みんなの心にも投資 … ソーシャルインベスター(社会投資家)への道

個人投資家の”いとすぎ ”が為替・株式投資を通じた社会貢献に挑戦します。すべてのステークホルダーに良い成果を!

欧州を凝視する市場関係者 - 「スペイン級の国に何かが起きればEUは支えきれない」との声

2010-11-21 | 注目投資対象・株価の推移
           ↑ USD/JPY(infoseek)上昇のモメンタムが低下中

アイルランド問題は小康状態です。
「延焼」するかどうかが今後の焦点ですが
市場の動きを見る限り現時点では致命傷になりそうにありません。

株式が下がっても為替が落ち着いているのは
キャリートレードのアンワインドである証拠です。
市場がまた静かになればキャリー再開となるでしょう。

「チャート上ではショート勢が意想外の買戻しで
 慌てふためいているのが見えるので、もう少し戻る可能性あり」

と先週に書いた通りの展開でした。
ただドル円、ユーロ円とも頭打ち傾向が出てきているのに注意。

「ドル円の史上最高値更新は「あるか」ではなく
 既に「いつ」の問題となっています」

「ドル円の史上最高値更新はもう確定、
 中印株式とコモディティは高々と舞うことになるでしょう」

との見通しを維持します。後者の半分は今まさに実現しつつあります。
前者は恐らく今年中には実現するでしょう。

▽ 野村證券の田中泰輔氏の分析も必見です。





『週刊ダイヤモンド』2010年 11/20号



↓ EUR/JPY(infoseek)心理好転で買い戻しが続く


↓ AUD/JPY(infoseek)頭を押さえられている


アイルランドはどうやら急場を凌いだようです。
ただ解決には程遠く、安心するのはまだ早い。

また、今週のロイターではBOAメリルリンチの藤井知子ストラテジストが
年内に再びドル円が80円に向かう可能性を指摘されています。


ユーロ上昇、先行き不透明感で上値重い=NY市場(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201011200016.html

”19日のニューヨーク外国為替市場で、アイルランドの債務問題をめぐる懸念が和
 らぐなか、ユーロが全般的に上昇。ただ他の周辺国に問題が飛び火するとの不安が
 根強く
、一方的な値上がりとはならなかった。
 ユーロは対ドルで0.3%高の1.3684ドル。電子取引システムEBSによると、
 一時1.3733ドルまで上昇した。週間ではほぼ横ばいだった。
 欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)が来週にアイルランドに対する支援策
 を発表する見通しとなるなか、ユーロは前日の海外市場で1.37ドル強まで買わ
 れたものの、その後は1.3750ドル付近にあるとみられる抵抗線に阻まれ失速
 する格好となった。市場では、支援策の具体的な内容を見極めるまでは一段の買い
 上がりは困難
との声が聞かれた。
 こうしたなか、通貨オプション市場では、ユーロの地合い安定化がみられ、指標と
 なるユーロ/ドルのリスクリバーサルは極度の低水準から戻す動きが続いた。
 ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(ニューヨーク)の為替戦略部長、マーク・チャ
 ンドラー氏は「全体として、アイルランド問題が収束するにつれ、投資家が(ユー
 ロの)ショートポジションを解消することで、ドルが対ユーロで多少軟化する可能
 性がある」
と述べた。
 来週は後半に感謝祭を迎えるなか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録など
 が発表される。”

 → ユーロ買戻しの背景を伝える週末の分析です。
   チャンドラー氏の指摘通り、短期的には買戻しに注意する局面。

   あと個人的には支援策が出た瞬間に天井を付ける
   可能性もあると思います。


2011年世界経済成長は減速へ、米回復出遅れ=OECD(reuters)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201011180093.html

”経済協力開発機構(OECD)は18日、最新の経済見通し(エコノミック・アウ
 トルック)を発表し、米経済の回復が予想より遅く、新興国の成長が緩やかになっ
 ていることから、世界的な経済成長は減速しているとの見方を示した。
 OECDは年2回公表する経済見通しの中で、通貨をめぐる世界的な緊張の高まり、
 欧州債務危機の恐れなど複数の要因を挙げ、見通しがさらに下方修正される可能性
 があるとした。
 OECDは世界全体の成長率について、2011年は10年の4.6%から4.2%
 に減速し、12年には4.6%に回復すると予測した。
 前回5月の見通しは10年が4.6%、11年が4.5%。12年については示さな
 かった。
 OECDの主席エコノミスト、ピエール・カルロ・パドアン氏はロイターとのイン
 タビューで「回復は続いているが、ペースはやや減速している」と語った。
 OECDは米国の成長率を下方修正。2010年は2.7%、11年は2.2%、
 12年は3.1%とした。

