中村涼應、幸真両師の「正統曼荼羅の研究」(NHK出版)にまさにお大師様の護国思想が曼荼羅にも現れていることが章立てで書いてありました。
この第七章は「弘法大師の護国思想と曼荼羅」と題し「真言密教では即身成仏と共に大切に考えられているのが護国思想である。大師にはとりわけ「仁王経」による護国思想が見られる。
大同四年(809)四月の嵯峨天皇即位後、翌年十月には大師は国家のために仁王大法を修することを . . . 本文を読む
蒙古襲来にあたって、叡尊菩薩は院宣をうけ「蒙古兵を損なわずして本国に吹き送ってください」と八幡大菩薩に祈り佛頂尊勝陀羅尼を称えています。その後大風が吹いて蒙古の舟が大破損したという知らせが届いています(金剛仏子叡尊感身学正記) . . . 本文を読む
太平記巻四十 蒙古日本を攻むる事 付けたり神戦のこと(その2/2)
太平記に蒙古襲来にともなう神仏への祈願ぶりが出ています。「太平記巻四十 蒙古日本を攻むる事 付けたり神戦のこと」を引用します。 . . . 本文を読む
太平記巻四十 蒙古日本を攻むる事 付けたり神戦のこと(その1)
太平記に蒙古襲来にともなう神仏への祈願ぶりが出ています。ながいですが数回に分けて「太平記巻四十 蒙古日本を攻むる事 付けたり神戦のこと」を引用します。 . . . 本文を読む
日蓮は文応元年7月16日(1260年8月24日)北条時頼に『立正安国論」を提出しました。
日蓮は、『立正安国論』の中で、相次ぐ災害の原因は人々が正法である法華経を信じずに邪法を信じていることにあるとし、法華経、薬師経なども引用しながら、人々の間違った信仰で多くの難が起こっているが、唯一残っている難が他国からの侵略難だといいました。
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「密教経典と護国思想(栂尾祥雲、『密教文化』」の続です
「・・若し内心の國界安楽なることを得れば則ち外器の城郭悉く皆安泰なり、・・・(国民の心が安らかであれば外側の国土も安泰である・・・)」(大師「守護経釈」) . . . 本文を読む
前回の栂尾博士説の続です
「仁王経にもとずく護国思想、は・・国土を擁護するといってもその国民の思想が健實であり、正純でなくては、その国土を正しく健やかに栄えしむることは出来ない」
「・・この鬼神の聞法を介してのみ初めて護国の成果を発揮しうることになっている」 . . . 本文を読む
前回の栂尾博士説の続です。・・
「孔雀経にもとずく護国思想
まず『孔雀経』のことから検討することとする。大師が『佛母明王経』というのはこの『孔雀経』のことで、これこの経を詳しくは『佛母大孔雀明王経』と称するがゆえである。
この『孔雀経』の内容としてはSvatiなる比丘が毒蛇に噛まれて地上に悶絶したる時、佛これを救護するために、大孔雀佛母大陀羅尼を説き、これを誦持することによりて、ただに蛇毒を治す . . . 本文を読む