今年は『将棋界の一番長い日』の放送が、スカパーに移行したので、「2週間お試し体験」の手続きをして視聴。(せこい)
5対局を完全生放送とはすごい。金曜日は忙しいので、メインチャンネル(囲碁将棋チャンネル)を録画して追っかけ再生と、ネット中継を併用して観戦。本当は、リアルタイムで生の映像を観たほうが臨場感を味わえるが、時間の制約があるので仕方がない。それでも、十分に楽しめた。
解説陣は森内名人、藤井九段、木村八段、先崎八段(もうすぐ九段)、中村(太)六段、と充実のメンバー。
木村八段の軽妙でサービス精神にあふれた解説(トーク)はおもしろく、藤井九段の対局にまつわる突っ込んだ本音も楽しめた。
聞き手も上田女王、矢内女流四段、鈴木女流二段、藤田女流初段、室谷女流初段と聞き手のツボを心得たメンバー。
経験のない若手や棋力が不足気味の聞き手だと、解説の意味を理解するのに時間がかかったり、解説者の意図が読めなかったりということが多い。特にストレスがたまるのは、以前も書いたことがあるが、張り切り過ぎて解説者の言葉をさらに自分の言葉に変換して繰り返してしまう聞き手。解説が二重になり、解説者も視聴者のテンポも悪くなってしまう。
二重解説の傾向が強いのが、過去二度(その1、その2)、批判の記事を書いたことがあるN女流1級(例に挙げるのは、申し訳ないがやはり気になる)。先日も銀河戦でN女流が聞き手の対局を観たが、聞き手の質はそれほど変わっていなかった。
銀河戦を始め、囲碁将棋チャンネルでは、いろいろな棋戦の解説番組があり、N女流の他にも、同様な傾向が見られる若手女流棋士が多い。若さゆえの一生懸命がそうさせるのかもしれない。
今回の聞き手の中では、室谷女流が若干気になる。才女であるが故、自分を出しすぎる傾向があるように感じた。
さて(と言うか「ようやく」)、将棋の方はと言うと、「A級順位戦 8回戦の結果と最終局の予想」の記事のコメントのレスで、午後5時時点で次のような感想を述べている。
△三浦 弘行八段(6勝2敗)-▲高橋 道雄九段(2勝6敗) この将棋は、もう少し進まないと分かりません。
▲渡辺 明 竜王(5勝3敗)-△郷田 真隆棋王(5勝3敗) 後手の郷田棋王が、先手の攻めを顔面から受ける戦型を選びましたが、3時間を超す長考は、何か誤算があったのでしょうか?
局面の是非は分かりませんが、この長考が、終盤の時間切迫と疲労を招きそうです。
△佐藤 康光王将(4勝4敗)-▲深浦 康市九段(3勝5敗) 佐藤王将の方が模様が良さそうです。
▲屋敷 伸之九段(4勝4敗)-△谷川 浩司九段(2勝6敗) 右桂が働きそうな分、屋敷九段の方が良さそうです。
その後の展開は、
△羽生 善治三冠(7勝1敗)-▲橋本 崇載八段(2勝6敗)
将棋の流れは変わらず、羽生三冠が橋本八段の攻め駒を封じ込めながら、徐々に盤面全体を支配していき、中押し勝ち。(22時11分)
橋本八段、無念の降級。
藤井九段が指摘していたが、A級になると対局数が減る。予選が免除されるので、当たる相手は手強い相手ばかり。今期、5月から7月にかけて連敗したのが痛かった。負けることで勝負勘が狂い、対局がつかないことでそれが回復せず、その状態で対局に向かうといった悪循環が働いたのではないだろうか。
▲渡辺 明 竜王(5勝3敗)-△郷田 真隆棋王(5勝3敗)
一方的に攻められる定跡を選び、王手を掛けられた状態で3時間を超える大長考。長考派の郷田棋王が序盤、猛スピードの指し手だったので、研究範囲だったと思われるが、大長考は何か誤算があったのだろうか。
長考による、持ち時間の消費と思考力の消耗で、郷田棋王が自滅敗局の道へまっしぐらと思ったら、渡辺竜王の攻めが失速。あっという間に敗勢に転落。郷田棋王の勝ち(23時16分)
郷田棋王の大長考までは研究・定跡の確認作業。大長考中も頭脳は休息状態だったと思われ、渡辺竜王は勝負所でうまく頭脳の活性化の切り替えができなかったのかもしれない。
▲屋敷 伸之九段(4勝4敗)-△谷川 浩司九段(2勝6敗)
谷川九段が作戦負けの局面から、捌き合いになり作戦負けが関係ない将棋になるかと思われたが、角の逃げ場所を間違え、その角が捕獲され、その角によって両金取りを掛けられる苦しい展開。
