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GWの新刊 -『中国不動産バブル』『日ソ戦争』『世界の富裕層は旅に何を求めているか』『体験格差』等

2024-04-30 | こんな本を読んでいます
連休にはいつもの新刊紹介です。

ガザ・イスラエル関連の新刊が揃ってきましたが
どれも自分の言説を売り込もうと必死で煽動ばかり、
冷静に事実を分析し日本が現実的に可能な施策を説いたものは皆無。。
良識ある読者は騙されないようようくれぐれもご注意を!

理由は分かりませんが、自己の宣伝ばかりに終始していたり
視野狭窄で寧ろ賢明な読者から冷笑を受けそうな新刊が多いのは寒心に堪えません。。


『中国不動産バブル』(柯隆,文藝春秋)


 → 著者は優秀なエコノミストで
   中国経済分析において信頼できる数少ない専門家の一人。
   経済誌等で非常に的確な中国経済分析を行っており、
   凡俗な中国経済崩壊論とは比較にならない本格派。


『日ソ戦争 日本最後の戦い』(麻田雅文,中央公論新社)


 → 兵站と兵器を重視したソ連(現ロシア)に惨敗した旧日本軍、
   当時の日本人は現在のウクライナやガザより残虐な暴行や略奪を受け「憎しみしかない」、
   これが元外務省の親ロシア派達が口を噤む歴史的事実である。


『体験格差 』(今井悠介,講談社)


 → ここからは批判的考察が必要な新刊。
   「可哀想だから貧困家庭の子に体験を与えるべき」という上から目線の論理に終始、
    北欧の様な高負担と連帯を無視したトライバリズム(一部特定層のことしか考えない)であり
   本音では我が子にだけ多額の教育投資を行いたい中高所得層から費用対効果の乏しさを厳しく指摘され
   必ずしっぺ返しを受けるであろう。。

   (↓ そうした意味で以下の本と対照的でありながらよく似ている)


『〈共働き・共育て〉世代の本音 新しいキャリア観が社会を変える』(本道敦子 山谷真名 和田みゆき,光文社)


 → 高学歴高所得層の階級利己主義が露骨に出ている一冊、
   彼ら彼女らが子供との時間を増やしたいなら
   まず我が子を預けている保育士がまともな給料を貰える料金を払うこと、
   より低賃金長時間労働のエッセンシャルワーカーやブルーカラーの
   子育て支援を目的とした負担増を容認するのが先ではないのか!
   (欧州労働者のワークライフバランスは平等な重税高負担の上に築かれているからだ)。


『イスラエル戦争の嘘 第三次世界大戦を回避せよ』(手嶋龍一,中央公論新社)


 → ウクライナ問題でも散々ジャミングを繰り返したいつもの大袈裟コンビ、
   第三次世界大戦の危機と騒ぐのがもはや恒例行事になっている。。

   イスラエル極右とガザのテロ組織を日本の外交で抑止という発想自体が空理空論、
   売れさえすれば内容は問わないという安易な出版側の商業主義にそもそも問題がある。


『ガザ紛争の正体: 暴走するイスラエル極右思想と修正シオニズム』(宮田律,平凡社)


 → 露骨なパレスチナ寄り・反イスラエルで、
   ハマスの軍事部門によるテロ攻撃には知らんふりである。
   ただ佐藤や手嶋の一方的な主張を相対化するには役立つ。


『ハマス・パレスチナ・イスラエル-ーメディアが隠す事実』(飯山陽,扶桑社)


 → 分かり易過ぎる程のイスラエル寄り・反パレスチナ、
   但し「日本は仲介役になれる」という
   日本の自称専門家達のウソを厳しく批判している点では評価できる。


『グローバルサウスの逆襲』(池上彰,文藝春秋)


 → 「逆襲」でなく正しくは「混乱」であり、
   池上氏のツッコミで中和されてはいるものの
   第一次中東戦争でのジェノサイドや暴力的な入植を無視した
   佐藤のイスラエル寄りのバイアスに注意が必要。
   (モサド高官を師とする限界だろうか、議論としてはイアン・ブレマーの「G0」の枠内から出ていない)
   「GDPに意味がなくなった」等の放言は大胆だがはっきり言って軽躁で口舌の技に過ぎない。


『子ども若者抑圧社会・日本 社会を変える民主主義とは何か』(室橋祐貴,光文社)


 → ドグマ優先で冷静な分析ができていない、
   日本の若者が公共性軽視・プライベート重視の傾向を強めているのは
   国際比較調査で明白であり異常な売り手市場でスポイルされているのが実態である。
   (台湾とて日本以上の少子化であり著者が無思考に賞賛するのは間違っている)

   また、若年層にも社会分断がある事実は吉川徹氏が明らかにしており、
   橋本健二氏の言う階級的な分断も強く疑われるというのが実態である。
   なぜ韓国のような海外への大規模人材流出が日本で起きないか、真面目に研究すべきだ。


『世界の富裕層は旅に何を求めているか~「体験」が拓くラグジュアリー観光~』(山口由美,光文社)


 → ここからは連休に好適な良書、
   今の日本観光に必要な視点であり客数としては少なくとも
   経済効果は大きくマーケティングや観光政策に活かすべき。
   安倍・菅のような売国・自国貧困化の観光政策は日本にとって有害であるから。


『ウィキペディアでまちおこし――みんなでつくろう地域の百科事典』(伊達深雪,紀伊國屋書店)


 → 発想がユニークで楽しい、計量分析できるような効果は限定的だろうが
   心理的・文化的イノベーションと言えるのでは。


『京都・大阪・神戸 名建築さんぽマップ 増補改訂版』(円満字洋介,エクスナレッジ)


 → 最後に連休に相応しいこちら。
   京都は個性豊かな歴史的建築が多いと思っていたが、
   ひとつひとつ固有の物語と背景があるのに驚きである。
   (今のインバウンド観光公害の京都だとなかなかゆっくり廻れなくなっているが。。)

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