英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

14-15 Wリーグ プレイオフ・ファイナル JX-富士通 第1戦

2015-04-03 00:57:22 | スポーツ
「パッション&プライド」
 ………富士通・テーブスHCがモットーとして挙げた言葉だが、この差が大きく出たゲームだった


 立ち上がり、両チームは厳しいディフェンスでオフェンスにプレッシャーを掛ける。その中で富士通は町田のドライブ&ストップジャンプシュート、篠崎のロングシュート(2P)を決め、5-2と順調な滑り出し(JXは間宮のジャンプシュート)。
 2分30秒、ゲームの流れに影響するプレーが出た。ペイント付近でボールを持った渡嘉敷に対し、富士通ディフェンスが素早く寄り付く。これに対し、渡嘉敷は逆サイドのフリーの岡本にパス。厳しいチェックで苦しい体勢だったが、渡嘉敷ならではの強引なパス。また、フリーの岡本を見逃さない渡嘉敷のセンスの良さも光ったパスだった。
 そんな渡嘉敷のパスだったので、セミファイナル第2戦、3Pシュートが11-1、さらに、この試合も開始直後に外していた岡本だったが、踏ん切りよく3Pシュートを打つことができた。JX5-4富士通。
 岡本の3Pシュートが入るとなると、ディフェンスを渡嘉敷や間宮に集中することができなくなる。この時のディフェンスは、渡嘉敷にダブルチームに行ったが、その前から岡本をオープンにしていた。これは意図的だったのだろうか?
 とはいえ、このプレーだけでディフェンスが崩れたわけではなく、インサイドに入れさせずに間宮にサイドからジャンプシュートをさせる。JXにオフェンスリバウンドを捕られたものの、宮澤によくチェックしてシュートを外させた。
 しかし、次のJXのオフェンスの時、トップの位置の岡本に比較的楽に3Pシュートを打たせ、決められてしまう。JX8-5富士通(3分46秒)。
 さらに、次のJXのオフェンスで、吉田→渡嘉敷のホットラインが機能し、JX10-5富士通(4分20秒)。

 ここにきて、富士通の選手たちに焦りや不安が漂い始めた。
 5-10というスコアは、ダブルスコアだが気にする点差ではない。しかし、
・≪幸先良い立ち上がりをした≫という感触と相反するスコア
・決められると苦しくなる岡本に早くも2本の3Pシュートを決められてしまったこと
・篠原は間宮との1対1を破れずターンオーバー、町田は3Pシュートがエアボールになったこと、長岡はドライブの際にドリブルミス、篠崎はフリースローを1本外したこと、長岡は宮澤にブロックショットをされたこと。

 自分のミスと劣勢のスコアが共鳴し、心に影(不安や焦り)を差し、プレーに迷いを生じさせたのだ。それが端的に表れたのが、次のプレー。

 JX・宮澤のファールで、エンドラインから富士通・町田がスローイン。町田→篠崎→町田→長岡→山本→篠崎→篠原→山本と回し、山本が3Pシュート。
 素早いパス回しのチームオフェンスとも見ることもできるが、それぞれがシュートチャンスを先送りしたようにも見えた。結局、ややフリーという状況での山本の3Pが外れ、リバウンドの競り合い後、ボールを奪った吉田がドリブルで突進し、シュート。ディフェンスのファールをもらい2スロー。JX12-5富士通、4分57秒。
 この後も、どこか消極的で躊躇し、プレーに自分が決めるという意思が感じられなかった。


 ………富士通のバスケットはガタガタになり、崩壊していった。
 第1Q、23-11。前半終了時、51-18。第3Q、65-29。結局、77-51で試合終了(JXが主力を休ませなかったら、どんなスコアになっただろうか)

 このゲーム、≪そんなシュートまで、決まってしまうのか?≫と思わせるほど、JXの選手の出来が良かったこともあるが、それよりも「パッション&プライド」の差が出てしまったように感じる。
 ≪シュートを決めてやる≫≪ボールを奪ってやる≫そんな強い意志がJX選手にはみなぎり、富士通の選手はその意思が希薄だった。(ゲーム終盤は富士通もかなりパッションを取り戻していたように感じた)

 個々のプレーでは
・間宮の1対1のディフェンスが凄かった。シュートブロック4本の他、相手の動きを完全に封じ込めてしまったシーンが何度も見られた。攻めるのが嫌になるようなディフェンスだった(14得点、13リバウンド、4ブロックショット)
・宮澤の攻守の動きも良かった(17点、9リバウンド、3ブロックショット、2スティール)

・渡嘉敷はいつも通り(12得点、7リバウンド、1ブロックショットと渡嘉敷にしては少ないのは、プレイタイムが26分と短かったのと、渡嘉敷が頑張る必要がなかったため)
・吉田は8アシストとまずまずだったが、第2Q以降、プレーが雑になった。プレイタイムが20分と消耗しなかったのは第2戦以降、大きい。
・岡本もシュートタッチが戻ってきたのも、今後に大きい。
・控えでは、大沼が良かった。中村優花も出場すれば活躍できるのではないだろうか?
・吉田のバックアップとして、宮崎が起用されたが、少し≪自分が、自分が≫という意識が強すぎた。新原も相変わらずオフェンスが組み立てられないし、ディフェンスも弱い
・高橋も良くなかった。


 富士通は完全に自分たちのバスケットを見失ってしまった。
 そう言えば、「出だしはまずまず、第1Q途中からガタガタ」という展開は、セミファイナルのトヨタも同様だった。試合終盤での強さも際立つが、これもJXの強さなのであろう。
 トヨタが第2戦で立て直してきたように、富士通も必ず立て直してくるだろう。ただ、敗れるにしても、もう少し吉田を消耗させたかった。



 あと、気になったのは、実況の森中アナウンサーが選手の名前を少なくとも5、6度間違えていたこと。他にも、勘違いによるおかしな実況も何度かあった。しっかり実況して欲しい。 
コメント (11)
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