と金作りや飛車の成り込み、執念の金打ちなど、何とか踏みとどまっていたが、屋敷九段の冷静な指し回しが光り、0時12分、谷川九段、投了。
高橋九段が勝つとA級陥落という大ピンチに。
△佐藤 康光王将(4勝4敗)-▲深浦 康市九段(3勝5敗)
大乱戦の出だしが、一転じっくりした展開になったが、深浦九段が左翼に銀冠を構築したが、玉がその居城に入ることなく居玉のまま戦いが始まっては苦しい。
手勝ちの情勢から、そのまま、佐藤王将がしっかり勝ち切った。0時33分。
敗れた深浦九段は、過去三度の悪夢が蘇ったことだろう。しかし、谷川九段が敗れた時点で残留は決定していた。来年度はもっとのびのび指せるのではないだろうか。
個人的には、『将棋世界』の予想クイズで2局とも深浦勝ちを予想したが、裏切られてしまった。過去3期、そして今期と終盤戦の不甲斐なさを、来棋は克服するのだろうか。
△三浦 弘行八段(6勝2敗)-▲高橋 道雄九段(2勝6敗)
あまり解説を見なかったせいか、この将棋はよく分からない。
三浦八段が優勢だと思っていたが、終盤は高橋九段に勝ちがあったようだ。自玉に詰みがない高橋九段が詰めろをかければ勝ちという局面で受けに回り、逆転。
0時55分、高橋九段、投了。高橋九段の降級が決定した。
私のイメージとしては、三浦八段は終盤、常に93点以上の手を指す。高橋九段は時折85点の手を指す。終盤、一手違いの局面になれば、最後には三浦八段が勝つ。そんな気がしていた。
高橋九段は、2年前、最終局で藤井九段の角2枚を封じ込めたような、中盤の強さが発揮できなかった。
今回は将棋内容はイマイチだったかなあ。前期、前々期は久保九段が執念の終盤に感動したが……
私のクイズ予想は、深浦九段の2局と、渡辺-郷田戦が外れた。私としては、まずまずかもしれない。
5対局を完全生放送とはすごい。金曜日は忙しいので、メインチャンネル(囲碁将棋チャンネル)を録画して追っかけ再生と、ネット中継を併用して観戦。本当は、リアルタイムで生の映像を観たほうが臨場感を味わえるが、時間の制約があるので仕方がない。それでも、十分に楽しめた。
解説陣は森内名人、藤井九段、木村八段、先崎八段(もうすぐ九段)、中村(太)六段、と充実のメンバー。
木村八段の軽妙でサービス精神にあふれた解説(トーク)はおもしろく、藤井九段の対局にまつわる突っ込んだ本音も楽しめた。
聞き手も上田女王、矢内女流四段、鈴木女流二段、藤田女流初段、室谷女流初段と聞き手のツボを心得たメンバー。
経験のない若手や棋力が不足気味の聞き手だと、解説の意味を理解するのに時間がかかったり、解説者の意図が読めなかったりということが多い。特にストレスがたまるのは、以前も書いたことがあるが、張り切り過ぎて解説者の言葉をさらに自分の言葉に変換して繰り返してしまう聞き手。解説が二重になり、解説者も視聴者のテンポも悪くなってしまう。
二重解説の傾向が強いのが、過去二度(その1、その2)、批判の記事を書いたことがあるN女流1級(例に挙げるのは、申し訳ないがやはり気になる)。先日も銀河戦でN女流が聞き手の対局を観たが、聞き手の質はそれほど変わっていなかった。
銀河戦を始め、囲碁将棋チャンネルでは、いろいろな棋戦の解説番組があり、N女流の他にも、同様な傾向が見られる若手女流棋士が多い。若さゆえの一生懸命がそうさせるのかもしれない。
今回の聞き手の中では、室谷女流が若干気になる。才女であるが故、自分を出しすぎる傾向があるように感じた。
さて(と言うか「ようやく」)、将棋の方はと言うと、「A級順位戦 8回戦の結果と最終局の予想」の記事のコメントのレスで、午後5時時点で次のような感想を述べている。
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△羽生 善治三冠(7勝1敗)-▲橋本 崇載八段(2勝6敗)は、羽生三冠が橋本陣を飛車ごと押しつぶしそうな気配。△三浦 弘行八段(6勝2敗)-▲高橋 道雄九段(2勝6敗) この将棋は、もう少し進まないと分かりません。
▲渡辺 明 竜王(5勝3敗)-△郷田 真隆棋王(5勝3敗) 後手の郷田棋王が、先手の攻めを顔面から受ける戦型を選びましたが、3時間を超す長考は、何か誤算があったのでしょうか?
