C.Q. C.Q.・・・・・ C.Q. C.Q.・・・・・
C.Q. C.Q.・・・・・ C.Q. C.Q.・・・・・
C.Q. C.Q.・・・・・ C.Q. C.Q.・・・・・
C.Q. C.Q.・・・・・ C.Q. C.Q.・・・・・
だれかいますか だれかいますか だれかいますか どこかには
だれかいますか 生きていますか 聞こえていますか
C.Q. C.Q.・・・・・ C.Q. C.Q.・・・・・
C.Q. C.Q.・・・・・ C.Q. C.Q.・・・・・
送ってみる 送ってみる あてのない呼びかけを
耳をすます 耳をすます あてのない空へ
(中島みゆき『C.Q.』より)
今日は、C.Q.を一度も送ったことのない無線局長さんの話題です。
その方は、行政系の国立研究所に勤めていた頃、ミッション型の研究開発を行っていました。10年程勤務した後、大学の理学部のセンセイに転職したのですが、研究テーマも一新することに。新たなテーマの一つが、山岳地帯の熱水環境における生態学。携帯電話のつながらない中部山岳地帯で、もしも、調査中に大学院生が80℃を越す熱水に落ちてしまったら、どうしましょう。全身火傷を負った院生をいち早く救急ヘリを呼んで、手当をしなくてはなりません。携帯電話が通じない場所での連絡手段をどうしましょう。
考えついたのが、アマチュア無線。そこで、学生には内緒で、勉強して国家試験を受験しました。会場は、東京都中央区の晴海で、砕氷艦「しらせ」が出航する晴海埠頭の近く。久しぶりの試験で緊張しましたが、なんとか合格。
その後、無線従事者免許証を申請し、野外調査で携行しやすいハンディー型無線機を購入。そして、コールサイン申請と、実際に電波を発射するまでには1ヶ月半ほどかかりましたでしょうか。そして、付与されたコールサインが、7N4XZS。なんとまあ、言いにくいコールサインではありませんか。
7N4XZSさんは、もともと機械音痴なので、無線機の使い方が良くわかりません。チンプンカンプン。なんとか受信方法を理解したところで、439メガヘルツ帯で、なにやら、CQCQとコールせずに、楽しいコミュニケーションをしている方々に気づきました。特に、朝夕の通勤時、20局くらいの常連さんが楽しく交信しているのです。後で知ったのですが、レピーターと言って、435メガヘルツ帯で送信された電波を中継局で受信し、さらに中継局から439メガヘルツ帯で送信するというもの。このレピーターを利用することにより、送信出力の小さなハンディー機でも広範囲に無線交信ができるというシステムです。
レピーターを利用する場合、通常のCQCQとは異なる作法があるのですが、小心者の無線局長は交信の輪に入ることが出来ません。野外で非常時の無線機の使用法を会得するためにも、多少の練習が必要かと思い、レピーター利用者のコールサインを聞き取り、メモすることにしました。
その利用者の中心的役割を演じているコールサインを、コンピュータで検索してみると、その方のホームページにヒットしたのです。早速メールを差し上げ、レピーター利用の作法を教えていただきました。その後、レピーターやレピーター利用者のメーリングリストを通して、無線のイロハを先輩の皆さん(OM)から吸収。特に、JA1RFさんとJR1MAUさんにはお世話になりましたね。
こうした経験は、南極での野外観測にも大いに役立ったそうです。
その後、CQを一度も出したことのない無線局長さんは、ご縁あって、北海道へ転勤。この地は、魅力的な野外が多いのですが、携帯電話が通じないのが難点ですね。携帯電話が通じない野外へ調査に出かける場合、非常連絡手段を用意しなければなりません。アマチュア無線も、まだまだ捨てたものではありません。大学院生の皆さんも、アマチュア無線の免許を取得してみませんか?
さあ、北海道も本格的な野外調査のシーズンを迎えます。いざという時のために、ザックの片隅にアマチュア無線機をしのばせておこう!