英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

放電日記的 2011年度棋士活躍度ランキング

2012-04-02 17:23:28 | 将棋
 2011年度が終了しました。
 昨年の10月4日に途中経過を書きました。(楽をするため)その時の文章を土台にして書きます。10月の文章(上半期の事項)を緑色で下半期の事項を青で表記しますが、ブラウザや携帯によっては黒色のままかもしれません。

 羽生二冠は、棋聖を防衛、王位を奪取したものの、名人を失冠、圧倒的強さを誇った王座も失い、タイトル戦としては2勝2敗ながらも、地位的にもイメージ的にも大きなマイナスです。防衛して現状維持なので、タイトル数も3→2と後退しました。(←上半期終了時点の文章です)
 
 下半期は何と言っても、羽生二冠の逆襲でしょう。タイトル戦は渡辺竜王は防衛しましたが、久保二冠は相次いで失冠し無冠、更にA級を陥落するという激変でした。(詳しくは、各棋士の短評にて)

 算出基準は、少しずつ修正を重ねていて、昨年度の基準は以下の通りです。(今年度は変更なし)

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 タイトル挑戦して奪取20点、タイトル防衛15点、タイトル挑戦して失敗10点、タイトル失冠0点
 ただし、名人位と竜王位は他のタイトルと重みが違うので獲得点を増やす。竜王挑戦・獲得は30点、同防衛は20点、同挑戦・失敗は15点。
 名人挑戦に関しては、4~6月の七番勝負進出のためのA級順位戦は前年度なので、ポイントには加えず、名人に挑戦し獲得した場合は15点、挑戦し失敗した場合は0点、名人防衛は20点、A級優勝(名人挑戦権獲得)は15点。
 さらに、A級2位と竜王挑戦者決定戦(敗退)は8点(1組優勝者の場合は4点)、竜王挑戦準決勝進出(敗退・1組優勝者は除く)は4点とする。 A級残留はかなりの難易度なので5点。
 順位戦各級の昇級もクラスで差をつけるのが妥当と考え、B1→A級は7点、B2→B1は5点、C1→B2、C2→C1は4点。
 竜王戦昇級の評価については、各クラスの昇級人数が4人と多いのと、クラス別の差別化などを考えると複雑なので、1組優勝者は6点、準優勝者は4点、2組以下は均一に優勝者5点、準優勝者3点。昇級者決定トーナメントを勝ち抜くと、かなり勝ち星を稼げるので昇級に対する加点はなし。

 棋戦(全棋士対象)優勝10点、棋戦準優勝6点、
 参加棋士限定棋戦(新人王戦、日本シリーズ、大和証券杯)優勝7点、同準優勝4点。

 あと、挑戦者決定戦で敗れたり、棋戦3位などの評価をしないのも誤差が生じそうだが、そこまで勝ち進めば勝ち星が多いはずなので、1勝=1点とすれば反映できる。
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赤字は昨年度の変更点(竜王戦1組優勝者は自動的に本戦準決勝進出となるため調整)

 【参照】
『放電日記的 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年3月31日)
『修正版 2008年度棋士活躍度ランキング』(2009年4月19日)
『放電日記的 2009年度棋士活躍度ランキング』(2010年4月2日)
『放電日記的 2010年度棋士活躍度ランキング』(訂正あり)(2011年4月4日)
 このランキングは、挑戦したものの惜しくも敗れ、タイトルを奪取できなかった棋士など、一般棋戦優勝(準優勝)、勝数なども考慮に入れ、敢闘度を計ったものとも言えます。もちろん、タイトル戦勝者の点数が伸びる仕組みになっています。

 では、さっそく。
 まず、タイトル保持者から。
★渡辺竜王・王座
 A級(タイトル保持者)はシードなので、タイトル挑戦・棋戦優勝には近距離にいるが、その分、対局相手は強敵ばかり。その中で17勝3敗の高勝率は凄い(王座戦のタイトル戦でも3勝0敗)。銀河戦も優勝し強さ爆発。
 下半期も多くの棋戦を残しているが、何を置いても竜王位の防衛であろう。これを守れば、最優秀棋士賞も近くなる。順位戦も2勝1敗とまずまず。日本シリーズ準決勝進出。棋王戦は本戦3回戦(初戦)敗退。

 下半期は竜王位は貫禄の防衛、NHK杯、日本シリーズは準優勝、A級順位戦は2位とまずまずの結果。しかし、この3棋戦すべて、羽生二冠の後塵を拝しているのは不本意だろう。
 その他では王将リーグ残留、王位リーグは現在1勝1敗。朝日杯は本戦1回戦敗退、棋聖戦も本戦2回戦で敗退。


