頂の道場に入て、一百余部の金剛乗の法門を授けらるること得たり。其経は佛の心肝、國の霊宝なり。是の故に大唐開元よりこの己来、一人三公、親り灌頂を授けられて、誦持観念す。近くは四海を安むじ、遠くは菩提を求む。宮中に長生殿を捨て内道場とす。復七日毎に解念誦の僧 . . . 本文を読む