英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『軍師官兵衛』 第28話「本能寺の変」

2014-07-15 19:10:36 | ドラマ・映画
今回は、天下統一の情勢に激震を与えた本能寺の変、本能寺の変。
(光秀に倣って、2度言いました)

 歴史的には、「本能寺の変」が大イベントなのだが、本ドラマにおいては「その後の対応」の方が重要。
 「本能寺の変」については、割とオーソドックスに描かれていて良かったと思う。(何年か前に、信長の最期のシーンで大爆発した変な記憶がある)
 濃姫については同行説を採用していた。この方が、ドラマ的には盛り上がるが、濃姫が斬られた直後、あれだけ多数いた明智兵が潮の引くように消えてしまい、ふたりの別離のシーンが描かれていたのはテンポを悪くした。
 その後、信長が「生か?死か?」と言いながら幾部屋もの襖を開ける(7回)。壮絶な花占い?(襖占い)である。
 結局、目指した部屋が炎上しており、「死」の目が出た。
 窮地に至っても、信長らしい豪胆な思考回路だが、もし、部屋や掛け軸が無事であっても、現実的には絶望的な状況なことに変わりはない。その部屋にハンググライダーや凧が隠してあって逃げ延びる手段があったのなら面白かったが。(起死回生の大砲でも可)
 無事な掛け軸を見ることができたなら、「光や希望」を感じ、生への執着を見せ、逃げ惑ったと仮定しておこう。


「本能寺の変」直後、明智光秀
 秀吉や勝家らが自分を討ちに来るが、しばしの猶予がある。その間、加担してくれるものを募る算段。
「朝廷の威光を以って、信長が打ち壊せしものを作り直し、元のあるべき姿に戻すのだ。
 さすれば、乱世は終わり、太平の世が訪れる」

 光秀の謀反を起こした一番の動機は、「元のあるべき姿(朝廷を中心とする統治)に戻す」使命感としているが、「あの明智光秀じゃ、抜かりはあるまい。抜け道など塞がれておろう」と家康をして観念させる光秀の優秀性。(家康、あきらめが良すぎ)
 しかし、その割には、謀反を起こす前の準備が不足している。
 優秀な光秀の計画的な謀反であれば、信長家臣や他の勢力に自分に味方してくれる者に根回しするはず。
 一番、有効なのは秀吉だが、秀吉は信長に心酔しているので難易度が高い。毛利は乗ってきそうだが、秘密裏に行うのが難しいかも。
 冷静に考えるなら、謀反後の光秀の道は険しいと判断できたはず。無謀な行為とまでは言えないが、やはり、度重なる信長の苛めにキレたとした方が自然のような気がする。


さて、京の異変が伝わっていない備中や播磨
 熊の介の予知(察知)や、官兵衛の政職との再会は不必要に感じた。
 特に、政職については、以前に官兵衛が斬れずに許して逃がしたことで、充分である。
 今回、“軍師らしさ”を発揮する官兵衛であるが、その前に“官兵衛らしさ(お人よし)”の面も押し出したかったのだろうが、そんなことより、本能寺の変後の動きを丁寧に描いてほしかった。

 一番不満に感じたのは
 信長の死を伝える使者を送った長谷川宗仁がどういう人物かがまったく語られていない。
 天正六年(1578年)元旦に信長が家臣12名を呼び主催した茶会に参加した重臣であるとのことだが、その宗仁が織田家でどういう立場にいて、どういう考えを以って、秀吉や官兵衛に使者を送ったのかが分からなかった。


 また、使者も「秀吉と官兵衛以外には報を漏らすな」と言明されていたが、秀吉が遠方にいるのならともかく、官兵衛だけに伝えるのは不自然。官兵衛が本人かどうかを確かめる慎重さを持っていたのなら、なおのことである。


さて、今回のクライマックス、信長の死を知った官兵衛と秀吉

 官兵衛、秀吉の慟哭、狼狽ぶりは見ごたえがあった。
 信長の死を知った直後、冷静に使者を扱い、一人になった後の慟哭、そして、瞳に輝きを取り戻し策を講じる官兵衛。
 密書を心して読んだが、過呼吸気味に泣き叫び現実を拒む秀吉。