 王座奪取20点、棋聖戦決勝トーナメント2回戦敗退(3月14日=昨年度)、銀河戦優勝10点、王位戦予選敗退、上半期成績17勝3敗、勝数6位、勝率2位上半期計47点
 竜王位防衛20点、NHK杯準優勝6点、日本シリーズ準優勝4点、A級2位8点、下半期22勝9敗、下半期計60点。年度成績39勝12敗、対局数4位、勝数4位、勝率2位、合計107点。

★森内名人
 名人位奪冠は大きい。しかし、上半期のタイトル戦は昨年中や年度初めに敗退し寂しい成績。王将リーグ戦入りするなど現在5連勝と、今後各予選などで勝ち星を伸ばしそう。
 下半期は11戦全敗。無惨としか言いようがない。王将リーグも全敗。ここ2ヶ月は対局さえ付かないという有り様。

 名人位奪取15点、棋聖戦2次予選敗退(昨年10月)、王位戦予選3回戦敗退(昨年11月)、王座戦本戦1回戦敗退、竜王戦1組4位決定戦敗退、上半期成績10勝8敗(5連勝中)。合計25点
 下半期成績0勝11敗、下半期計0点。年度成績10勝19敗、合計25点

★羽生王位・棋聖
 失冠のマイナスイメージが強いが、上半期の4つのタイトル戦にすべて登場し、勝数はトップ。竜王戦の途中敗退は痛いが、現在、順位戦3連勝、日本シリーズの決勝進出を決めるなど、下半期も星を伸ばす余地あり。
 下半期はA級順位戦を全勝で名人位挑戦権を獲得、更にNHK杯4連覇(10回目の優勝で名誉NHK杯を称する権利を獲得)を始め、朝日杯、日本シリーズと早指し棋戦を制覇と怒涛の反撃。この間14連勝を記録。
 その他では、王将リーグ残留、棋王戦本戦3回戦敗退。


 名人位失冠0点、棋聖防衛15点、王位奪取20点、王座失冠0点、竜王戦挑戦者決定トーナメント準々決勝敗退、銀河戦準決勝敗退、上半期成績23勝14敗、勝数1位、上半期計58点
 名人位挑戦権獲得15点、朝日杯優勝10点、NHK杯優勝10点、日本シリーズ優勝7点、下半期成績21勝5敗、下半期計63点。年度成績44勝19敗、対局数1位、勝数1位(豊島六段と同勝数)、合計121点

★郷田棋王
 7月3日までは3勝6敗と不調だったが、その後9勝1敗と復調著しい。日本シリーズ準決勝進出、棋王戦本戦準々決勝進出、順位戦は2勝1敗。
 下半期は棋王位獲得。挑戦者決定戦トーナメントで広瀬七段に2勝1敗、5番勝負で久保棋王に3勝1敗と、振り飛車の雄を撃破(この後朝日杯で広瀬七段に敗れる)。
 その他では、棋聖戦本戦準決勝進出、A級残留、朝日杯準決勝敗退、日本シリーズ準決勝敗退と幅広く活躍。


 棋聖戦本戦準決勝敗退。上半期成績12勝7敗、上半期計12点
 棋王位奪取20点、A級残留5点、下半期成績17勝11敗、下半期計42点。年度成績29勝18敗、合計54点

★佐藤王将
棋聖戦本戦準決勝敗退、王位リーグ3勝2敗(陥落)、竜王戦本戦準々決勝敗退、あちこちに顔を出すものの、敗数も多い。
 順位戦1勝2敗、王将リーグを残しているが、棋王戦、NHK杯もすでに敗退している。

 下半期は、王将リーグで豊島六段の敗局待ちという苦しい状況から、最終局で羽生二冠、プレーオフで豊島六段を下し挑戦権を獲得。久保王将を4勝1敗で破り、10期ぶりに王将位に復位。第1局の天空の城居城の5七玉、第3局のシルバートライアングルと魅せてくれた。
 その他では、A級残留、朝日杯本戦2回戦敗退。


 上半期成績8勝11敗。上半期計8点
 王将位奪取20点、A級残留5点、下半期成績14勝10敗、下半期計39点。年度成績22勝21敗、合計47点

 続いて、上記以外のA級棋士

★久保九段
 春先は好調だったが、最近は不調気味で順位戦も3連敗。冬場に棋王、王将の防衛戦を控えており、得点の伸びが期待できる。
 盆過ぎから調子を落とし1月まで3勝12敗、2月に入り順位戦、王将戦、棋王戦と踏ん張りを見せたが、すべて敗退。二冠から無冠、それどころかA級も陥落。
 その他では、NHK杯準決勝敗退、棋聖戦本戦2回戦敗退。


