とめどなく悪化を続ける日本の財政ですが、
大前研一氏が最近その舞台裏を暴露されています。
財政悪化が明らかになってから開き直る泥縄な人々は論外ですが
より根本的な問題として、日本経済停滞に責任ある人々は
当然、社会保障給付を大幅カットするのが当然ではないでしょうか。
国会議員、キャリア官僚OB、外郭団体OB、
経営に失敗した自治体幹部OB、すべて同様だと思います。
まさかすべて政府や他人のせいにして
のうのうと過ごしているわけではないと思いますが……
信賞必罰が明確でない国は、滅びます。
万古不変の原理です。
私は高額年金に課税強化すべきと考えていますが、
信賞必罰がその理由の一つでもあります。
▽ 現在、このざまですからね。
大蔵官僚の過剰な自信が、バブル崩壊を未然に防ぐ機会を見逃した(ニュースの視点)
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1601.php
”先日、NHKで「862兆円 借金はこうして膨らんだ」という番組が放送され、元大蔵
官僚の証言録が開示されていたそうです。私は番組の宣伝を見たことはありますが、
番組そのものは見ていません。
ただ90年代当時、私は直接大蔵省の役人と喧々諤々の議論をしていましたから「何
が起きていたのか」は理解しています。
借金大国日本への歩みが始まったのは、さらにはるか昔の田中角栄氏が大蔵大臣だ
ったころに遡ります。
田中角栄氏が大蔵大臣になって、「予算を守るのではなく、どんどん国債を発行し
て使え」という方針が打ち出されました。
「均衡ある国土の発展」という考え方のもと「ばら撒きによって政治を固める手法」
が広がりました。
この時の変化について当時の大蔵官僚の一人から「まるで空の色が変わったようだ」
と聞いたことがあります。
それまでは歳入の額をすべて把握し、それを踏まえた上で歳出の計画を立てるのが
大蔵省の仕事でした。ところが、突然「歳入は関係ない、どんどん使え!」と言わ
れ、最初はかなり戸惑ったそうです。
NHKの番組内で紹介されている元大蔵官僚の一人のコメントを見ましたが「無責任
極まりない」と私は言いたくなりました。
借金大国の道を突き進んでいた90年代初頭、私は大蔵官僚の人たちに「このままで
は日本経済は大変な事態になる」「銀行が100行くらい破綻するかもしれない」と
警告しました。
「日経平均株価も1万円を下回る」「東京の地価は10分の1以下になる」という計算
をして資料を見せて説明しました。
しかし、それに対して大蔵官僚は「軟着陸させてみせる」から大丈夫だという見解
でした。
ところが、結果は誰もが知っているように失敗に終わりました。NHKの番組で紹介
されていた元大蔵官僚のコメントでは「赤字国債を発行して、コントロールが効か
なくなった」「その時になって、経済とはこういうものかと分かった」という趣旨
のことを述べていました。
私が資料を見せて説明したときには「軟着陸させてみせるから、大前さん黙ってい
てくれ」と言っていたのに、3年後には「あの時の資料をもう1度見せてくれない
か」と言ってくる始末です。
悪意があったとは思いませんし、良心的な人たちだったとは思います。
しかし、「自分たちがやれば何とかなるはずだ」という“自信過剰”だったのは間
違いないでしょう。その点では第2次世界大戦時の軍部と同様だと私は思います。
NHKが番組を作るのは自由ですが、「あなたが黙っていてくれれば、何とか上手く
やる」と言われた身としては、文句の1つも言いたくなります。〔以下略〕”
この逸話は初耳ですがいかにもありそうな話です。
ただ当事者だけでなく第三者が裏付けられるのであれば
より信憑性が高まるでしょう。
日本社会の深い病巣として、
本来責任を取るべき人々が掌を返すように言動を翻し、
まるで被害者のように装うのが天才的に上手な点が挙げられます。
現在の財政悪化に関してもまた同じように
重い責任を負うべき人々が他人事のように思っているのは確実です。
勿論、日本の破壊的な人口動態と社会保障財政を無視して
歳出削減の必要性を認めない有権者も共犯と言わざるを得ません。