 その秀吉に対し、冷静に「機が訪れた」と諭す官兵衛。これぞ、軍師である。



 しかし、
「分かりますか、分かりますか、分かりますかっ!
 殿の御運が開けたのですぞ!……開けました。御運が開けました
 秀吉の瞳も、徐々に力を取り戻していく。

 黒い、黒い!……黒過ぎる!
   言葉も、表情も


 いや、軍師らしくて良いんだけど………
 信長に心酔していた秀吉に対して、幸運だ!なんて言ってしまうのは、駄目のような気がする。
 確かに、官兵衛にとっては信長は、信長流に言えば“天下泰平のための道具”であるし、自分を信用せず黒田家滅亡の危機に晒した村重に次ぐ犯人である。
 しかし、主君を失い悲嘆にくれる秀吉に告げる第一声がこれでは、あまりにも非情なのではないだろうか。

 光秀が信長を討ったことを“運が開けた”と言うのではなく、“勝家や丹羽らが光秀を討つ準備が整わず、光秀打倒の一番手に成り得る運が開けている”と諭すべきであった。
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「袖釣込腰」(中田七段作詰将棋)の解答

2014-07-14 00:00:13 | 詰将棋
「袖釣込腰 ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2014年4月号」の解答です。



 初手は▲2二飛。


 △2二同金と

 取られると、わざわざ守備金を玉に近づけさせて損のように思いますが、


その訳は後程。

 ここで▲1三金が狙いの一手。


 ▲1三金に△同金と上ずらせ

 ▲2二飛までの詰み。



 ▲1三金に△同玉には

 ▲1四飛で詰みます。


 さて、ここで疑問が。
 初手でわざわざ金を寄せなくても、初手から▲1三金と技を仕掛けても良さそうです。


 △1三同玉に▲1四飛で

 飛車を余しての詰み?のように思えます。
 しかし、初手▲1三金には△2一玉と引くしぶとい手があります。


 ここで▲2二飛と打てばやはり詰みそうですが……


 これに△2二同金だと詰みですが、△3一玉で

 詰みません。

 初手に▲2二飛△同金と金を呼び込んでおいてから▲1三金と捨てれば

 △2一玉と逃げられても▲2二金で詰みます。

詰手順……▲2二飛△同金▲1三金△同金▲2二飛まで5手詰

 玉方の金の動きが、相手の腕を引きつけさらに上ずらせる袖釣込腰を連想させます。
(詰将棋の解答としては▲2二飛△同金▲1三金△同玉▲1四飛も正解です)
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ワールドカップを終えての大久保選手のインタビュー……こういう人なんですね

2014-07-11 21:55:31 | スポーツ
今夜のNHK『ニュースウォッチ9』で
大久保選手へのインタビューが流されました。

ゴール左前のパスを合わせ切れず、シュートはゴール枠外の場面を振り返り、
「あのシーンが目立つようでは駄目。力がなかったんです」
 『力がなかった』というのは、文脈からすると、力がなかったというのは日本代表チームと解釈できる。

急遽代表入りした点について
 それを活かして、外から視点で感じたことをチームや監督に提言をしたことナレーションが流れた。
 しかし、その一方で、「急遽合流したため、チームとのコンビネーションが合わすのが難しい」とナレーション。
 その後、大久保選手が
「このチームでは何もできなかった」(正確な言い回しは忘れました)

 確かに、日本代表から遠ざかっていた大久保選手を選出し、大会で起用したのは監督(首脳陣、スタッフ)の責任であり、大久保選手にとっては酷な面も大きい。
 しかし、この言葉は、大久保の選出、そして起用によって弾かれた選手、あるいは、他のチームメイトを思うと、言ってはいけないことである。
 それに、自分自身のプレーを顧みない人なんだと、思ってしまいそうな残念なインタビューだった。


 腹が立ったので、思わず記事にしてしまいました。
 反論受け付けます(私の勘違いかもしれません)。もちろん、同意もOKです。

 
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ワールドカップサッカー雑感 その2

2014-07-10 19:29:38 | スポーツ
前回(「その1」)の続きではありますが、今回はワールドカップのシステムや試合に対する疑問や希望です。中には“いちゃもん”に近いものもあると思いますが、スルーしてください。

Ⅰ.予選リーグが4チームで1チーム3試合しかないのは、もったいない
 実際問題、1組5チームにすると、最終戦に空き番のチームが生じてしまう。6チームにすると試合数が増えて過ぎてしまう。
 それに、36チームで行うとしても、6組各組2チーム通過にすると12チームで、決勝トーナメントの組み合わせが不公平となってしまう。
 参加チームを24チームに絞れば、その問題は解消できるが……

