-凸凹帖-

写真 奥野和彦

釣りに行けない日

2008-12-12 23:41:11 | 写真
081212a午前中、床屋。主が山登りをする人なので、今日は道具論で盛り上がる。使っている時間は勿論、手入れをする時間がまた楽しい、これは男の子にしかわからないよね、等々。

何かの事情があって野外へ出られない人、
海外へいけない人、
鳥獣虫魚の話の好きな人、
人間や議論に絶望した人、
雨の日の釣り師……
すべて
書斎にいるときの私に
似た人たちのために。 ~開高健「オーパ!」より

今日の私はグズグズとコタツに寝転がり、パソコンデスクの横の壁にぶら下げたいくつかのルアーに目をやり、おととい釣り上げた何匹かのヤマメが水を割って手元に飛び込んで来る様を思い出したり、来年釣れてってやると約束した子供たちのルアーと、リールと、竿の組み合わせと、そして護岸に並んでいる子供たちの姿を思い浮かべたり、その情景は美しく、でもそういう事とは反対方向のいろいろな問題も相対して沈殿していて、純粋と混沌が渦巻いてはほどけて、あふれる。
また、こうしている時こそ何か答え(Keyですね。)が浮かんでくることもあるのだけれど。
夕方出て、夜、仕事。金曜日の晩、クリスマスのライトアップをされた六本木は人が多い。おとといのヤマメたちが石の裏で眠っている川はあの東京タワーの向こうの方角か。ここで並んで同じ風景を眺めている人の中にヤマメの事を考えてる人はいないだろうね。
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