カンボジア経済

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金融セクター 今年の貸付 伸び悩む予想 

2023年09月15日 | 経済
 8月24日、メコン・ストラテジック・キャピタル社は、「カンボジアの金融セクターの概要」を発表しました。報告書では、2022年の注目点、規模が決める収益、継続する貸し付けの伸び、流動性の引き締まり傾向等について分析されています。
 注目点としては、2022年は世界経済が厳しさを増す中でカンボジアの金融セクターは健闘し、貸付を伸ばしたとしています。他方、世界的な金融引き締め等により流動性が引き締まる中で資金コスト等が上昇しつつあり、2023年もコスト面では厳しい状況が続いているとしています。銀行別では、支店数やATM数が多い銀行が業績を伸ばしていると分析しています。
 貸付の伸びについては、2022年は17%程度でしたが、2023年は一桁台で伸び悩むとしています。しかし、2024年には再び二桁台に回復すると予想しています。不良債権比率は、2022年末には3.1%にまで上昇していますが、2023年末には5%程度まで悪化する可能性もあると指摘しました、ただ、2024年には低下してくるものと予想しています。セクター別の不良債権では、不動産向けは2.9%と思ったほど高くないのに対し、新型コロナの影響を受けたホテル・レストラン等は10.7%と高い数字となっています。
 不良債権比率の上昇や資金コストの上昇は懸念材料ではありますが、カンボジアの金融セクターは、中央銀行であるカンボジア国立銀行(NBC)の監督や規制によって健全性を維持してきています。カンボジアの金融セクターは、今後も発展を続けていくものと見られますが、不良債権比率等の健全性指標について、引き続き留意していく必要があるものと見られます。

メコン・ストラテジック・キャピタル社の発表(英文です)
https://www.mekongstrategic.com/post/scale-measuring-what-matters


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