Ⅱ.PK戦で決着を決めるのは、非情すぎる
 延長戦を含め120分間戦っスコア的には互角なのに、PK戦という特殊なやり方で決着をつけるのはすっきりしない。できれば、引き分け再試合にしてほしい。
 そうすると、選手が消耗してしまう。この消耗度を考えると、試合形式に疑問を生じてしまう(次項で)。

Ⅲ.45分ハーフというのはどうなのか?
 アイスホッケーの3ピリオド制、バスケットボールの4クォーター制にした方が、リフレッシュできるし、作戦も練りやすい。
 そもそも、45分でアウトプレイでも時計を止めないのは時代遅れ。痛めたふりや、選手交代をダラダラする時間稼ぎもなくなる(サッカーは時間稼ぎが露骨のように思う)。正味20分の3ピリオド制が妥当か?

Ⅳ.選手交代が3人までというのは少なすぎる
 リザーブがあれだけいるのに3人しか交代できないのは変。もっと選手交代が多くできれば、膠着状態の打開も望める。選手の疲弊も防げるし、けがなどのアクシデントにも対応できる。

Ⅴ.ビブスがダサい
 審判がインプレイの選手と控えの選手と区別しやすいようにするため着用するのだが、「お前はリザーブなんだよ」と意識させられるようで気の毒。
 区別のためと言うが、サッカーだけと言うのも納得し難い。

Ⅵ.3位決定戦はいらない
 優勝の夢が破れたチームに、もう1試合戦えというのは酷である。3位は2チームでいいのでは。
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ワールドカップサッカー雑感 その1

2014-07-09 22:03:05 | スポーツ
Ⅰ.日本、1次リーグ敗退について
 日本だけでなく、韓国、オーストラリア、イランのアジア勢は、1勝もできず全滅。
 オーストラリアは互角に戦ったが、今回は世界との差を感じたアジア勢であった。
 日本については、巷で語りつくされているので、簡単に。

・「自分たちのサッカーができなかった」と言うが
 これは「させてもらえない」「自分たちのサッカーをするにはどうしたらいいか」「できない場合は、どういう戦術を採るか」を、事前に考えに考え、練るに練らなければならなかった。
 テストマッチやアジア予選と同じレベルで考えたのが、大きな間違い。

・気がついた戦術の疑問点
①上げれば良いという長友のセンタリング
 中央を揺さぶることなく、ただサイドから駆け上がりセンタリングを上げるだけ。
 崩しがないので、センタリングに対して十分な対応がされてしまう。センタリングを受けるスペースもないし、個々のレベルは劣るので、その状況を打開できない。
 長友自体も、パスを出すだけでなく、自らゴールに向かい、切り崩すようなシーンがないので、相手も対応しやすい。
②2戦目以降、大久保を起用したのは何故?
 大久保の打開力に期待し、代表メンバーに選出したのは理解できる。
 しかし、先発で使ったのは、理解できない。
 大久保がいかに優れた選手としても、日本代表から長く離れており、チームとして機能できるのかが大きな疑問。日本が世界レベルと伍して戦う大きな要素として、コンビネーションや阿吽の呼吸、それを大久保先発の“付け焼刃”で戦えるとは思えない。ここ数年の日本代表チームとして目指していたものを、無視してしまったザッケローニ氏の意図が理解できない。

 日本代表がワールドカップで戦うには、「誰と誰のプレーの相性がいい」とか、相手チームにはこのフォーメーションが有効といった細かいベンチ戦略が必要なのかもしれない。

Ⅱ.ネイマール骨折、無念
 これも巷で語られているので、簡単に。
 背後から飛び膝蹴りというのは、ネイマールと言えども避けようがない。
 怪我をさせたスニガ選手は、「けがをさせるつもりはなかった」と言うが、彼のプレーからボールを取ろうという意思は感じられず、ネイマールに体当たりするのが目的のプレーだった。
 「大けがをさせるつもりではなかった」(「けが」ではなく「大けが」)のかもしれないが、「痛い目にあわせるつもりだった」としか思えない。

Ⅲ.好ゴールキーパーが多い
 名ゴールキーパーと言えば、過去には、ドイツのカーン、パラグアイのチラベルトが思い浮かぶが、今大会は得点が多いけれども、メキシコのオチョアコスタリカのナバスナイジェリアのエニェアマアメリカのハワードスイスのベナーリオと好キーパーが目白押し。
 その名キーパーを押しのけて、ナンバーワンだと思えるのがドイツのノイアー
 危険と見るや、ペナルティエリア外にまで飛び出す判断力。そして、それを裏付けるスピードと技術。
 もちろんスーパーセーブの数多い。特に印象に残るのは、対フランスの終了間際、フランスのベンゼマの渾身のシュートを片腕一本で跳ね返したのは、まさに“壁”であった。

