みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

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初春の新刊 -『不動産の未来』『デジタル民主主義』『エシカルフード』『東京大空襲の戦後史』etc

2022-03-21 | こんな本を読んでいます
連休ですので恒例の新刊紹介です。
やや小粒の新刊が多いような気もしますが、
現代社会の変化をリアルタイムで語る著作や、
歴史から未来を照らす著作は見ておきたい。


『オードリー・タンが語るデジタル民主主義』(大野和基,NHK出版)


 → 台湾の民主主義の自己革新とテクノロジーの公正な利用拡大は日本より進んでおり、
   自民党のように党勢拡大の「邪心」(汚れた動機)が混じっていないのが素晴らしい。


『不動産の未来 マイホーム大転換時代に備えよ』(牧野知弘,朝日新聞出版)


 → 必ず来る首都圏の大震災に対する油断にしか見えない、
   脆弱地盤に林立するタワマンは重大なリスク要因である。


『東京大空襲の戦後史』(栗原俊雄,岩波書店)


 → 靖国に祀られることは決してない、
   無数の庶民(非戦闘員)の無惨な死を無視してきた。
   これが戦後日本の一側面であり自称保守派の本質的な欺瞞でもある。


『裏切り者は顔に出る-上司、顧客、家族のホンネは「表情」から読み解ける』(清水建二,中央公論新社)


 → こちらは左側で紹介済み。
   矢張りトランプが北の独裁者に馬鹿にされていたことは学問的に証明された。
   (安倍もプーチンに見下されていた筈で、更なる研究を望みたい)


『いま中国人は中国をこう見る』(中島恵,日経BP)


 → 日本が好きでも口にするのが憚られる、
   中国社会のナショナリズムの強まりが気になる。
   これは中国において経済成長が鈍化し、不満が高まっている証左であり
   90年代後半以降の日本と酷似している。。


『子どもが教育を選ぶ時代へ』(野本響子,集英社)


 → 我が子だけに特別な教育を授けようとする家族利己主義が露骨な、
   ペアレントクラシーの醜悪な側面を具現化した一冊。


『学校では学力が伸びない本当の理由』(林純次,光文社)


 → 我が子にだけ特別な教育を与えたい親の利己主義につけ込んで自らの言説を売り込む、
   こういう教育アジテーターが日本の教育を劣化させる原因のひとつだろう。
   分断された米国社会を見れば分かるように自由な教育が格差を拡大し固定化する。

   人口動態要因や国際比較分析を完全無視する著者のような情動的・扇動的批判で
   公教育を叩くとアメリカのように質が落ちるだけの話である。
   著者は以下の本で言う「叱る依存」かもしれないが。。


『〈叱る依存〉がとまらない』(村中直人,紀伊國屋書店)


 → 研究として興味深いが、「褒める依存」「自己承認依存」が
   今まさに深刻化しておりそちらも同様に弊害が大きいと思えてならない。


『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』(黒川祐次,中央公論新社)


 → プーチンの言う「ナチ化」は歴史に照らせば完全に間違っていることが明白、
   ロシア側に立つ鈴木宗男や佐藤優あたりの論者も
   熟読して理解すべき悲劇的なウクライナの歴史。


『日本美術の核心 ――周辺文化が生んだオリジナリティ』(矢島新,筑摩書房)


 → 確かに世界の中でもユニークではあるが、
   「世界一」と帯にあるのは明らかに贔屓の引き倒しであろう。


『エシカルフード』(山本謙治,KADOKAWA)


 → 牛肉など畜産品の環境負荷は批判される程に大きくはないが、
   無視できるほど小さくもない。バランス感覚に優れた主張である。


『昭和・東京・食べある記』(森まゆみ,朝日新聞出版)


 → 実は知らない定番の名店を発見できる、
   今改めて見てみると寧ろ新鮮さがあるような。。

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