カンボジア経済

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お米の増産に向けて

2008年07月08日 | 経済
 バッタンバンでのJICA農業専門家の皆さんの活動を見学しました。
 まずは、良い籾を選ぶための「塩水撰」です。これは、比重1.1程度の塩水に籾を沈めて、浮かんでくる軽い籾(中身が薄い)を排除して、沈んだ良い籾のみを使うようにするものです(写真下)。また、同時に、60℃のお湯で籾を消毒する作業もしています。こうして、良い籾を選んで使うことで、収量がぐっと増加するとのことです。
 次は、田植えです。ここでは、直播が多いのですが、やはり田植えをしたほうが、収量が多いので、苗代の作り方や田植えのやり方、肥料の使い方等を研究・指導されています。また、そのやり方を農家の方々にわかって頂くための指導巡回や掲示板(写真上)設置も行われています。
 これらの活動の結果、昨年は最高で4.5トン/haという収量を上げることができたそうです(カンボジアでは、普通2.5トン/ha。日本では6トン/ha。)。
 更には、バッタンバン米というブランドを確立するために、美味しい米(推奨米)選定、品質認証制度、精米業者との連携等に努力されています。
 詳細は、JICAのホームページ「バッタンバン農村地域振興開発計画プロジェクト(略称BRAND)」をご覧ください。
http://project.jica.go.jp/cambodia/0601400/

「塩水撰1」 まず、生卵を用意します。卵の比重は1.1ほどなので塩水の濃さを決める基準とするためです。


「塩水撰2」 水(ちょっと泥水ですが)に塩を入れて、卵がちょうど浮いてくる濃さにします。これで比重1.1の塩水ができます。農家にあるものを使って、比重まで調整するのは、グッドアイデアです。


「塩水撰3」 比重1.1の塩水に籾を入れて、浮いてくる軽い籾は取り除きます。沈んだ良質の籾だけを蒔くことで収量の増加に繋がります。


JICA農業専門家指導による苗代です。すかすかに見えますが、これが工夫で、2m×5mに500グラムの籾ですみますし、間隔があくことで、1本1本も良く育つとのことです。


コメント
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