Ⅳ.スーパーゴール
 これは、どなたかがまとめてくれないかなあ…。
 今、思いつくのは、ケーヒル(オーストラリア)の斜め後ろから来たロングパスをそのままボレーで決めたシュート、長い距離をドリブルしディフェンダーを振り切り、ロッベン(オランダ)のストップして横の動きでキーパーまでも振り切ってのゴール、ロドリゲス(コロンビア)のトラップしたボールを振り向きざまに決めたボレーシュート、ファン•ペルシー(オランダ)のダイビングループシュート、ダヴィド・ルイス(ブラジル)の揺れながらゴールネットに突き刺した無回転フリーキック、メッシ(アルゼンチン)のエニェアマ(ナイジェリア)を笑うことしかさせなかったフリーキック、スナイデル(オランダ)の名手・オチョア(メキシコ)を棒立ちにさせた渾身のシュート………
 名ゴール集をしてくれないかな。


(ここで力尽きたので、「その2」に続きます)
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袖釣込腰……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2014年4月号

2014-07-09 20:39:50 | 詰将棋
『将棋世界』2014年4月号掲載、中田七段詰将棋コーナー(第1問)です。



 タイトルの「袖釣込腰」はイメージです。
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近況……“最終回”その後

2014-07-09 19:56:00 | 日記
 「毎日更新の終了宣言」の後、ちょっと心がささくれる出来事があったのと、「毎日更新」というタガがなくなったので、更新ペースが落ちてしまいました。
 まあ、私の更新ペースが落ちても、世の中に何の影響もないので、別に気にする必要はないでしょう。私自身、「毎日」という縛りがないので、非常に楽になりました。

 しかし、そういう事情にお構いなく、私の心を揺らす出来事は次々に起こります。
「集団的自衛権(憲法の歪曲解釈)」
「号泣県議会議員」
「ワールドカップサッカー」
「気象庁、冷夏を撤回」
          等々……

 将棋界も、棋聖戦が終わり、王位戦が始まりました。順位戦も始まりました。(『順位戦C級1組 解析』は完結でき良かったです)
 野草の写真も溜まっています。

 う~ん、ある程度のペースで書かないと、記事と欲求が溜まってしまうようです。
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「ヨーヨー」(中田七段作詰将棋)の解答

2014-07-07 20:55:12 | 詰将棋
「ヨーヨー(難問かも?) ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2014年6月号」の解答です。

 先入観を避けるため、出題時(ご紹介時)にはノーヒント、タイトルをつけませんでした。
 私は苦戦したのですが、私だけかもしれません。
 でも、常連のぴょん太さんも10分も悩んだようですので(私は20分)、難問の部類に入れても良いと思います。



 初手は▲2二飛車も有力で、△3三玉の後、開き王手や両王手で決められそうですが、2筋と4筋の両方を同時に抑えることができず、上部ににゅるにゅると逃げられてしまい、うまくいきません。
 そこで、考えられる手としては▲4四桂。


 この手に対し、△4二玉は▲4三飛で簡単。また△3一玉は▲3二飛でもっと簡単。
 なので、△2三玉の一手です。


 2四に逃げられてはいけないので、攻め方もここは▲2二飛の一手です。


 ▲2二飛に△1三玉は▲1二馬で詰みなので、ここも△3三玉の一手です。


 初手▲4四桂とするとここまではほぼ一本道なのですが、ここでハタと止まります。
 ▲2五飛成や▲3二飛成や▲4二飛成の開き王手が見えます。1一の馬、5二の銀、4四の桂が利いてきそうなので何とかなりそうですが、うまくいきません。
 ここまで考えて、「やはり初手は▲2二飛なのか」と逆戻りします。しかし、うまくいかず……
 初図→初手▲2二飛→駄目→初手▲4四桂→第4図→初図→…………。

 第4図までは正解ですし、容易なのですが、次の5手目が見えませんでした(おそらく、ぴょん太さんも)。
 …………▲4三銀成!

 玉を捕まえるはずの銀を捨てる上、玉を逃がすのでので、一秒も考えませんでした。
 玉の立場なら、≪逃がしてくれるのか?≫と、喜んで△4三同玉と取りそうです。


 そこで、ビューンと▲5二飛成!

