英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

『警視庁継続捜査班』 第1話 その2

2010-07-24 22:16:22 | ドラマ・映画
 昨日は記事を書いている途中、襲われてしまい(睡魔に)、記事を中断してしまいました。

 このドラマ、木村佳乃演じる貴志真奈美はプロファイラーで、彼女が主人公なので、当然プロファイリングを中心とした捜査が行われてしまうようだ。
 しかし、この構造こそ、このドラマの最大の欠点であるように思える。
 なぜなら、プロファイリングは捜査を補助するもので主体となるべきものではないから。もし、プロファイリングが主体となると、たった一人のプロファイラーの判断によって捜査方針が決めらることになり、誤った捜査がなされる危険性が生じる。

 番組ホームページの解説には、「プロファイリングとは、心理学のエキスパートが、犯行現場に残された証拠の数々から、犯人の性格・職業・育ってきた環境などを推測する操作方法のこと。プロファイリングで容疑者に当てはまる条件を推測すれば、犯人像を絞り込んで効率的に捜査を行うことができる」と記されている。
 そう、あくまでも推測なのです。「こういう犯人像である可能性が高い」というだけで、それを根拠に捜査方針を決めるのは捜査が誤った方向に行く危険性がある。心理学を信用しない訳ではないが、心理学の見地からというのも、かなり危うい。あくまで、捜査の補助であるべきだ。

★ドラマにおけるプロファイリング捜査の問題点・疑問点等

①ネットに投稿された殺人シーンを6年前の犯人と同一犯かを分析するが、「同じ左利き、絞殺方法が似ている、遺体の発見現場、爪を切りそろえているかどうか」などは、プロファイリングというより、科捜研や刑事の判断なのでは?

②遺体の頭部にポリ袋をかぶせたのは、髪の毛を濡らしたくなかったから、女性の髪の毛に執着(愛情)を持っているという点は、プロファイルしたと評価できる。雨・ポリ袋という共通点で、同一犯という可能性は高いが、断言するのは危険。

③ペンダントに映り込んだ被害者の姿を見つけて、犯行現場に鏡があったことを立証。これは、貴志の有能さを発揮させたのだと思われるが、投稿動画の解析度では無理だろう。それより、投稿動画から殺害現場の特定をするべきなのでは?

④ ③において「死体遺棄現場」に鏡があったことと、今回の「殺害現場」に鏡があったこととを共通項にするのはおかしい

⑤「鏡の役割」=「目」(←犯行を誇示する)という理論を展開。今回はより強力な誇示する道具のインターネットを得たことによって、鏡のかけらは必要なくなった。
 もっともらしい理屈だが、意味がよく理解できない。だいいち、あれだけ鏡にこだわったのに、鏡のかけらが要らなくなったって?

⑥遺体をマンションの屋上へ遺棄した点から、犯人はかなりの体力と推定した。確かにと言うか、得意げに話すほどではない。それよりも、目撃者を捜すべき。

⑦遺体発見の4日後、二人でジョギングとは悠長

⑧被害者の部屋の服から、殺害時の服装(ペンダント・ブラウス)は被害者の服ではないと断言……凄すぎる

⑨被害者に着せたブラウスとペンダントは6年前のモノだったことを突き止め、「近しい者の死、愛情を感じる、愛情をくれた者の死。被害者が着せられたものは、その女性の者だった」と推定。しかし、6年前死んだのは、犯人の母親なので、あのブラウスが母親のモノには見えない。

⑩いきなり、「犯人はカメラに精通している」と推定。根拠が薄い。

⑪ ⑩を受けて容疑者を断定する捜査陣も捜査陣である。もっと、地道に調査しろ!会議室にいて、貴志の思いつきを待っているだけなんて…

⑫牧口を犯人と決めつけ、逮捕の際、思い切り間違った決め台詞を言っていた彼女(貴志)って……

⑬牧口の状況証拠…6年間韓国にいた、優しい姉がいた、6年前カメラメーカーの野球部だった、左利き……凄い偶然というかこじつけと言うか。

⑭矢吹刑事(筒井道隆)に責められ、「(貴志のプロファイリングによって)罪のない高校生がなくなったのは事実、それに、今回も行方不明の女性を見つけられていない」と彼女は認めるが、「今回も間違えました」というべきだろう。

⑮ ⑭について新田刑事(井原剛志)が「人の命を救ったのは事実だ」と慰めるが、それって、「ヒョウタンから駒」というだけなのでは?結果オーライ?

⑯貴志と岩瀬刑事(平泉成)と屋上で雑談……そんな余裕はないだろう

⑰雑談中、「髪の毛」「鏡」のキーワードから「美容師」を思いつく…遅過ぎ!

⑱貴志の言葉で動き出す捜査班の面々、貴志が何か言わないと何もしないのか?

⑲犯人の妻の写真から監禁場所を特定したが、あの写真、後ろの倉庫がメインで妻は脇にいるだけ……非常に不自然

⑳監禁場所に踏み込む時、左腕負傷の女性と拳銃を撃てない刑事の組み合わせって、まずいのでは?

21)たいそうに三角巾をして、それが絡まって窮地に陥る主人公…不必要な見せ場


★その他の疑問点

①犯人が何故わざわざ第一発見者になったのだろうか

②余さんの演技がベタ過ぎ、刑事には向いていないのかなあ

③刑事モノの犯人は左利きが多い

④「6年前を思い出せ」というメッセージは、ミスリードのためのモノとしか思えない

⑤容疑者の牧口は、何故女性を監禁していたのだろう?それにしても、気の毒なほど狭い場所

⑥牧口家を捜査の時、それにリンクさせて真の被害者の様子を見せる演出はあざと過ぎ

 突っ込みどころがあり過ぎと思いませんか?
コメント
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