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フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

番外編443. 新型コロナウィルス12. データ編

2020年06月10日 | analysis

 

 いやな執筆をしておこう。

 というのも厚生労働省のHPから感染者に関するデータを手入力で私のExcelに書き写し、そして検算、作表・作図するという、実に面倒くさい作業だからだ。こんなの厚労省のHPからExcelデータでダウンロードできれば実に簡単だったのだが。なによりも時系列で推移傾向を把握するためには、こうするほかないから、しかたなくやった。もう面倒くさい限り。

 さて採取したデータは、感染者数累計値、入院患者数、及び世界の感染者数累計値の3データの時系列推移である。これからメディアが報道している1日の感染者発生数や増減比率など、いくつかの基本的な指標は導き出せる。といってこのデータでは多変量解析などに使える性格ではないので、私にとっては退屈なデータ収集だった。

 さて表1は1月29日〜6月7日間の政令指定都市がある16都道府県別感染者数累計値のデータである。1月29日に2人の感染者が発生したのが最初である。2月14日から感染者数が増加し始めている。とんだバレンタインデー・プレゼントだったか。2月25日頃、北海道でクラスター感染が発生するほか、東京、神奈川、愛知、福岡でもクラスター感染が発生した。これを第一波とすると、中国武漢ウィルスがクルーズ船、武漢からの帰国者のチャーター便などによって我が国に新型コロナウィルスが持ち込まれたことがわかる。

 中国武漢が都市封鎖された1月23日。クルーズ船乗船客を除けば、当時我が国に感染者はいなかった。その頃中国も海外渡航禁止になったので一斉に日本の街から中国人が消えたわけである。

 続いて第2波の感染が始まる。3月24日以降全国的に感染が拡大するとともに、東京や大阪の感染者数が大きく増加に転じてゆく。これは3月10日以降ヨーロッパ各国で都市封鎖を始めたので、これにともない急遽帰国した数多くの日本人が欧米で感染し持ち込んできたものである。帰国者は全国に及ぶので感染が全国へ拡大するのに時間はかからなかった。空港の検疫を強化した頃は、すでに時遅かった。

 そんなことが、この時系列推移のデータからわかる。私がブログで論じた論拠は、このデータにある。それは一見数値の羅列だが興味深い意味を潜めていたのである。

表1.政令指定都市を有する都道府県別感染者数累計値の推移(単位:人)

 

 表1の数値をグラフ化したのが、図1である。累計値であるから、推移が水平になれば感染者の増加は0値が続くことになる。政令指定都市を要する都道府県の多くが水平を維持している。しかし北海道、東京、神奈川、福岡が僅かに増加傾向を続けており、特に東京はまだ感染が終息していない状況だとみられる。東京アラートが出されている証左だろう。

 当然今後の2次感染も予想されるが、今はまだその時期ではなさそうだということはわかる。

 2次感染は、6月19日以降の全国への移動が解禁され、そして今後海外への渡航が解禁された頃から、また始まるだろうと予測している。つまり人の移動によって感染も再来するわけだ。人から人への感染であり、特に潜伏期後半から感染が始まっているので、それは本人自身も発症しておらず感染したかどうかもわからない状況で、感染してゆくことになる。全く難儀なウィルスである。

 感染は、海外からもたらされる。それははっきりしているが何十万人の人間を全て2週間足止めをして、感染を阻止することは物理的に不可能だ。そこが悩ましいところでもある。

 

図1.政令指定都市を有する都道府県別感染者数累計値の推移(単位:人)

 

データ依拠:厚生労働省WEBサイト、新型コロナウィルス感染症の状況と厚生労働省の対応について

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00086.html

 

京都市東山区

EOS1DsMark3、Canon EF50mm/F2.0

ISO800,焦点距離50mm,露出補正-0.33,f/11,1/8000

 

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