英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

鎌倉殿の13人 第13話「幼なじみの絆」

2022-04-05 16:39:10 | ドラマ・映画
 今話は三谷氏に太田愛氏(『相棒』などの脚本を手掛ける)が乗り移ったかのような脚本だった。(三谷さん、太田さん、変な表現でごめんなさい)
 やけに登場人物に優しさや義が感じられたので、変なことを感じてしまった。


時政……前話で妻・りくや娘・政子ら北条家の気持ちを思いやり、頼朝に激しく異を唱えてしまった。そのことで隠居したが、りくの京都への思いを叶えることをができなくなり、りくに詫びる
りく……京への復帰は叶わず、不本意な田舎暮らしを強いられるが、時政が自分の為に怒ってくれたことに感謝し、新生活に慣れようと努力する。また、政子の為に亀の居所を聞き出す
頼朝……叔父・行家の要求をきっぱりと道理を言い、拒絶。亀の件では自分に非があると謝る。
 しかし……亀のところへ出向き、政子と鉢合わせ。退散するも八重の下へ、「来てしまいましたぁ!」と欲求の捌け口を求めるが、指を噛まれ、「是非もない……鎌倉へ帰ろう」(「それが宜しいかと」と被せる安達もナイス)
………御台所の心得を厳しく説く(単に男に言い寄るだけかと思ったが、まるで別人)
政子……亀の説教を真摯に受け止め、「あのぅ、さしあたって、何を読めばいいでしょうか?」と教えを乞う
上総広常……鎌倉の現状を冷静に分析(武衛・頼朝の弱みと天賦の才も評価)、義時の苦労も労う
源範頼……真面目、優しい。比企夫婦の娘を利用した懐柔を全く気に留めず立ち去る。誰も取り合わない行家にもにも気を遣う。使者に同行する義経を歓迎

木曽義仲……まさに“義”の男
「源氏が一つになり平家を滅ぼすのが望みだ」
「噂とは、流す者に都合よくできている。惑わされてはならぬ」
「北陸に兵を進めたのは、東海道へ向かえば、頼朝殿や甲斐武田にぶつかるからだ」
(平家と通じていない証に人質を差し出せという要求に)
自分を頼ってきた者を追い出すような真似は出来ぬ……(行家の代わりに)息子でいい


義仲と対照的な行家と甲斐の武田信義
信義「義仲は平家に近づこうとしているという噂。いづれ、この鎌倉に攻め入るとか、来ないとか」 義仲が言うように、自分に都合が良い噂を流す。
この信義を義時は「あの方の言葉に誠はありません」と断じる
行家……何の功もないのに褒賞を要求。受け入れられないと今度は義仲に接近。「逃がした魚は大きいぞ、うぉほほほほ…」(「魚が自分で言うか」と義村の突っ込み)

まだまだ未熟な義経……駄々をこねて義時に使者同行の了解を得るが、色香に惑い、朝寝坊

今話のクライマックス  義時の恋、ついに成就!
 節操のなさ、不実な軽薄さが、邪心しか感じさせない頼朝が、結果的にアシスト!
 頼朝の後に、見返りを求めず、ひたすら八重の幸せを願う義時の思いを示され、八重の心が傾く
(「かつて心を通い合わせた相手が、今も思いを引きずっているなんて、殿方の勝手な思い込み」という八重の言葉……私にも心当たりが(笑))
 でも、前半部分はストーカーそのものだった(笑)


木曽に出向く前
「私は好きなのです………八重さんの笑っている姿が」
「いつか、八重さんの笑いながら、“おかえりなさい”と言ってほしい」

頼朝が退散した後
「ここ(江間)に頼朝を招き入れたとしても、私は構いません」
「幼き頃の思いはずっと変わらない。それを大事にしたい。
 振り向かなくても構わない。背を向けたいのなら、それでもいい。私はその背中に尽くす。
 八重さんの後ろ姿が幸せそうなら、私は満足です」


……ついに八重
「小四郎殿、お役目、ご苦労様でございました
 おかえりなさいませ (にっこり)」



コメディ部分も秀逸だった
読経合戦
京から呼んだ祈祷師……「おまえかぁ(文覚)」(うつむく頼朝)
文覚「この文覚にお任せあれぇい」←「声が大きい!」(安達)
そして、文覚と大声合戦!は大爆笑!(一人で大笑いするのは爆笑とは言わないが、こう表現したくなった)

板東武士(御家人)たちの不平文句合唱
「あいつらの話も聞いてやってくれ」(義村)
「わあわあ、がやがや、喧々諤々、まあまあまあ」
《義仲との源氏内での争いに巻き込まれるのは御免》《亀の焼き討ち騒動の件も許せない》と言う。
「儂らは鎌倉殿の為なら何でもするってわけじゃねえんだよ」と繰り返す岡崎に義村が「それは聞いた」と、すかさず突っ込む
そんな中でも「まあまあまあ」「いささか言い過ぎではござらぬか」と取り成す土肥実平…好きだなあ(私のお気に入り)


梶原景時は、三浦館に集まった者の名を控えておく(千葉、土肥、岡崎、三浦親子、和田、畠山、義時)
抜かりないと言うか、マメと言うか……この覚書、意味があるのか?今後、何らかの意味を持ってくるのか?

今回は喜村と安達の突っ込みが冴えていた

    
第1話「大いなる小競り合い」
第2話「佐殿の腹」
第3話「挙兵は慎重に」
第4話「矢のゆくえ」
第5話「兄との約束」
第6話「悪い知らせ」
第7話「敵か、あるいは」
第8話「いざ、鎌倉」
第9話「決戦前夜」
第10話「根拠なき自信」
第11話「許されざる嘘」
第12話「亀の前事件」

【ストーリー】番組サイトより
政子(小池栄子)が男児を出産し源頼朝(大泉洋)の嫡男誕生に沸く鎌倉であったが、頼朝の浮気が大騒動に発展。激怒した北条時政(坂東彌十郎)は伊豆へと戻り、これを比企家の好機と捉えた能員(佐藤二朗)は源義経(菅田将暉)らに近づく。そんな中、義時(小栗旬)は八重(新垣結衣)のことを一途いちずに思い、鎌倉と江間を往復する日々を送っていた。一方、平家に敗北し再起を図る源行家(杉本哲太)は木曽義仲(青木崇高)を頼り……

脚本:三谷幸喜
演出:吉田照幸
コメント (6)
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