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英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

第72期名人戦 第3局 羽生3連勝

2014-05-09 21:45:58 | 将棋


 有力と見られていたのは▲6八銀。次の▲5七銀と右銀を活用する準備で、すぐに▲5七銀とするのは△6五桂の両取りが掛かる。
 他の候補手としては▲1六歩、▲3六歩、▲9四歩(△同歩なら▲7二馬で歩を取りに行く)。



…………………森内名人の封じ手は▲5七銀!だった。

 両取りは構いませんという手で、田丸九段だけが候補に挙げていた。
 実際に△6五桂と両取りを掛けると、▲6四馬△同歩▲8二飛の筋が生じ、この対処が難しい。
 羽生三冠は△3二金右と△6五桂を見送る。そこで▲6六銀左と盛り上がるのかと思いきや▲3六歩!

 なるほど、△6五桂は先手は歓迎というわけか。
 この後、△1四歩▲4六歩△4四歩▲1六歩とじりじりしたにらみ合いが続く。
 後手は穴熊を完成させ、端歩も突き▲1五桂の筋もなくし、準備万端となったが、これ以上価値のある手は難しい。対する先手は手に困らない。△6五桂を行くならここだろう。しかし、飛車馬交換後の飛車打ちの手強さは変わっていない。私は、▲3六歩(第1図)とされるのなら、△3二金右では先に△3五歩ではなかったのかと後悔?していたが、ここで4筋の突き合いを利用する手があることに気がつき、まずまずの分かれになるような気がした。

 △4五歩▲同歩△4六歩▲2七飛と味付けをしておき、△6五桂と開戦。

 こうなってみると、封じ手図ですぐに△6五桂とするより、上図の方が自陣も整備されているうえ、先手の2七の飛車と後手の4六の歩の手の交換は技を掛けやすく、随分得しているように感じ。先手の得としては、1歩手に入ったことと、4五の歩の拠点ができたこと。


 先手は狙いの飛車を打ったところ。ここで、△4九角▲2八飛△4七歩成▲8四飛成△5七と▲同金△同桂成▲同香と味付けを活かして金を入手し、

 △8三金と龍を捕獲した。
 後手の意が通っている感触だが、▲8三同龍△同銀▲4四桂と引っ掛けられて見ると、後手の穴熊も思ったより耐久力がない。受けても受けきれない、受けると却って先手の攻めに勢いがつくので、△6七銀と攻め合い勝ちを目指す。

 以下▲3二桂成△7八銀成▲同飛△3二金と互いに相手陣を削る。


 この局面は先手の飛車が戦線から引き、玉飛接近形となり、≪後手がやれるのではないか≫という手ごたえを感じた。
 8三の銀は遊んでいるようでも、先手玉の上部の押さえになりそうだ。

 話が少し戻るが、疑問なのは、第5図では▲6七同金△同角成▲6八金(変化図)と強く受ける手はなかったのか?

 (いえ、こう指せばよかったというのではなく、私がどう指せばいいのかわからないだけです)

 第6図より▲4一銀△3一金▲3二金と絡みついたが、ここで△4一金とするのが受けの手筋で、▲4一同金が逆方向に誘導されるのが痛い。しかも、手番は後手。はっきり、『後手の手勝ち』になった気がした。
 このまま快勝かと思われたが、勝ち切るのでは容易ではない。相手は森内名人、最善の受けで食い下がる。

 直感的には≪これで後手の勝ちのはず≫だが、読み切るのは大変。


 直前の詰めろと思われる△8五歩に▲3二金と必至を掛けた局面。
 簡単に詰むだろうと思ったが、なかなか難解。


 この龍切りが決め手。


 投了図。この飛車打ちが見えれば、以下は簡単な詰み。

 ざっと、観たままの感想を並べたが、見当違いなことを言っているような気もする。
 感想戦や『週刊将棋』の観戦記を待ちたい。
コメント (16)
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