Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

ZEISSの空気96. 小説:小樽の翆120. 不良スタイルのマサヒロ先生

2020年06月18日 | Sensual novel

 

 今日も翆は日勤。

市場で夕飯のおかずでも買ってきて、翆にいわれていたので中央市場まで散策。

おおっ、駅前でマサヒロ君夫婦に出会った。おっ! 、なんでここにいるんか・・・。

マサヒロ「今日は休日だよ!」

あっ、そうか看護師の翆と暮らしているから全然曜日の感覚がなかった。ほならお茶しようか。

マサヒロ君は翆が高校生の頃に生んだ私生児だし、マサヒロ君の奥さんの茉莉さんは目下高校生で、今年の初めに第一子を産んだばかりだ。

あら、奥さん躯の体型が元に戻ったじゃん。

茉莉「うん、子供はマサヒロのひいお爺ちゃん達に預けて高校に復学したの。そこで部活ね・・・。バレーボールで鍛えているの・・・」

ママさんバレーか・・・

茉莉「うっ、古っ!」

マサヒロ「おじさん、今度ねぇー、札幌の美大で非常勤講師をしてくれって、展覧会の時に美大の先生に誘われてんの。どうしようかなあ。だって教える学生は、みんな僕より歳が上なんだよ・・・。それに俺、大学でてないよ・・・・」

そんなの関係ないよ。実力があればいいじゃん。じゃあさ、大人びた格好して教えにゆく。そうだグラサンしてけばいいよ。どうせ非常勤だからお気楽だよ。学生達を教えるポイントは簡単。最初に黒板に、さらさらとスケッチ描いてやれば、学生達はすげえ!、と思ってついてくるさ。

マサヒロ「じゃぁ、グラサンして教えにゆきますかぁー・・・・」

・・・・・

 この話には後日談があって、マサヒロ君がグラサンして不良っぽい雰囲気で美大へ出向き、学生達からはヤクザが来たと大いに警戒され、そして学生達を正面において眼前のスケッチブックに薔薇のスケッチを逆さまにさらさらと描いたら学生達の驚愕を一気にあつめ、以後慕われている。ここまではアチキのシナリオ通り。

あるとき高校帰りの奥さんの茉莉さんが大学のデッサン室をのぞきにいったわけ。でっ、親しく奥さんと会話をしていたの。

マサヒロ「大学はお金がないっていうから、お前が裸婦のモデルやれよぉー」

茉莉「いいよ、格安モデルだねい」

そんな様子を学生達が聞いていて・・・。

学生「先生、やっぱヤクザですねぇー、やることが違う!、罪だなぁー高校生を口説いたのぉーーー」とからかうから・・・

マサヒロ「うちの、上さん、子持ち・・・」

学生達「・・・・***×△○×○-*/*□*****・・・」

学生達の眼が点になっていたという話を聞いた。以来不良スタイルのマサヒロ先生は、学生達から実力者として認められ、そして年齢不詳の人気者になっている。

 

小樽駅前

SONYα6600、E18-135mm/F4.0 OSS

ISO6400,焦点距離135mm,露出補正0,f/36,1/20

コメント
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