 前回5月の見通しは2010年と11年ともに3.2%だった。
 OECDに加盟する先進国33カ国の成長率見通しはまちまちとなった一方、OE
 CD全体の2010年の成長率見通しは前回5月の2.7%から2.8%に若干引き
 上げられた。ただ、2011年の見通しは前回の2.8%から2.3%に引き下げら
 れ、OECDの成長が加速するのは2012年後半になる
との見通しを示した。
 パドアン氏は、各国政府が景気刺激のための例外的な措置から、経済危機の間に膨
 れ上がった財政赤字削減に政策の軸足を移しつつあるため、成長が緩やかになって
 きていると指摘。「世界経済が享受してきた貿易の増加はまだ健在ではあるものの、
 減速している」と述べた。
 OECDは主要新興国の成長率について、より持続可能な水準に減速するものの、
 世界経済を押し上げ続ける
との見通しを示した。
 日本の成長率見通しは10年は3.7%に引き上げた。11年は景気刺激策の効果
 が薄れるとして、成長率は1.7%に減速するとの見通しを示した。

 ユーロ圏16カ国の成長率は、各国政府が財政緊縮化に動き、ギリシャやアイルラン
 ドなどのユーロ圏周辺国が債務問題への対処に迫られる中、2010年、11年共
 に1.7%になると予想した。
 OECDは今回の見通しには多くのリスクが伴っていると指摘。主なリスクとし
 て、欧州債務危機発生の恐れ、米国と英国で住宅価格が再び下落する恐れ、為替
 市場での緊張の高まり、国債利回りの急上昇などを挙げた。

 また、デフレリスクは多くの国で低下しているものの、完全には払拭されていな
 いと警告。状況が悪化した場合、各国中央銀行が国債買い入れを実施することを
 正当化する立場を示唆した。
 その一方で、経済見通しに対するリスクは下方に傾いているものの、好調な企業
 業績を受けた株価上昇が、経済全般に対する追い風となる可能性があるとした。”

 → OECDのアウトルックが出ました。
   今後のリスク要因も整理されており素晴らしい。

   日本経済は2010年は好調のようですが、
   案の定2011年以降はアメリカに抜かれます。
   北米市場の回復は日本経済への恩恵となるので
   それはそれでいいのですが。

   2年前にアメリカ経済が恐慌に陥るかのような
   無責任な言辞を弄した人々がいかに愚かだったか、
   今となっては余りにも明らかです。


東京外為市場・午後3時=ドル83円前半、ユーロや豪ドルしっかり(asahi.com)
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201011180060.html

”午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点とほぼ同水準の83円前半。
 アイルランドのソブリンリスクがいったん後退、さらにアジアの株式市場が堅調な
 ことから、ユーロや豪ドル、ニュージーランド(NZ)ドルがしっかりとした値動
 きになっている。ドル/円は米経済指標が予想を下回ったことや、米金利が一時低
 下したことで上値が重いが、クロス円に支えられている。
 アイルランドの財政問題をめぐり、欧州委員会や国際通貨基金(IMF)が支援の
 動きを見せたことで、ユーロ/ドルは朝方から緩やかに上昇。さらにアジアの株式
 市場が堅調に推移したことから、ユーロはじりじりと値を上げ、午後3時の大引け
 直前に日経平均が5カ月ぶりの1万円台を回復すると、きょうの高値1.3608
 ドルをつけた。豪ドルやNZドルなどの資源国通貨も堅調に推移している。
 「日経平均がここまで上がるのはサプライズだった。アイルランド問題はいったん
 は懸念がやわらいだが、為替市場は少し楽観的すぎるようにも思える」
(国内金融
 機関)との声が聞かれた。
 「市場はポルトガル、スペインへの波及がどうなるかをじっと見据えている。スペ
 イン級の国に何かが起きればEU(欧州連合)は支えきれない」
(邦銀)との指摘
 もあった。 
 一方で、ドル/円フォワード市場では、期近物のレートの歪みが解消しつつある。
 期近物の歪みは、金融危機や市場の混乱などで、金融機関の間で手元(ドル)資金
 需要が強まった際に典型的に表れる現象。「アイルランド問題は、市場で話題にな
 った当初から、(フォワード市場の)混乱は全く生じなかった。金融機関で手元資
 金が十分に確保できている証拠だろう」(外銀)という。
 〔中略〕
 17日に発表された10月の米CPI(消費者物価指数)総合指数の上昇率は予想
 を下回り、コア指数の前年比での上昇率は1957年の統計開始以来最低となった。
 10月の住宅着工件数も予想を下振れるなど、量的緩和による景気支援の必要性を
 裏付けるものとなった。
 それでもドル/円は83円前半で底堅い。「一昨日も長期金利が低下したのにドル
 /円は上昇した。ファンダメンタルズよりも、ポジションの巻き戻しでドルが買わ
 れていることを裏付けた」
(邦銀)との声が聞かれた。
 18日は米国で新規失業保険申請件数と10月の景気先行指数、11月のフィラデ
 ルフィア地区連銀業況指数の発表を控えている。”

