カンボジア経済

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2024年上半期 交通事故による死亡者数増加 793名

2024年07月25日 | 社会・風土
 国家交通安全委員会によりますと、2024年上半期(1~6月)の交通事故件数は2023年上半期の1548件から0.9%減の1534件、死亡者は2023年上半期の756人から4.9%増の793人、負傷者は2023年上半期の2072人から2.1%増の2116人となりました。なお、届出されていない事故や負傷も多数あるものと見られます。
 新型コロナの影響で交通量が減ったことと、2020年5月から交通違反罰則金を大幅に引き上げる等の交通法規の厳格化がなされたこと等から、2020年~2021年は交通事故が減少していましたが、2022年・2023年は再び増加に転じていました。2024年上半期は、交通事故件数は減少となったものの、死傷者数は増加しており、今後の推移に留意が必要なものと見られます。
 交通事故の主な原因としては、スピード違反(40%)、無理な追越し(24%)のほか、未熟運転・無謀運転・不注意運転や飲酒運転等が挙げられています。また、事故の49%がオートバイに責任があるもので、死者の79%がヘルメット不着用であったと指摘されています。
 日本国内における2023年中の交通事故による死者数は2668人です。車の台数等を考えると、カンボジアでは日本と比較して約100倍も死亡事故が発生していると言われます。
 交通事故は、カンボジアにとって重大な問題となりつつあります。カンボジア政府も取り組みを進めており、フン・マネット首相は、1月23日にカンボジアの交通事故で大きな原因となっている飲酒運転の取り締まり強化・アルコール飲料の広告規制強化等を表明しています。また、富裕層に有利と言われ、国民の怨嗟を招いている交通事故関連裁判についても迅速化を図る方針です。この他、交通事故を起こした違反者の資産差し押さえ等も強化される見込みです。
 カンボジアでは、交通安全教育や交通インフラにおける安全対策等によって、交通事故を減らしていく努力が引き続き必要とみられます。また、海外からの支援についても、今のところ交通安全対策は重点となっているとは言い難いところがあるため、ドナー各国や国際機関にその重要性を訴えていく努力も必要と見られます。特に、交通事故死亡者数を大幅に減らしてきた日本のノウハウをカンボジアで活かす機会も十分にあるものと見られます。
(写真は、プノンペンポスト紙より)


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