 竜王戦挑戦者決定戦進出(敗退)8点、竜王戦1組準優勝4点、棋聖戦本戦1回戦敗退(今年2月=昨年度)、王位戦予選敗退(昨年10月)、王座戦挑戦者決定戦敗退(得点は0点)、大和証券杯準決勝敗退、日本シリーズ準決勝敗退、上半期成績13勝9敗。上半期計25点
 王将位失冠0点、棋王位失冠0点、A級陥落、NHK杯準決勝敗退、下半期成績8勝17敗、下半期計8点。年度成績21勝26敗、合計33点

★高橋九段
 棋聖戦、王位戦、王座戦は昨年度のうちに敗れ、今年度に入り竜王戦、棋王戦、王将戦も敗退。今後は順位戦(現在1勝2敗)、来季の予選、NHK杯などを残すのみ。
 A級順位戦最終局に勝ち、2勝で残留と勝負強さを発揮。
 その他ではNHK杯2回戦敗退、朝日杯本戦1回戦敗退、王位リーグ現在1勝1敗。


 上半期成績4勝6敗。上半期計4点。
 A級残留5点、下半期成績8勝12敗、下半期計13点。年度成績12勝18敗、合計17点

★三浦八段
 王位リーグ2勝3敗で陥落。
 順位戦は2勝1敗、棋王戦本戦準々決勝進出、王将リーグ入りも果たし、下半期は楽しみ。

 下半期はやや調子を落としたが、2月に入って復調。A級順位戦は5勝4敗で3位を確保。
 その他では、NHK杯3回戦敗退、王将リーグは1勝5敗、王座戦トーナメント進出。


 上半期成績11勝8敗。上半期計11点
 A級残留5点、下半期成績12勝13敗、下半期計17点。年度成績23勝21敗、合計28点

★丸山九段
 竜王位挑戦を決めたが、夏場から調子を落としている。順位戦も3連敗。
 下半期は、竜王戦で完敗したのが尾を引いたのか、順位戦でも勝ち星をあげられず、最終局に勝ったものの陥落。
 その他では、NHK杯3回戦敗退、王位戦リーグは現在1勝1敗。


 竜王位挑戦権獲得(15点確保)、竜王戦1組優勝6点、王座戦本戦準決勝敗退、王将戦も本戦入りの1局を落とす。11勝10敗。上半期計32点
 A級陥落、下半期成績11勝13敗、下半期合計11点。年度成績22勝23敗、合計43点 

★谷川九段
 順位戦は3連勝だが、棋聖、王座戦は昨年度中に敗退し、年度後半戦の棋王、王将、NHK杯もすでに敗退している。
 下半期は、昨年同様順位戦は失速(A級は残留)、他棋戦も活躍できず、現在6連敗中。

 王位戦リーグ1勝4敗(陥落)、上半期成績5勝8敗、上半期計5点
 A級残留5点、下半期成績5勝9敗、下半期計10点。年度成績10勝17敗、合計15点

★屋敷九段
 春先好調も夏場調子を落とし、直近2勝6敗。順位戦も1勝2敗、棋王戦本戦3回戦敗退、NHK杯も敗退している。
 下半期は、A級残留以外は目立った戦績は上げられなかったが、最終局を前に残留を決めたのは流石の実力。11月以降は7勝3敗と好調。

 王座戦本戦準決勝敗退、大和証券杯準決勝敗退、上半期成績9勝8敗、上半期計9点
 A級残留5点、下半期成績9勝5敗、下半期計14点。年度成績18勝13敗、合計23点


 上記以外のタイトル戦出場、棋戦優勝・準優勝者
★深浦九段
 棋聖挑戦を筆頭に活躍。対局数29局は羽生二冠(37局)についで2位。
 B1順位戦は3勝2敗、後半棋戦は王将戦は2次予選敗退、棋王戦本戦3回戦敗退、NHK杯は3回戦に進出している。
 下半期は、最終局を前にA級復帰を決め、他棋戦でも勝ち星を重ねる。NHK杯は3回戦敗退、朝日杯は本戦1回戦敗退。棋聖戦は準決勝進出、竜王戦1組ランキング戦も準決勝進出。


