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福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

佛教人生読本(岡本かの子)・・その75(最終回)

2014-04-22 | 講員の活動等ご紹介
第七五課 日本の仏教  印度が仏教の原料産出地とすれば、支那は加工、輸出地であります。そして日本は輸入消費地であります。しかし、ただの輸入消費ではありません。輸入するにも、国土民情に適したものを篩ふるい選より、そしてさらにこれを民族精神で精製し直し、全く日本的の仏教にして消費し来ったのであります。故に日本の仏教は、印度の仏教とは大変な相違があり、支那の仏教ともよほど異なっております。   . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)・・その68

2014-04-15 | 講員の活動等ご紹介
第六八課 差別と平等  仏像には大概、両脇に菩薩の像が附いております。これを脇士きょうじと言います。脇士に対して中央にある仏像は本尊です。  釈迦如来を本尊とする仏像の脇士は、左に文殊菩薩、右に普賢ふげん菩薩であります。これにはいろいろの意味がありますが、もし文殊が平等を現す場合には、普賢は差別を現すことになっております。真理というものは、一方に平等、一方に差別を控えて、ちょうど、車の両 . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)・・その59

2014-04-06 | 講員の活動等ご紹介
第五九課 迷信の話  迷信については、私が西洋にいたとき聴いたおかしい話があります。  白耳義ベルギーの首都ブラッセルから独逸ドイツ国境の方へ半日ほどドライヴしますと世界大戦当時最も激戦を極めた地方へ出ます。その遺跡も沢山残っていますが、それでもこの辺一帯の天然の風景は、欧州の中で珍しい平和なのんびりしたものです。一面の青麦の畑は見渡す限りうち続き、澄み切った碧みどりの空に風車がゆるゆる . . . 本文を読む
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西行の桜の歌

2014-04-01 | 講員の活動等ご紹介
満開の桜に触発されて桜の歌など西行法師の歌を中心に、おもいつくままに書いておきます。桜は古来 道を求める人も多く詠んでいます。 「吉野山さくらが枝に雪ちりて花おそげなる年にもあるかな・・西行」 「おしなべて花のさかりになりにけり山の端ごとにかかる白雲・・西行」」 「吉野山こずゑの花を見し日より心は身にもそはずなりにき・・西行」 「ねがわくは 花の元にて春死なむ そのきさらぎの 望月のこ . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)・・その51

2014-03-29 | 講員の活動等ご紹介
第五一課 人間万歳 人間万歳 人間万歳 人間よ、泣きたくば泣け 人間よ、笑いたくば笑うも宜い 怒りたくば、怒っても宜い 迷うもなやむも好き勝手だ 人間よ、あなたの持つ七情を生かせ 人間よ、怒って、泣いて、笑って、迷って まだまだあなたの心をみんな生かせ 憎みも愛も嫌いも好きもみんな生かせ 人間よ、生悟りは御免だ 人間よ、白ちゃけた行い澄した顔はおやめ 泣くより怒るより迷うより . . . 本文を読む
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福聚講・・・今日の言葉

2014-03-29 | 講員の活動等ご紹介
「下等の人間は「舌」を愛する。 中等の人間は「身体」を愛する。 上等の人間は「心」を愛する。」 グルメや健康法のみを大切にする現代は時代としては中・下等の時代でしょう。 . . . 本文を読む
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四国遍路日記(山頭火)・・その20

2014-03-27 | 講員の活動等ご紹介
 十二月十四日 晴。 藤岡さんを局に訪ねて郵便物をうけとる、いずれもうれしいたよりであるが、とりわけ健からのはうれしかった、さっそく飲む、食べる、――久しぶりに酔っぱらった。 夕方帰宿すると、留守に高橋さんが来訪されたそうである、新居の吉報を齎らして、――すみませんでした。 ぐっすり寝る、夢も悔もなし、こんとんとしてぼうぼうばくばくなり  十二月十五日 晴。 昨日の飲みすぎ食べすぎがた . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)・・その46

2014-03-24 | 講員の活動等ご紹介
第四六課 他愛  他を愛することばかりが美挙の全部だと思っている人があります。他を愛する気持ちにばかり酔っている人があります。  なるほど、他を愛し、他よりよろこばれ、他のためになって自分の心の満足を味わうということは実に美しいよろこびです。  しかし、それがため、自分をすっかり失くす人があります。失くすだけならまだ好い、失くして今度は他人にねだらなければならないとしたら、だらしがない . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)・・その41