大前研一氏が最近その舞台裏を暴露されています。
財政悪化が明らかになってから開き直る泥縄な人々は論外ですが
より根本的な問題として、日本経済停滞に責任ある人々は
当然、社会保障給付を大幅カットするのが当然ではないでしょうか。
国会議員、キャリア官僚OB、外郭団体OB、
経営に失敗した自治体幹部OB、すべて同様だと思います。
まさかすべて政府や他人のせいにして
のうのうと過ごしているわけではないと思いますが……
信賞必罰が明確でない国は、滅びます。
万古不変の原理です。
私は高額年金に課税強化すべきと考えていますが、
信賞必罰がその理由の一つでもあります。
▽ 現在、このざまですからね。
『2020年、日本が破綻する日』(小黒一正,日本経済新聞出版社) |
大蔵官僚の過剰な自信が、バブル崩壊を未然に防ぐ機会を見逃した(ニュースの視点)
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1601.php
”先日、NHKで「862兆円 借金はこうして膨らんだ」という番組が放送され、元大蔵
官僚の証言録が開示されていたそうです。私は番組の宣伝を見たことはありますが、
番組そのものは見ていません。
ただ90年代当時、私は直接大蔵省の役人と喧々諤々の議論をしていましたから「何
が起きていたのか」は理解しています。
借金大国日本への歩みが始まったのは、さらにはるか昔の田中角栄氏が大蔵大臣だ
ったころに遡ります。
田中角栄氏が大蔵大臣になって、「予算を守るのではなく、どんどん国債を発行し
て使え」という方針が打ち出されました。
「均衡ある国土の発展」という考え方のもと「ばら撒きによって政治を固める手法」
が広がりました。
この時の変化について当時の大蔵官僚の一人から「まるで空の色が変わったようだ」
と聞いたことがあります。
それまでは歳入の額をすべて把握し、それを踏まえた上で歳出の計画を立てるのが
大蔵省の仕事でした。ところが、突然「歳入は関係ない、どんどん使え!」と言わ
れ、最初はかなり戸惑ったそうです。
NHKの番組内で紹介されている元大蔵官僚の一人のコメントを見ましたが「無責任
極まりない」と私は言いたくなりました。
借金大国の道を突き進んでいた90年代初頭、私は大蔵官僚の人たちに「このままで
は日本経済は大変な事態になる」「銀行が100行くらい破綻するかもしれない」と
警告しました。
「日経平均株価も1万円を下回る」「東京の地価は10分の1以下になる」という計算
をして資料を見せて説明しました。
しかし、それに対して大蔵官僚は「軟着陸させてみせる」から大丈夫だという見解
でした。
ところが、結果は誰もが知っているように失敗に終わりました。NHKの番組で紹介
されていた元大蔵官僚のコメントでは「赤字国債を発行して、コントロールが効か
なくなった」「その時になって、経済とはこういうものかと分かった」という趣旨
のことを述べていました。
私が資料を見せて説明したときには「軟着陸させてみせるから、大前さん黙ってい
てくれ」と言っていたのに、3年後には「あの時の資料をもう1度見せてくれない
か」と言ってくる始末です。
悪意があったとは思いませんし、良心的な人たちだったとは思います。
しかし、「自分たちがやれば何とかなるはずだ」という“自信過剰”だったのは間
違いないでしょう。その点では第2次世界大戦時の軍部と同様だと私は思います。
NHKが番組を作るのは自由ですが、「あなたが黙っていてくれれば、何とか上手く
やる」と言われた身としては、文句の1つも言いたくなります。〔以下略〕”
この逸話は初耳ですがいかにもありそうな話です。
ただ当事者だけでなく第三者が裏付けられるのであれば
より信憑性が高まるでしょう。
日本社会の深い病巣として、
本来責任を取るべき人々が掌を返すように言動を翻し、
まるで被害者のように装うのが天才的に上手な点が挙げられます。
現在の財政悪化に関してもまた同じように
重い責任を負うべき人々が他人事のように思っているのは確実です。
勿論、日本の破壊的な人口動態と社会保障財政を無視して
歳出削減の必要性を認めない有権者も共犯と言わざるを得ません。