 棋聖位挑戦(失敗)10点、竜王戦本戦準決勝敗退4点、王位戦リーグ1勝4敗(陥落)、上半期成績15勝14敗。上半期計29点
 A級昇級7点、下半期成績12勝6敗、下半期計19点。年度成績27勝20敗、合計48点

★広瀬七段
 前半戦棋戦(棋聖、王座)は昨年度のうちに敗退していて、上半期は竜王戦ランキング戦、王位戦(タイトル戦)、B2順位戦と重い対局がほとんどであった。しかも、竜王戦4組準優勝と微妙な成績であったため、本戦トーナメントも昇級トーナメントもなし。
 B2順位戦は4連勝、王将リーグ入り、棋王戦準々決勝進出、NHK杯と、後半戦が楽しみ。

 下半期は、もはや「順当」という言葉が自然に感じるように勝ち星を積み重ねていった。
B1へ昇級、棋王戦挑戦者決定戦進出(郷田九段に敗退、昨年に続いての挑戦者決定戦敗退)、朝日杯準優勝(羽生二冠に敗退)、王将リーグ3勝3敗(陥落)、NHK杯3回戦敗退、王位リーグ現在2勝1敗。
 相当勝っているが、王位戦7番勝負の最終局敗退など後一歩というところで負けているのが痛い。


 王位失冠0点、竜王戦4組準優勝3点、上半期成績12勝7敗、上半期計15点
 朝日杯準優勝6点、B1へ昇級5点、棋王位挑戦者決定戦敗退0点、下半期成績20勝10敗、下半期計31点。年度成績32勝17敗、合計46点

★糸谷六段
 各棋戦の予選で勝ち星を上げている。予選や新人王戦、C1順位戦と言っても、豊島、佐藤(天)、稲葉、菅井、澤田など生きの良い手ごわい若手同士で潰し合うので大変である。C1順位戦で0勝3敗と昇級は絶望的。棋王戦は本戦準々決勝進出。
 下半期だけでも18勝と勝ち星は多いが、棋王戦敗者戦決勝進出以外、これといった成果が上がらなかった。順位戦も5勝5敗と昇級争いに全く絡めなかった。棋聖戦本戦1回戦敗退。

 銀河戦準優勝6点、新人王戦準決勝敗退、上半期成績17勝8敗。上半期計23点
 下半期成績18勝11敗、下半期計18点。年度成績35勝19敗、合計41点

★菅井五段
 春先は負けが込んだものの(3勝5敗)、その後、暑さと共に勝ち出し16勝2敗。
 下半期は、朝日杯準決勝敗退、NHK杯準々決勝敗退とあと一歩、特にC2組順位戦の9勝1敗で昇級できなかったのは不運としか言いようがない。とは言え、勝ちまくった。下半期は17勝6敗、年度36勝13敗の.735は全棋士中4位。年度当初の3勝5敗を除くと33勝8敗で.805の高率。

 大和証券杯優勝7点、上半期成績19勝7敗、勝数3位、勝率7位。上半期計26点
 下半期成績17勝6敗、下半期計17点。年度成績36勝13敗、合計43点

★村山五段
 王位戦では羽生二冠をあと一歩まで追い詰めた。安定して着実に勝っているという印象。C1順位戦は2勝2敗。
 下半期はこれと言った戦績を残せなかった。王位リーグには進出したが現在0勝2敗。

 大和証券杯準優勝4点、王位戦白組プレーオフ進出、上半期成績16勝10敗。上半期計20点
 下半期成績9勝10敗、下半期計9点。年度成績25勝20敗、合計29点

★佐藤(天)六段
 好成績という言葉では足りないほどの成績。しかし、12勝7敗とそれほど勝っていないのは不思議。C1順位戦は3勝1敗。
 下半期は、まず新人王を獲得、順位戦もB2に昇級、棋聖戦も準決勝進出を決め、快進撃。

 新人王戦決勝進出(10月に決勝4点確保)、棋聖戦挑戦者決定戦進出、竜王戦3組優勝5点、竜王戦3回戦(初戦)敗退、上半期成績12勝7敗、上半期計17点(+4点確保)
 新人王優勝7点、B2に昇級4点、下半期成績13勝4敗、下半期計24点。年度成績25勝11敗、合計41点

★豊島六段
 相手かまわず勝ちまくっている。10連勝中。王将リーグが楽しみ。C1順位戦は3勝1敗。
 新人王決勝は1勝2敗で敗れ、王将リーグは最終局、プレーオフで痛い連敗。しかし、ここからの巻き返しが素晴らしく、順位戦では7勝3敗ながらも昇級、王位戦もリーグ戦に進出(現在1勝2敗)、王座戦本戦進出、竜王戦もランキング戦3回戦進出。

