福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

角田越え

2009-06-02 12:54:27 | 旅行記

今月のJAL機内エンターテイメントチャンネルは、秋元康による『アイドル進化論』。天地真理の『恋する夏の日』で始まり、桜田淳子、山口百恵、おニャン子クラブらを経て、AKB48に至る、その時代ごとのアイドルが登場。そして、プログラムの最後は、小泉今日子の『なんてたってアイドル』で締めくくり。

1970年代中頃のアイドルと言えば、花の中三トリオ(森昌子、桜田淳子、山口百恵)です。余談ですが、花の中三トリオの影に隠れて人気に至らなかった歌手が、石川さゆり(デビュー曲は『かくれんぼ』)です。彼女は、しばらくして、「津軽海峡・冬景色」や「天城越え」などのヒット曲を世に送り出しています。

さて、機内でうつらうつらしながら、山口百恵の曲がかかり始めた頃、窓の外を眺めてみると、日本海沿いに角田山(新潟県)をまさに越えようとしているところでした。

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写真中央には、砂丘湖である佐潟。ここは、白鳥などの水鳥の飛来地として知られ、ラムサール条約に登録されています。

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佐潟の湖畔に立てば、むこうは角田山。標高481.7mの低山で、約1時間半の登りで頂上へ。

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春から夏にかけて、潟には水草が繁茂。ここは、ハス群落。

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そして、ヒシ群落。他にも、オニバスの群落もあります。

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水深が1m程度で浅く、調査は手漕ぎボートです。

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この佐潟で、卒業研究を行ったのですが、その結果をまとめた論文が下記の通り。私にとっては、初めての査読付き投稿論文です。短い論文で、しかも、国内の雑誌ですが、雑誌に掲載された時はとれも嬉しい気持ちになりました。

Manabu Fukui and Haruo Fukuhara. Colony formation on agar plates by sulfate-reducing bacteria in water and sediment of lake.  Bulletin of Japanese Society of Microbial Ecology 1: 75-78. 1986.

この研究は、その後進み、下記の成果が得られました。

Manabu Fukui and Susumu Takii. Kinetics of colony formation by sulfate-reducing bacteria.  Bulletin of Japanese Society of Microbial Ecology 3: 67-71. 1989.

Manabu Fukui and Susumu Takii. Colony formation of free-living and particle associated sulfate-reducing bacteria. FEMS Microbiology Ecology 73: 85-90. 1990.

Manabu Fukui and Susumu Takii.  Kinetics of sulfate respiration by free-living and particle-associating sulfate-reducing bacteria.  FEMS Microbiology Ecology 13: 241-248. 1994.

ということで、学部の卒業研究から発展して、研究者の道を歩むことになったのですが、、、、。「少年老い易く、学成り難し」で、更なる自己研鑽が必要であると痛切に思うこの頃です。まさに自分自身との戦いの毎日です。