カンボジア経済

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新型コロナ カンボジアの状況 2023年4月30日 日本もようやく水際規制撤廃

2023年05月02日 | 経済
 カンボジアの新型コロナウイルスの感染状況は、感染が始まった2020年は低レベルでしたが、2021年2月から急増しました。発端は、陽性だった中国人女性が賄賂を使って隔離を脱走し、クラブ等で感染を拡大したという悪質なケースでした。2月20日市中感染事件と呼ばれるこの事件以降、感染が急拡大しました。このため、2021年4月15日からプノンペン等でのロックダウンが始まりました。その後、ワクチン接種の進展とともに感染は落ち着き始め、9月末から段階的に経済の再開が進められ、12月にはほぼ正常に戻っていました。2022年に入り、オミクロン変異株の登場で、感染者数は増加に転じましたが、5月には落ち着き、死者数、新規陽性者数ともに低レベルとなりました。9月以降は、陽性者数は減少し、10月~2023年4月には新規陽性者ゼロの日も増えています。
 5月1日のカンボジア保健省の発表によれば、4月末現在の死者は累計3056名(3月31日からゼロ名増)です。累計陽性者数は13万8733名(同8名増)となっています。死者数は、ここ12カ月間ほどはゼロが続いています。陽性者数も2022年7月以降一日数名~50名前後で推移しています。なお、PCR検査数が大幅に減少していることもあり、新規陽性者の数字の正確性については議論のあるところです。
 新型コロナ対策成功の要因となったのは、早期のワクチン接種であったと見られます。世界的に見ても早いペースで接種が進んでおり、既に、3歳以上~成人については2回接種をほぼ完了していると言ってもよい状況と見られます。4月30日現在で、1528万5197人への第1回接種を完了しています。これは、カンボジアの人口(約1600万人)の95.5%に相当します。成人(18歳以上約1000万人)への接種について見ると、既に目標の103.9%に第1回接種を、100.6%に2回目を完了しています。ブースター接種(3回目)も実施が進められ、1063万992人(うち成人699万257人)が接種を完了しています。第4回・第5回・第6回の接種も進められています。
4月19日、フン・セン首相は、全てのマスク着用規制、多数の人が集まるイベントでのラピッドテスト等の規制を撤廃すると発表しました。4月13日~15日のクメール正月で多くの人出があったにもかかわらず、感染がほとんど起きなかったことを勘案して決定したとしています。
 4月28日、日本政府は、4月29日から水際規制を緩和し、全ての入国者に対して、「出国前72時間以内に受けた検査の陰性証明書」及び「ワクチンの接種証明書(3回)」のいずれも提出を求めないと決定しました。なお、有症状の入国者に対して現在実施している入国時検査及び新型コロナウイルス感染症陽性判明時における施設等での療養は5月8日まで継続し、それ以降は感染症ゲノムサーベイランスを開始するとしています。日本政府の水際規制は、多くの入国者に、効果のないことに税金を費やしている、手続きが非効率に過ぎる等との批判を浴びていましたが、ようやく是正されることとなりました。なお、この変更に伴い、アプリ「Visit Japan Web」については、「検疫手続(ファストトラック)」ボタンが削除され、検疫関係の登録等が不要となっています。
 カンボジアでは、マスク着用義務も解除され、「アフターコロナ」と言っても良い雰囲気となっています。カンボジアへの外国人観光客数は激減していましたが、最近は西洋系の観光客をかなり見かけるようになっています。ワクチン接種への積極的な取り組みと「ウィズコロナ」の規制緩和が非常にうまくいったものと見られ、今後の経済回復が期待される状況です。
(写真は、クメール正月のプノンペン・ワットプノン。AKPより)



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