 新人王戦決勝進出(10月に決勝、4点確保)、王位戦リーグ3勝2敗(陥落)、上半期成績20勝6敗、勝数2位、勝率3位、上半期計20点(+4点確保)。
 新人王準優勝4点、B2に昇級4点、王将リーグプレーオフ進出0点、下半期成績24勝10敗、下半期計32点。年度成績44勝16敗、対局数2位、勝数1位(羽生二冠と同勝数)、勝率5位、合計52点

 順位戦昇級者(上記以外)
★橋本八段
 年度初めから11連勝(昨年度からだと14連勝)だったが、7月19日~9月1日は2勝6敗と夏休み。後半戦の王将戦、棋王戦は既に敗退。B1順位戦は3勝2敗、A級昇格を目指す。
 下半期も快進撃。A級昇級、竜王1組ランキング戦で羽生二冠を破り(これで羽生二冠に二連勝、しかも竜王戦)準決勝進出。ただ、棋聖戦本戦2回戦で敗退、王位戦と王座戦の予選決勝で敗れたのは残念。

 竜王戦2組優勝5点、竜王戦本戦準決勝進出4点、上半期成績15勝6敗、勝率9位。上半期計24点
 A級昇級7点、下半期成績14勝4敗、下半期計21点。年度成績29勝10敗、勝率3位、合計45点

★飯塚七段
 上半期は特筆すべき戦績はなし。8勝4敗、上半期計8点
 下半期は、順位戦B1へ昇級。2連敗後8連勝での昇級は見事。棋聖戦本戦1回戦敗退。
 B1へ昇級5点、下半期成績は13勝6敗、下半期計18点。年度成績21勝10敗、合計26点


★阿部健治朗五段
 C2順位戦4勝0敗、朝日杯1次予選突破、直近9勝2敗と好調。上半期成績11勝6敗、上半期計11点
 下半期は高勝率。順位戦C1へ昇級(10戦全勝)4点、NHK杯3回戦敗退、下半期成績17勝6敗、下半期計21点。年度成績28勝12敗、合計32点

★中村太地五段
 C2順位戦4勝0敗、朝日杯1次予選突破、来期棋聖戦1次予選突破(次戦森内戦で真価が問われる)。9連勝中。
 下半期も勢いは留まらず、上記の森内戦も勝利を含め、連勝を12まで伸ばした。更に10戦全勝でC1に昇級、棋聖戦も準決勝進出、王座戦も本戦に進出。現在9連勝中。

 上半期成績18勝3敗、勝数5位、勝率1位。棋王戦本戦2回戦敗退。上半期計18点
 C1へ昇級4点、下半期成績22勝4敗、下半期計26点。年度成績40勝7敗、勝数3位、勝率1位(.851)合計44点

★船江五段
 C2順位戦4勝0敗。コンスタントに勝ち星を重ねている。上半期成績15勝6敗、勝率9位。上半期計15点
 下半期は、順位戦10戦全勝でC1へ昇級4点、王位リーグ進出現在2勝1敗、下半期成績17勝6敗、下半期計21点。年度成績32勝12敗(12連勝あり)、合計36点

 竜王戦各組優勝・準優勝者(上記以外)
★山崎七段
 春先は5勝6敗と沈滞気味、7月以降は10勝3敗と猛ダッシュ。棋王戦本戦準々決勝進出、順位戦も4勝2敗と後半戦も期待がかかる。
 下半期の成績は消化不良。順位戦は7勝5敗で終了、棋王戦も準々決勝敗退、棋聖戦は予選決勝敗退。唯一竜王戦は1組ランキング戦準決勝進出。

 竜王戦2組準優勝3点、竜王戦準々決勝敗退、王座戦本戦2回戦敗退、上半期成績15勝9敗、上半期計18点
 下半期成績9勝8敗、下半期計9点。年度成績24勝17敗、合計27点

★西尾六段
 (上半期)安定した成績だが、C2順位戦は1勝3敗と苦戦。朝日杯で佐藤(天)、村山を連破し1次予選突破。
 下半期は、11月から2月にかけて10連勝をマーク。王座戦本戦進出。

