英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 その2

2024-07-09 17:42:40 | 将棋
「2024王位戦 第1局 藤井王位-渡辺九段 午後8時35分」を「その1」とします。

 ……「その1」をアップした時は、まだ、勝利確率が78%でかなり優勢とは言え、残り時間切迫の中、渡辺九段が勝ち切るのはまだまだ大変だと思っていた。
 しかし、それから、暫くして藤井王位が特攻をかけたが足りず、勝利確率は「渡辺99%」となり、あとは詰ますだけという状況。
 解説の鈴木九段も、終局間近(渡辺勝ち)を確信していた。ただし、少し、逆転の伏線があったが、些細な事と思っていたようだ。(詳細は後述)


 千日手指し直し局も、渡辺九段が主導していた気配があり、用意の策戦だった気がする。

 渡辺九段が21手目に▲6六角と飛車取りに覗いたのが趣向で、△7四飛と躱した時点で前例が1局のみ。さらに23手目の▲7七桂で前例がなくなった。
 ▲7七桂以下△3四歩▲2二角成△同銀▲8二角と打ち込み、△9三香▲2六飛で第1図。

 第1図から△5四飛▲6八銀で第2図。
 藤井王位はこの辺り(第1図~第2図)で△8四飛▲9一角成△7一金と先手の角(馬)の働きを封じておくべきだったという感想を述べており、その後はずっと苦しいと思っていたそうだ。

 とは言え、実際は微差で、角打ちから飛車をふわりと中段に泳がせ、2筋に回し飛車成りを見せ、▲3九金を強要(先手は歩切れで、飛成りを歩で防げない)するなど、藤井王位の反撃も迫力十分。以下、10手ほど進み、第3図。

 先手の渡辺九段も飛車を8筋に転回。互いに飛車を軸に敵陣突破を目指す。
 これに対し、△8三歩と受けるのが読みの入った手で、以下▲8三同馬△同銀▲同飛成△7二角▲9二龍と、「角銀交換」「飛車の成り込み」「駒得した角を自陣の受けに投入させられる」と損得勘定が難しいが、おそらく最善の応酬。ただし、最後の▲9二龍では▲8二龍の方が良かったようだ。(後に▲8四桂と絡む筋が出てくるが、この時、龍の紐が付いている方が得)
 ▲9二龍に△6四歩で第4図。

 △6四歩と突いて、防戦一方と見られた角が一気に先手の急所に利いてきた。ただし、△6四歩ではなく△3六歩が最善手らしい。
 ▲9二龍で《先手わずかに良し》から《後手やや良し》に。△6四歩がやや疑問で、第4図は、ほぼ互角。ただ、この△6四歩が見えていなかった渡辺九段は少なからず動揺したようだ。
 《局勢は互角》《精神的にやや動揺》の渡辺九段ではあるが、残り時間は渡辺61分、藤井9分と大優勢。
 渡辺九段も腰を落とし、読み直し▲3五歩と最善手。さすがである。
 以下△3六歩▲3四歩と互いに桂頭を攻める。

 第5図は互角。残り時間は先の▲3五歩で20分消費したとは言え、渡辺39分対藤井9分と少し差は縮まったが、時間的にはまだ有利。
続く

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