2014-03-19 | 講員の活動等ご紹介
第四一課 体育  一時、「自然に還れ、自然に還れ」という声が盛んでした。近頃の青年男女はそんなことを叫ぶ代りに直ちに実行に移して、大空の下、大地の上を、天幕テント旅行にハイキングに、登山にスキーに、競走に水泳に、ドライヴに乗馬に、積極的に自然へ向って飛び出して行きます。そして浩然の気を養っております。これは誠に結構なことであります。しかし、そういうことをするのに、時間と費用との余裕がない人も随 . . . 本文を読む
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四国遍路日記(山頭火)その5、

2014-03-12 | 講員の活動等ご紹介
十一月八日 晴――曇、行乞六里、伊尾木橋畔、日の出屋で。 五時前に眼が覚めた、満天の星のひかりである、家人の起きるまで読んだり書いたりする。 ゆっくりして七時すぎてから立つ、ところどころ行乞、羽根附近の海岸風景もわるくない。 奈半利貯木場、巨材が積み重ねてある、見事なものだ、奈半利町行乞、町に活気がないだけそれだけ功徳も少なかった、土佐日記那波の泊の史蹟である。(935(承平5)年頃紀貫之作 . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)より・・・その33

2014-03-11 | 講員の活動等ご紹介
第三三課 婚約の前に八方手を尽せ  婚約ということは、殆んど結婚したも同様で、婚約してしまった後で、また取り消すということは、人情的にも、法律的にも面倒です。だから婚約する前にまず充分調査して、後でまごつかぬようにしなければなりません。  ここに一人の若い女性があって、夫を選ぶことになりました。やがて候補者が見付かったので、彼女は自分でも、八方手を尽して、その男の身元、素性、性癖、能力、 . . . 本文を読む
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四国遍路日記 山頭火 その3

2014-03-10 | 講員の活動等ご紹介
 十一月六日 曇、時雨、晴、行程六里、室戸町、原屋。 朝すこしばかりしぐれた、七時出立、行乞二時間、銭四銭米四合あまり功徳を戴いた、行乞相は悪くなかったと思う、海ぞいに室戸岬へいそぐ、途上、奇岩怪石がしばしば足をとどめさせる、椎名隧道は額画のようであった、そこで飯行李を開く、私もまた額画の一部分となった訳である。 室戸岬の突端に立ったのは三時頃であったろう、室戸岬は真に大観である、限りなき大 . . . 本文を読む
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佛教人生読本、(岡本かの子)より・・その13

2014-02-19 | 講員の活動等ご紹介
第一三課 憂鬱と笑い  憂鬱のときは、兎に角笑ってみましょう。笑えなくとも勇気を出して笑ってみましょう。  形に心はついて来ます。笑って、笑って、笑ううちに、笑いについて憂鬱がとけて来ます。一種の生理的作用でもあります。  私たちの心理と生理作用には、必ずその仕掛けが秘ひそんでいるはずです。  笑ってから、さて、おもむろに手段を考えましょう。(これがなかなかいざというときにできないので . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)・・その5

2014-02-11 | 講員の活動等ご紹介
第五課 たしなみ  大雪が降りました。朝、眼を覚ました秀吉は考えました。「いかに名人、利休でも、こんなときは油断していてまごつくだろう。一つメンタルテストに出かけてやろう」と。 「茶というものは贅沢や遊びにやるものではない。人間同志、互いに持ちまえの和親敬愛の情を表すために使う方便だ。そしてその作法というものは、身を慎しみ心を磨く修業である。人生のあらゆる態度を、この作法の中に切り縮めて研 . . . 本文を読む
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佛教人生読本(岡本かの子)・・その4

2014-02-10 | 講員の活動等ご紹介
第四課 苦労について  料理通の話を聴きますと、「魚肉などで味の深い個所は、魚が生存中、よく使った体の部分にある。例えば鰭ひれの附根の肉みだとか、尾の附根の部分とかである。素人は知らないから、そういうところを残しがちだが、実は勿体ないことである」と言いました。  なるほど、この事は人間についても言われます。苦労をしない人よりは、苦労をした人の方が人間味が深いのであります。いわゆる、お坊っち . . . 本文を読む
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