 竜王戦3組準優勝3点、上半期成績10勝8敗、上半期計13点
 下半期成績12勝6敗、下半期計12点。年度成績22勝14敗、合計25点

★佐藤(秀)七段
 (上半期)負けない、確実に勝つ。C1順位戦も3勝1敗、来季の棋聖戦の1次予選を突破している。
 下半期は不調。特に順位戦は5戦目以降1勝5敗で、4勝6敗と負け越してしまった。
 竜王戦4組優勝5点、竜王戦2回戦(初戦)敗退、上半期成績12勝4敗、勝率6位。上半期計17点
 下半期成績8勝12敗、下半期計8点。年度成績20勝16敗、合計25点

★稲葉五段
 年度当初から12勝3敗と高勝率、その後3連敗(渡辺、森内戦を含む)したものの、直近4勝1敗と再び上昇。来季の予選(棋聖戦、王位戦、王座戦)で星を伸ばしそう。C1順位戦は3勝1敗(豊島、糸谷に勝利)。
 下半期はやや調子を落とした。その中では、順位戦では強敵を倒してきて、最終局自力の状態で迎えたが敗れて昇級を残す。NHK杯予選決勝で糸谷を破り本戦進出。

 竜王戦5組優勝5点、本戦1回戦敗退、銀河戦準決勝進出、上半期成績16勝7敗。上半期計21点
 下半期成績12勝8敗、下半期計12点。年度成績28勝15敗、合計33点

★高崎五段
 C1順位戦3勝1敗。直近6勝1敗と上昇気流。
 下半期は、コンスタントに勝っているが、固めて勝つことができなかった。順位戦も7勝3敗とあと一歩。

 竜王戦5組準優勝3点、上半期成績7勝5敗。上半期計10点
 下半期成績13勝7敗、下半期計13点。年度成績20勝12敗、合計23点

★永瀬四段
 年度当初から13勝1敗(昨年度からの連勝は18)、しかし、直近は2勝6敗と失速。C2順位戦1勝3敗。
 夏場から調子を落としていたが、年が明けてからは好調、7勝1敗、5連勝中。竜王戦5組ランキング戦では準決勝に勝ち進んでいる。 

 竜王戦6組優勝5点、竜王戦本戦3回戦敗退、新人王戦準決勝敗退、上半期成績19勝9敗、勝数3位。上半期計24点
 下半期成績12勝6敗、下半期計12点。年度成績31勝15敗、合計36点

★吉田四段
 C2順位戦3勝1敗、ダークホース的存在。
 陥落した王位リーグ復帰を目指したが、予選決勝で敗れる。

 竜王戦6組準優勝3点、王位戦リーグ1勝4敗(陥落)、上半期成績9勝9敗。上半期計12点
 下半期成績9勝9敗、下半期計9点。年度成績18勝18敗、合計21点

 成績優秀棋士(上記以外の勝数上位者)
★澤田四段
 C2順位戦4勝0敗、朝日杯1次予選突破など今後も星を伸ばしそう。
 上半期の好調が嘘のように、下半期は失速。順位戦も5連敗、最終局には勝って5勝5敗で終わる。3月は4戦全勝と復調の気配。

 上半期成績16勝5敗(7連勝中)、勝数8位、勝率5位。上半期計16点
 下半期成績8勝12敗、下半期計8点。年度成績24勝17敗、合計24点

★大石四段
 竜王戦6組昇級者決定戦で1回戦~5回戦まで勝ち準決勝進出、朝日杯1次予選突破。C2順位戦は2勝2敗。
 下半期も好調で、勝ち星を重ねる。突き抜けるまであと一歩。銀河戦ブロック戦で4連勝を記録、トーナメント進出が濃厚。

 上半期成績16勝7敗、勝数8位、上半期計16点
 下半期成績16勝8敗、下半期計16点。年度成績32勝15敗、合計32点

★牧野四段
 来期棋聖戦1次予選突破、C2順位戦は1勝3敗。
 年度末にやや調子を落としたものの、棋聖戦は2次予選も通過(本戦1回戦で戸辺六段に敗れる)。王位リーグにも進出、現在2連勝中。 

 上半期成績16勝7敗、勝数8位、棋王戦本戦2回戦敗退、上半期計16点
 下半期成績14勝11敗、下半期計14点。年度成績30勝18敗、合計30点

 有力棋士、注目棋士
★木村八段
 B1順位戦4勝2敗(上半期)。悪くはないが、2、3年前の活躍と比べると寂しい。棋王戦本戦3回戦進出。
 下半期は、棋王戦3回戦で羽生二冠を破るも準々決勝で糸谷六段に敗れる。順位戦も1勝足らず、NHK杯は準々決勝敗退と、木村八段にしては物足りない戦績。本戦に進出した王座戦に期待。

 上半期成績8勝5敗、上半期計8点
 下半期成績8勝9敗、下半期計8点。年度成績16勝14敗、合計16点

★藤井九段
 王位戦赤組優勝(プレーオフ敗退)。
 王位戦で活躍したので、これだけ成績が悪いとは思わなかった。B1順位戦も5戦全敗。がんばれ!