局面の是非は分かりませんが、この長考が、終盤の時間切迫と疲労を招きそうです。
△佐藤 康光王将(4勝4敗)-▲深浦 康市九段(3勝5敗) 佐藤王将の方が模様が良さそうです。
▲屋敷 伸之九段(4勝4敗)-△谷川 浩司九段(2勝6敗) 右桂が働きそうな分、屋敷九段の方が良さそうです。
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その後の展開は、
△羽生 善治三冠(7勝1敗)-▲橋本 崇載八段(2勝6敗)
将棋の流れは変わらず、羽生三冠が橋本八段の攻め駒を封じ込めながら、徐々に盤面全体を支配していき、中押し勝ち。(22時11分)
橋本八段、無念の降級。
藤井九段が指摘していたが、A級になると対局数が減る。予選が免除されるので、当たる相手は手強い相手ばかり。今期、5月から7月にかけて連敗したのが痛かった。負けることで勝負勘が狂い、対局がつかないことでそれが回復せず、その状態で対局に向かうといった悪循環が働いたのではないだろうか。
▲渡辺 明 竜王(5勝3敗)-△郷田 真隆棋王(5勝3敗)
一方的に攻められる定跡を選び、王手を掛けられた状態で3時間を超える大長考。長考派の郷田棋王が序盤、猛スピードの指し手だったので、研究範囲だったと思われるが、大長考は何か誤算があったのだろうか。
長考による、持ち時間の消費と思考力の消耗で、郷田棋王が自滅敗局の道へまっしぐらと思ったら、渡辺竜王の攻めが失速。あっという間に敗勢に転落。郷田棋王の勝ち(23時16分)
郷田棋王の大長考までは研究・定跡の確認作業。大長考中も頭脳は休息状態だったと思われ、渡辺竜王は勝負所でうまく頭脳の活性化の切り替えができなかったのかもしれない。
▲屋敷 伸之九段(4勝4敗)-△谷川 浩司九段(2勝6敗)
谷川九段が作戦負けの局面から、捌き合いになり作戦負けが関係ない将棋になるかと思われたが、角の逃げ場所を間違え、その角が捕獲され、その角によって両金取りを掛けられる苦しい展開。
と金作りや飛車の成り込み、執念の金打ちなど、何とか踏みとどまっていたが、屋敷九段の冷静な指し回しが光り、0時12分、谷川九段、投了。
高橋九段が勝つとA級陥落という大ピンチに。
△佐藤 康光王将(4勝4敗)-▲深浦 康市九段(3勝5敗)
大乱戦の出だしが、一転じっくりした展開になったが、深浦九段が左翼に銀冠を構築したが、玉がその居城に入ることなく居玉のまま戦いが始まっては苦しい。
手勝ちの情勢から、そのまま、佐藤王将がしっかり勝ち切った。0時33分。
敗れた深浦九段は、過去三度の悪夢が蘇ったことだろう。しかし、谷川九段が敗れた時点で残留は決定していた。来年度はもっとのびのび指せるのではないだろうか。
個人的には、『将棋世界』の予想クイズで2局とも深浦勝ちを予想したが、裏切られてしまった。過去3期、そして今期と終盤戦の不甲斐なさを、来棋は克服するのだろうか。
△三浦 弘行八段(6勝2敗)-▲高橋 道雄九段(2勝6敗)
あまり解説を見なかったせいか、この将棋はよく分からない。
三浦八段が優勢だと思っていたが、終盤は高橋九段に勝ちがあったようだ。自玉に詰みがない高橋九段が詰めろをかければ勝ちという局面で受けに回り、逆転。
0時55分、高橋九段、投了。高橋九段の降級が決定した。
私のイメージとしては、三浦八段は終盤、常に93点以上の手を指す。高橋九段は時折85点の手を指す。終盤、一手違いの局面になれば、最後には三浦八段が勝つ。そんな気がしていた。
高橋九段は、2年前、最終局で藤井九段の角2枚を封じ込めたような、中盤の強さが発揮できなかった。
今回は将棋内容はイマイチだったかなあ。前期、前々期は久保九段が執念の終盤に感動したが……
私のクイズ予想は、深浦九段の2局と、渡辺-郷田戦が外れた。私としては、まずまずかもしれない。