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『週刊エコノミスト』5月7日合併号 - デフレ脱却では日本経済は良くならない、株高でも消費低迷に陥る

2024-05-03 | 『週刊エコノミスト』より
取り上げている経済三誌の中ではエコノミストが最も本格的だった。
「内容としては三誌の中で最優秀である」
「中国経済は遂に斜陽の時代に入った、そう判断すべきであろう」

と先週書いたが、概ね予想通りだったと言える。
ただ人口動態、特に出生率の悪化に言及すべきだった。

中国経済は矢張り、既に「日本化」の道に陥ってしまっており、
本当は成長率1.5%なのではとの見方が出るのも尤もである。
(絶望的な少子高齢化で、遅かれ早かれ1%どころかゼロ成長に陥るだろう)

特に気になるのは20頁、消費での「国潮熱」(排外的な国産愛好)である。
少し前にはクリスマス排斥が話題になったが、愛国主義の歪んだ高揚は
1990年代後半以降の日本と酷似しており経済悪化の凶兆である。
(日本では、日本会議の台頭とともに経済成長率が悪化しゼロ成長に陥った)
人口動態面でも、思想面でも中国経済に未来はない。人材流出が進むだろう。


エントリーのサブタイトルは76頁より。
みずほR&Tの門間氏の秀逸な論考であり
GDPデフレーターから直近の値上げを分析した結果、
値上げ分のほぼ全てを企業が取り、労働者への還元は0.1%分だった
という。
氏はデフレ脱却だけでは日本経済は良くならないと断言しているが当然だろう。
2010年代前半にアベノミクスを褒めそやした衆愚B層は
日本経済を低迷に陥れた己の罪業をよくよく反省すべきである。

『週刊エコノミスト 2024年4/30・5/7合併号【特集:崖っぷち中国】』


さて市岡繁男氏は連載でゴールドを取り上げている。
チャートを見るとゴールドは逆三尊から上抜け、
しかも氏によれば「NYダウ/ゴールド」のチャートは
三角保ち合いのチャートで上下いずれかに大きく動く直前という。。
個人的には氏の懸念する戦争よりストック大幅調整の方があり得ると見ている。

    ◇     ◇     ◇     ◇

ところで東洋経済ではGWに推薦する本はなく
資産関連で僅か並んでいただけだった。
しかもパッシブ系は堅実ながらつまらないのだ。。

『週刊東洋経済』2024年4/27・5/4合併号 (1億円を目指す資産運用大全)


当ウェブログからは、実証研究系ではまずピケティ、
そしてトレーディングでは傑作『ヘッジファンドの懲りない人々』をお勧めしたい。

『トマ・ピケティの新・資本論』(トマ・ピケティ,日経BP)


『ヘッジファンドの懲りない人たち』(バートン ビッグス,日本経済新聞出版)


    ◇     ◇     ◇     ◇

次週は東洋経済に注目、四季報関連取材に悪影響ない分野だと鋭い記事が増えると見た。

▽「地方創生」の失敗原因は都会のコンサルだけでなく、構造問題から目を逸らしたふるさと納税バブルにもある

『週刊東洋経済』2024/5/11号 (喰われる自治体)


▽ ダイヤモンドは得意の農業特集、農業振興が日本経済回復にも地方創生にも繋がらない事実が実証されつつある

『週刊ダイヤモンド』2024年5/11号 (儲かる農業2024)
ダイヤモンド社
ダイヤモンド社


▽「婚姻数の減少が少子化の要因」とする本格派のエコノミスト、ただ東川町の名がないのは何故?

『週刊エコノミスト』2024年5/14・21合併号【特集:ストップ!人口半減】

他方「海外の少子化対策」と「特別寄稿」は失策か、冨山氏に至っては観光業を挙げるという。。
(京都や高山では寧ろ低出生率で人口減という現実を無視、ニセコのような植民地化を推奨するのか?)
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