 なんと!これで詰んでいます。
 馬と桂と龍のコンビネーションが素晴らしく、玉は捕まっています。
 詰ますのに有効に見えた銀を捨て、その位置に龍を置くという詰形が見えにくいのです。

詰手順……▲4四桂△2三玉▲2二飛△3三玉▲4三銀成△同玉▲5二飛成まで7手詰

 ▲2二飛~▲4三銀成~▲5二飛成の動きが、ヨーヨーの決め技を連想させます。
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『軍師官兵衛』 第27話「高松城水攻め」

2014-07-06 20:43:54 | ドラマ・映画
 今週は「高松城水攻め」「本能寺の変、直前」の2本が柱。プラス「又兵衛との再会」

Ⅰ.水攻め奏功、和睦と清水宗治を巡る思惑
 秀吉軍は「金は使うときに使わねば価値はない」という官兵衛の「金に糸目をつけぬ策」により、12日で堤を完成させ、毛利軍の援軍が届く前に水攻めを奏功する。
 これにより、信長・毛利和睦の流れとなる。
和睦の条件
①5国を信長へ譲渡
②信長勝利の証として、清水宗治の首を差し出す

 ①は渋々了承
 ②は小早川隆景の清水宗治への思い入れと、忠臣を売っては毛利の信用をなくすと承服しない
  官兵衛も宗治を“命を奪うには惜しい男”と評価、
官兵衛の打開案
 宗治に寝返ってもらう(信長配下になる)
 しかし、忠臣・宗治は信長(秀吉)には付かなことは明白。そこで、隆景に信長配下になるよう命じさせる。

 信長、隆景、官兵衛、宗治の意向をクリアしたなかなかの名案だと思ったが、宗治は生きのびることを良しとせず、自ら命を絶つと言い、拒絶。(これも、官兵衛以外の信長、隆景、宗治の意向をクリア)

 この件の肝となる水攻めの苛烈なシーンが控えめだったのは、「官兵衛、良い人主義」と「津波被災者への配慮」からなのだろう。


Ⅱ.光秀の決断
 家康接待で信長の難癖をつけられたことも謀反の理由のひとつとして描かれていたが、一番の理由は「信長が新しき世を創るため、“天皇制を転覆すること”と悟ったため」であった。

 光秀の人物像ウィキペディアによると
「諸学に通じ、和歌・茶の湯を好んだ文化人であった。また、内政手腕に優れ、領民を愛して善政を布いたといわれ、現在も光秀の遺徳を偲ぶ地域が数多くある」とある。
 ただ、保守主義者ではなく合理主義者という考察が強くなっているらしく、宗教に関しても、門徒を弾圧した信長に反感を持っていたという説も強く推せないようだ。


 さて、今大河『軍師官兵衛』での、光秀謀反の主因は「天皇制の転覆の阻止」であったが、納得していない。
 上記のウィキペディアの見解は別にして、これまでくどいほど「新しき世」を説いていた信長に従属してきた光秀、散々、朝廷を蔑ろにしてきたのを見てきたはず。
 今話の信長の真意を知った時、驚愕し過ぎであろう!



※大した意味がないかもしれない「おみくじ・凶」の考察
 おそらく、多くの視聴者が、≪あれだけ連続して“凶”を引くことはあり得ない≫と思ったはず。
 これは何を意味するのか?
①「このまま信長に従うのは凶」と光秀が解釈し、“神の啓示”と謀反の拠り所にした
②「謀反を起こすのは凶」という啓示だが、それでも、正義のため謀反を起こすと決意の強さを表した
③「信長に従属するのも凶」、「謀反を起こすのも凶」、「その他の選択も凶」という暗示。どのみち滅ぶなら、嫌いな信長を討とう

 ③だと、何度も凶が出たことと合致するのですが…


 今回、Ⅰ.「水攻め奏功、和睦と清水宗治を巡る思惑」に関するやり取りや駆け引きは面白かった。
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順位戦 C級1組 解析その4

2014-07-04 21:40:55 | 将棋
「順位戦 C級1組 解析その1」
「順位戦 C級1組 解析その2」
「順位戦 C級1組 解析その3」
の続きです。
 非常に、間が空いてしまいした。
 なので、きっちり復習すべきなのですが、そこで力を使い果たしてしまいそうなので、ごく簡単に。