 → 木曜午後の報道、市場関係者の分析が素晴らしい。
   クロス円も切り返してきて市場が落ち着いてきた時期です。

   先週に言われていたようにドルもユーロも買戻しの週でした。
   「為替市場は楽観的過ぎる」とある通り、
   ユーロ圏に残るリスクに注意が必要です。

    ◇     ◇     ◇     ◇

注目銘柄。昭和シェルに底打ち感が出てきました。

 金価格連動型上場投資信託(大証二部 1328) 3,200

 丸紅(東証一部 8002) 404 → 437 / 453 → 587 / 450 → 587
             542 / 494

 三菱商事(東証一部 8058) 1,700 → 1,890 / 1,914 → 2,442
               2,287 → 2,442 / 2,129
               2,046

 マツダ(東証一部 7261)  232
               201 → 238

 ユナイテッドアローズ(東証一部 7606) 1,044 → 1,215
                     1,087

 SUMCO(東証一部 3436) 1,743 → 2,014
               1,590 → 1,793

 住友金属鉱山(東証一部 5713) 1,492

 昭和シェル石油(東証一部 5002) 987 → 1059 / 966
                  716 → 723 / 688

為替の関係でマツダが好調、商社が意外に下がりません。


NY原油、1カ月ぶり安値(時事通信)
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-101118X451.html

”【ニューヨーク時事】17日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物
 相場は、中国の利上げに対する警戒感が高まる中、世界第2の消費国である同国の
 需要後退懸念に圧迫され4営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月12
 月物は10月19日以来、約1カ月ぶりの安値となる1バレル=80.44ドルと
 前日終値比1.90ドル安で終了。”

 → 原油先物もゴールドも商品指数も
   先週とは逆に凄い勢いの急落でした。
   ただ東証の総合商社の値動きが静かなので
   今のところ一時的な動きと市場が見ているのでしょう。





『日経会社情報』2010年秋号


    ◇      ◇     ◇     ◇

  【 いとすぎの為替ポジション 】

ユーロショートに入りましたが、早過ぎ。
まだまだ未熟者です。

 2010/11/15 113.30 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/10 77.52 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/05/03 87.43 AUD/JPY Lev ×3.0
 2010/03/31 85.75 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)

    現在 > 82.26 豪ドル/円(損益141%)← 今年の損益率
        114.18 ユーロ/円

 ◎ 2008年秋~09年末の損益率(手数料等除外)> 353%

  ▼ ポジション解消済み
 2010/11/04 115.10 EUR/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/16 79.57 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/09/24 112.68 EUR/JPY Lev ×1.5
 2010/07/15 76.20 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/29 77.09 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/17 78.07 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/06/04 78.18 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2009/07/22 76.77 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/21 86.74 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/23 86.88 AUD/JPY Lev ×3.0
 2010/04/13 86.28 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/04/01 86.40 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2009/10/29 83.08 AUD/JPY Lev ×1.5
 2009/10/29 82.75 AUD/JPY Lev ×1.5
 2010/03/04 80.12 AUD/JPY Lev ×1.5
 2010/02/16 81.15 AUD/JPY Lev ×1.5
 2009/11/04 81.01 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/01/29 80.01 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2009/12/11 81.38 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)
 2010/01/06 84.86 AUD/JPY Lev ×1.5 (ショート)

 …以下省略…


「資源国通貨は底打ちしました。
 豪中銀は政策金利を引き上げ始めており、
 豪ドルは緩やかな上昇トレンドに入っています」

中長期的な見通しは変更ありません。

「82円から72円のレンジ圏を想定」

豪ドルの短期的な見通しも変化なし。

「豪ドルは80円台前半で大きな抵抗に遭う」

豪ドルもユーロも一度は下がらないと上に抜けないでしょう。

ユーロはあと1円ほど戻る余地があり、
そのモメンタムから上昇余力を判断できる筈です。

※ くれぐれも投資家各位で御判断下さい。
※ このウェブログを参考とし、めでたく投資収益を得られた方は、
  収益への課税分を社会に貢献する組織・団体に寄付して下さい。
  (当ウェブログの こちらのカテゴリーも御覧下さい。)
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