 下半期はやや持ち直した感があるが、順位戦のB2降級は寂しい。
 準々決勝に進出している竜王戦2組ランキング戦と前期残留した王位リーグ(現在2勝1敗)に期待したい。

 上半期成績5勝12敗。上半期計5点
 下半期成績10勝8敗、下半期計10点。年度成績15勝20敗、合計15点
 
★松尾七段
 棋王戦本戦準々決勝進出、NHK杯3回戦進出。B1順位戦は2勝4敗とやや苦しいものの、直近の成績は8勝2敗。
 勝ち進んでいた棋王戦、NHK杯はともに準々決勝で敗退と下半期は停滞。竜王戦2組のランキング戦で準決勝に進出している。

 上半期成績9勝5敗、上半期計9点
 下半期成績9勝9敗、下半期計9点。年度成績18勝14敗、合計18点

★阿久津七段
 B1順位戦は2勝3敗とイマイチだが、他棋戦では安定して星を稼ぐが、突き抜けない感も。勝ち残っている棋戦が多いので、星が伸びる可能性大。
 下半期は、順位戦終盤5連勝と追い込むが、順位で頭ハネ。序盤の不調が響いた。
 他棋戦もある程度勝ち進むが、NHK杯3回戦敗退、棋聖戦と朝日杯は本戦1回戦敗退、王将戦は2次予選決勝で散る。


 上半期成績13勝5敗、勝率8位。上半期計13点
 下半期成績12勝8敗、下半期計12点。年度成績25勝13敗、合計25点

★戸辺六段
 王位戦赤組3勝2敗でリーグに残留したものの、今期は大いに不満の残る成績だろう。B2順位戦も1勝3敗と苦戦。
 下半期は鬱憤を晴らすように勝ちまくる。順位戦は届かなかったが、3連敗後の7連勝。棋聖戦は本戦2回戦敗退、NHK杯は2回戦敗退。残留した王位リーグでは現在2勝1敗。 

 上半期成績9勝11敗、上半期計9点
 下半期成績18勝5敗、下半期計18点。年度成績27勝16敗、合計27点

★佐々木(勇)四段
 C2順位戦2勝2敗、まずまずの成績だが、コメントに困るほど特徴のない成績。
 下半期も着実に勝星を積み重ねる。順位戦は振るわなかったものの、銀河戦ブロック戦では5連勝をマーク、竜王戦6組でランキング戦で4回戦(準々決勝)に進出している。

 上半期成績13勝7敗、上半期計13点。
 下半期成績13勝7敗、下半期計13点。年度成績26勝14敗、合計26点 


 ふう、これでだいたい網羅したはず。(もれた棋士の方、ごめんなさい)
 さて、いよいよ発表です!

2011年度活躍度ベスト10
  1位 羽生王位・棋聖     121点(131点  1位)
  2位 渡辺竜王・王座     107点( 74点  2位)
  3位 郷田棋王         54点( 30点  --)
  4位 豊島六段         52点( 45点  7位)
  5位 深浦九段         48点( 34点 16位)
  6位 佐藤王将         47点( 51点  5位)
  7位 広瀬七段         46点( 61点  4位)
  8位 橋本八段         45点( 27点  --)
  9位 中村(太)五段      44点( 30点  --)
 10位 丸山九段         43点( 48点  6位)
 10位 菅井五段         43点( 32点 20位)
 12位 糸谷六段         41点( 38点 12位)
 12位 佐藤(天)六段      41点( 39点 10位)
 14位 船江五段         36点( 10点  --)
 14位 永瀬四段         36点( 23点  --)
 16位 久保九段         33点( 66点  3位)
 16位 稲葉五段         33点( 35点 13位)
 18位 安部(健)四段      32点( 43点  8位)
 18位 大石四段         32点( 16点  --)
 20位 牧野四段         30点( 21点  --)

 ここ数年の「活躍する棋士の顔ぶれはあまり替わらない」という法則は生きていますが、今年は例年に比べて入れ替わりは多く若返りの傾向。
 やはり、タイトル獲得(防衛)の有無が得点に大きく作用するので、無冠に陥った久保九段の降下が目立ちます。
 目立つのは豊島六段!。2008年度17位→5位→7位→4位と上位で安定しています。
 そして、やはり羽生王位・棋聖と渡辺竜王・王座の2強が抜きん出ている事がはっきり示されました。そして、年々渡辺竜王が得点を伸ばして羽生二冠に肉薄してきています。
 さて、今年度はどうなるのでしょうか?

