英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

相棒 season18 第3話「少女」

2019-10-25 22:26:56 | ドラマ・映画
 脚本家の神森万里江氏は今話が相棒3作目。
 過去2作(season17「辞書の神様」「10億分の1」)では、人間ドラマに重点を置いているようで、サスペンスとしてはやや物足りないが、登場人物の心理を深く掘り下げ、丁寧にストーリーを構築していた。(「10億分の1」では、奇跡的過ぎる要素があり、視聴後引っ掛かりを感じたが)

 今話も島村(三浦誠己)が真犯人ではなかった(致命傷を与えていなかった)という捻りはあったが、事件を辿る単調な展開でサスペンス性は低かった。。まあこれは、島村と明菜(大島美優)の共鳴・共感を丁寧に描く為には仕方がないことかもしれない。
 サスペンス性は低かったが、明菜の行動から彼女の心理を読み解く推理は興味深く、人間ドラマとしては面白かった。



明菜……妹が亡くなった悲しみと、助けてやれなかったという後悔の念
島村……恋人を自殺に追いやった卑劣な奴らへの怒り、恋人を失った悲しみ

……悲しみの深淵でもがき苦しむふたり⇒行きつく先は自らの命を断つこと


 少女の行動の軌跡(犯人を恐れない、真犯人にも手向かった)を辿り、少女の悲しみや覚悟を推察する右京、冠城。
 特命係のふたりの尽力(大げさな表現かも、良い言葉が思いつかなかった)により、島村は殺人を犯していないことが明らかになり、明菜の母の心情を知ることが出来、大切な人の死を昇華させ前に進むことが出来たふたり。

 ≪単調なストーリーで、マイナス点の多いレビューになりそうだなあ≫という感触を逆転させる結末であった。
(明菜の葛藤が、若干、独りよがりな点もあったが)
(あまり楽しい思い出もなく短い生涯を終えてしまった妹はかわいそうだった)

 
【些細な疑問】
少女が死に場所を求めて出かけるのを察知し、玄関の外で待つ特命係のふたり……どれだけの時間、待ったのだろうか?


第1話第2話

【ストーリー】番組サイトより
猫が縁で知り合った少女が誘拐された
幼い命を救うため特命係が動き出す!


 益子(田中隆三)から飼い猫の捜索を依頼された右京(水谷豊)と亘(反町隆史)は、郊外の一角で無事に猫を保護。
 後日、益子と連れ立って、保護に協力してくれた小学生・明菜(大島美優)に礼を言うためマンションを訪れる。すると、隣室で殺人事件が起き、偶然居合わせた明菜が連れ去られてしまったことが分かる。容疑者は、島村(三浦誠己)という警備員の男。動機は、恋人を卑劣な手段で自死に追い込んだ被害者男性への恨みと推察された。
 右京と亘は、島村が明菜に危害を加えるのではないかと捜査に乗り出す。すると、島村の恋人の自死をめぐって、意外な事実が浮かび上がってきて…!?

恋人の恨みを晴らした殺人犯が少女を人質に!?
いっぽう、少女には誰にも言えない秘密が…
殺意の先にある予想だにしない真実とは?


ゲスト:大島美優 三浦誠己

脚本:神森万里江
監督:権野元

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2 コメント

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いいラストでした (marumori)
2019-10-26 16:56:33
 英さん、こんばんは。

 おっしゃるとおり、今回はミステリードラマというよりは人間ドラマでしたね。

 大切な人を失った悲しみを心に秘めた男と少女の心情が丁寧に描かれており、私は好きなストーリーでした。

 それまで決して笑わなかった明菜が病室で笑顔を見せるラストはジーンときました。「止まっていた時間が動きだした」という言葉もよかった。

 今回、右京さんがハンドルを握り冠城が助手席という珍しいシーンがありましたね。冠城シリーズとなってからは『死に神』(S14-3)くらいしか、右京さんの運転シーンは記憶にないです。
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今後に期待 ()
2019-10-27 20:55:27
marumoriさん、こんばんは。

> それまで決して笑わなかった明菜が病室で笑顔を見せるラストはジーンときました。「止まっていた時間が動きだした」という言葉もよかった。

 ええ、止まっていたふたりの時間が動き出すという帰着は良かったと思います。
 短絡的に“良い話”にしたのではなく、そこに行き着く心理描写がよく練られていたので、視聴者として納得できたのだと思います。

 本文で書きましたように、神森氏は登場人物の心理を深く掘り下げるのに秀でた脚本家だと思います。今後に期待したいです。

 我儘な相棒ファンとしては、そろそろ、「ああそうだったのか!」と感心するストーリーを観たいのですが。

 もともと冠城は、他人の運転は耐えられないというタイプでしたね、冠城のキャラは、若干変質してきているようです。最初の頃は、格闘は苦手でした。
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