 そもそもの記事の動機は、昨期の順位戦のC級1組の組み合わせに、対戦相手の偏りを感じたからです。(『リーグ戦の中のリーグ戦 C級1組』
 そこで、あ~だこ~だと難癖をつけたのですが(「その1」「その2」)、今一つはっきりしなかったので、「被難敵度指数総計」なるものを捻り出しました。

「被難敵度指数総計」
 「難敵度指数」……皆さんは、初めて聞く言葉かもしれない。まあ、知らないのも無理はない。私が考案した指数である。
 棋士の通算勝率と昨年度の勝率に点数をつけ合計点数で難敵度を評価したものである。
通算勝率に関しては
 .640以上…3点 .600(以上)~.640(未満)…2点 .540~.600…1点 .540~.480…0点 .480未満…-1点
昨年度勝率に関しては
 .680以上…3点 .620~.680…2点 .540~.620…1点 .480~.540…0点 .350~.480…-1点 .350未満…-2点
特例として、
 棋聖位挑戦者の中村(太)六段には+1


 この基準における「難敵度」上位棋士は
6点……菅井五段
5点……糸谷六段、中村太六段
4点……佐々木六段、船江五段、高崎六段、斎藤五段
3点……宮田敦六段、阿部健五段、小林裕七段、
 以下2点3人、1点3人、0点4人、-1点9人、-2点5人

 これを基に、C級1組の組み合わせの偏り度を検証したのが「その3」でした。

 被難敵度指数総計(各棋士の順位戦で相手10人の難易度点の合計)算出すると
塚田九段23点 阪口五段22点 神谷七段21点 近藤六段19点 田中寅九段18点 
阿部健五段17点 真田七段15点 富岡八段15点 船江五段14点 菅井五段14点 
千葉六段13点 桐山九段13点 加藤九段13点 大平五段12点 斎藤五段12点 
中村太六段11点 北島六段10点 高野六段8点 長沼七段7点 福崎九段6点 
脇八段6点 高崎六段5点 小林九段5点 土佐七段5点 糸谷六段4点 
片上六段4点 金井五段4点 佐々木六段3点 平藤七段3点 浦野八段3点 
小林裕七段1点 佐藤秀七段1点 宮田敦六段 -1点 日浦八段 -6点 
  (6人リーグ棋士…赤色 6人リーグに巻き込まれた棋士…青色)

 振り返りすぎて、ほぼ「その3」の引用になってしまいました。
 「その3」で終わっても良かったのですが、もう少し踏み込んで検証してみます。

 「その3」で検証した被難敵度指数総計は、「各棋士の順位戦で相手10人の難易度点の合計」で、言わば「苦労度」である。
 しかし、昇級を狙う棋士にとっては、「やや難敵」との対戦は、ほぼ勝ち星を上げられるはず。問題なのは『「難敵」(=難易度3以上)と何局組まれているか』である。
 難敵度3以上の棋士は、菅井五段、糸谷六段、中村太六段、佐々木六段、船江五段、高崎六段、斎藤五段、宮田敦六段、阿部健五段、小林裕七段の10棋士。
 この10棋士との対局数は
6局……近藤六段、阪口五段
5局……真田七段、神谷七段、塚田九段
4局……中村太六段、菅井五段、船江五段、斎藤五段、北島六段、阿部健五段、富岡八段、田中九段、大平五段、桐山九段
3局……千葉六段、高野六段、小林九段、加藤九段
2局……糸谷六段、片上六段、福崎九段、長沼七段、佐藤秀七段、浦野八段、脇八段、金井五段、土佐七段
1局……高崎六段、小林裕七段、日浦八段、
0局……佐々木六段、宮田敦六段、平藤七段

 難敵と6局、5局引き当てた5名は不運と言うしかない。
 近藤六段(6勝4敗)、阪口五段(4勝6敗)、真田七段(7勝3敗)、神谷七段(3勝7敗)、塚田九段(3勝7敗)。真田七段は弩級(難敵度5以上)には当たっていないが、難敵と5局当たっていて7勝は見事である。近藤六段も称賛して良いのではないだろうか。他は苦戦した棋士もいるが、降級点を逃れている。
 惜しくも昇級を逃がした若手実力棋士の中村太六段、菅井五段、船江五段、斎藤五段は、不運であった。
 対して、昇級した糸谷六段(2局)、佐々木六段(0局)は幸運といって良いだろう。(もちろん、両棋士の実力に疑問詞をつけるものではありません)

 抽選に運不運はつきものだが、ここまで極端なことが起こると、システムの改善を考慮する必要を感じる。     【終】
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