【参考】
2010年度の活躍度ランキング

 1位 羽生名人・棋聖・王座   131点(104点  1位)
 2位 渡辺竜王          74点( 64点  4位)
 3位 久保棋王・王将       66点( 93点  2位)
 4位 広瀬王位          61点( 42点  9位)
 5位 佐藤九段          51点( 34点 14位)
 6位 丸山九段          48点( 31点 16位)
 7位 豊島六段          45点( 54点  5位)
 8位 阿部(健)四段       43点(  5点  --)
 9位 森内九段          41点( 48点  8位)
10位 村山五段          39点( 21点  --)
10位 佐藤(天)五段       39点( 28点 19位)
12位 糸谷五段          38点( 41点 11位)
13位 藤井九段          35点( 21点  --)
13位 阿久津七段         35点( 38点 12位)
13位 稲葉五段          35点( 30点 17位)
16位 深浦九段          34点( 67点  3位)
16位 戸辺六段          34点( 36点 13位)
18位 三浦八段          33点( 42点  9位)
18位 山崎七段          33点( 52点  7位)
20位 菅井四段          32点(  4点  --)



2008年度ランキング       2009年度ランキング
  1位 羽生名人   144点    1位 羽生名人・棋聖・王座  104点
  2位 久保棋王    68点    2位 久保棋王・王将      93点
  3位 深浦王位    56点    3位 深浦王位         67点
  4位 渡辺竜王    54点    4位 渡辺竜王         64点
  5位 木村八段    53点    5位 豊島五段         54点
  6位 佐藤九段    50点    6位 木村八段         53点
  7位 阿久津六段   49点    7位 山崎七段         52点
  8位 郷田九段    47点    8位 森内九段         48点
  9位 佐藤天彦四段 40点    9位 三浦八段         42点
 10位 森内九段    37点    9位 広瀬五段         42点
 11位 糸谷五段    36点    11位 糸谷五段        41点
 12位 田村六段    34点    12位 阿久津七段       38点
 13位 高橋九段    31点    13位 戸辺六段        36点
 14位 稲葉四段    30点    14位 佐藤(康)九段     34点
 15位 三浦八段    29点    15位 谷川九段        33点
 15位 松尾七段    29点    16位 丸山九段        31点
 17位 丸山九段    28点    17位 稲葉四段        30点
 17位 豊島四段    28点    18位 飯島六段        29点
 17位 戸辺五段    28点    19位 中田(宏)八段     28点
 17位 宮田敦史五段 28点    19位 佐藤(天)五段     28点
 17位 佐藤和俊五段 28点    19位 中村(太)四段     28点

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タイトル失冠は0でない (岡本 哲)
2013-03-21 04:07:35
 タイトル失冠はタイトル戦をたたかったあかしですので、0評価というのは疑問です。
 タイトル保持者は予選をさす機会を失うので勝ち星をかせぐことができず(リーグ戦でないとまた別ですが)勝率がさがるのが当然というのもあります。
 その棋戦で挑戦者が挑戦までにかせいだ点数をあたえるべきではないでしょうか。
返信する
私も悩んだ事柄でした ()
2013-03-21 14:44:05
岡本さん、こんにちは。

>タイトル失冠はタイトル戦をたたかったあかしですので、0評価というのは疑問です

その棋戦で挑戦者が挑戦までにかせいだ点数をあたえるべきではないでしょうか。

 ええ、これについては、設定当時にどうしようか迷いました。
 私の場合、迷った場合は極端化して考えることにしています。そうすると、タイトル保持者が0勝4敗(0勝3敗)で敗れてしまった場合、活躍したと言えるのか疑問に感じたので0点としました。
 でも、確かにタイトル保持者は勝ち星を上げる機会が減るので、公平じゃないという考え方ももっともだと思います。
 また、タイトル保持者は防衛するのに3~4勝で済むので、獲得と防衛との獲得ポイントを差別しているので、ランキング得点獲得において、タイトル保持者は不利ですね。
 そこで、改善方法をいくつか考えています。ほぼ、方針は決まりましたが、説明が長くなりそうなので、近日中に新たに記事をアップしたいと考えています。
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