福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

サッポロSNOWY

2009-06-12 12:32:09 | 四季折々

よさこいソーラン祭りは、予定通り開催されるとのこと。こんな時だからこそ思い出してみたい、札幌の雪景色。

お昼休みに、隣の研究室のA先生と雑談。何年か前の紅白歌合戦で、中島みゆきが黒部ダムの地下トンネル構内で歌っていた。その姿が圧巻であったという話に盛り上がる。今度は、北大キャンパスから中継で、「サッポロSNOWY」を歌って欲しいもの。このアイデア、いかがでしょうか、A先生!

?大陸からの強い寒気が下がって 今夜半 冷え込みます
 夕方遅く 降りだした雪は 明日もかなり強く降るでしょう
 昨日ついた足跡も みんなみんな包んで

 

 吹雪の海で 迷っている漁船から 無線は強気な駄酒落
 氷の国の人は 涙のかわりに 負けん気なジョークを言う
 昨日あった出来事も みんなみんな包んで?

 (中島みゆき作詞作曲『サッポロSNOWY』より)
 


初志貫徹

2009-06-12 08:49:00 | 大学院時代をどう過ごすか

ある志を抱いて大学に入学した学生たち。どれくらいの割合の学生が、その志を抜くことができるのだろうか? もし、初志貫徹ができたとするならば、その人はとても幸福感に満ちているに違いありません。

私などは、志がコロコロ変わってしまう人生を歩んで来たように思う。初志貫徹できないのは、意志が弱いのかもしれないし、見通しが甘かったのかもしれない。

『ある生物』の研究がしたいと大学に入学してきたAさん。そう、Aさんに初めて出会ったのはもう12年前。私にとっては、大学の教壇に初めて立って、学部1年生向けの専門講義の初回のとき。双方向授業にしたいと、張り切って臨んだのだが、一番後ろに座っていたAさんに質問すると、Aさんは沈黙のまま。繰り返し質問しても、チ・ン・モ・ク。やはり、ひどい授業だったのだろうかと、授業を終えた後、研究室へ戻る足取りは海の底へ沈み込むように重かった。

そのAさんが、卒業研究で私の研究室を選びたいとのこと。1年生の時の授業での記憶がよみがえり、正直なところ、「????」であった。ご本人から『ある生物』の生態研究への強い意欲が感じられたので、私にとっては門外漢の分野へ一緒に挑戦することとした。既存のデータが全くと言っていいほどなかったので、データベースを一から作成した。8年間の不断の努力を重ね、ようやく、当該分野の第一人者にまで成長したAさん。

本日、Aさんが、いろいろな意味で、新たなフェーズを歩むことになり、札幌の地を去る。後輩のBさんから感謝の意を込めて、花束贈呈。

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私もAさんを見習って、低温研赴任時の初志を貫徹すべく、新たなフェーズへピョーン。

そう言えば、『チェンジング・ブルー』の第9章(219頁)の冒頭に、アインシュタインの言葉が紹介されています。

  

  私は天才ではない。
  ただ、人より長く一つのことと付き合っていただけです。
       アルバート・アインシュタイン