福井 学の低温研便り

北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野
大学院:環境科学院 生物圏科学専攻 分子生物学コース

ミズDJ

2007-04-08 00:42:39 | 南極

今日は一日
はりつめた気持ちでいたい
小指が僕にからんで
動きがとれなくなれば
みんな笑ってくれるし
僕もそんなに悪い気はしないはずだよ
流れてゆくのは時間だけなのか
涙だけなのか
毎日 吹雪 吹雪 氷の世界

ふるえているのは 寒さのせいだろ
毎日 吹雪 吹雪 氷の世界
          (井上陽水『氷の世界』より)

私:「井上陽水の『氷の世界』という歌をご存知ですか?
ミズDJ:「いえ、知りません

はい、これで会話終了。やはり世代のギャップか? 氷の世界から南極の話への展開は無理かな? うーん、涙、涙、そして冷たい空気が流れる。

ミズDJは、どんなことを知っているのだろう? それでは、いつもやっている大学教養課程の授業風で行きましょうか。と言うことで、授業の最初に必ず行う、小テストをミズDJさんにやっていただくことにいたしました。

その模様は、昨日(4月7日16:15~16:45)、北海道のFM局NORTH WAVE(82.5MHz)で放送されたとのこと。『FRONTIER SPIRIT RADIO with 北海道大学』と言う番組です。実は、誰にもこのことを話していなかったので、研究室の皆さんも聞き逃していると思います。すみませんでした。

緊張のあまり、声を震わせた涙声のトークは、北海道大学科学技術コミュニケーター妖精養成ユニット(CoSTEP)ホームページからもダウンロードできます。放送に耐えられる内容に仕上がっているのは、隈本先生率いるCoSTEP隊のマジックです。小学生とのインタビュー「かがく探検隊コーステップ」の時とは、内容や趣向を変えていますので、比較してみると面白いかもしれません。いやはや、CoSTEPの皆さんの活躍ぶりには頭が下がりますね。

ミズDJ片岡香澄さんは、頭の回転も良く、いきなりの小テストにも動じずにやっていただきました。片岡さんの描く微生物像は、何だか「もやしもん」のようですね。魅力的な声の持ち主の片岡さんに支えられたトークでしたが、小テストも文句無しの合格です!

それにしても、片岡さんとの2ショットをみていると、いかにも「美女と冴えないメタボ系中年オヤジ」ですね。片岡さんを拝見していると、何だか、名DJであった「中島みゆき」を思い出しますね。

<追記>
・番組で取り上げた、南極の「すりばち池」は宗谷海岸スカルブスネスにある塩湖で、底泥から高濃度の硫化水素が発生しています(微生物学的硫酸還元)。これは、酸素がない環境で行われる、有機物分解のプロセスの一つです。
Thiomargarita070407・ 世界一大きな細菌であるチオマルガリータ(Thiomargarita)は、南米のナミビア沖で発見され、Science誌の表紙を飾ったことがあります。細胞長が約800μmで、まるで真珠のようですね。細胞のなかで光っている小さな粒が元素状の硫黄で、硫化水素を硝酸イオンや酸素を用いて酸化したときに生成されたものです(硫黄酸化細菌)。この反応によって、チオマルガリータはエネルギーを得ており、無機物だけで生育できる化学無機独立栄養細菌。チオプローカ(Thioploca親戚です。Science誌上のチオマルガリータ論文はドイツ・ハノーバー大学のHeide Schulz(ハイデ・シュルツ)によるもの。彼女はブレーメンっ子で、彼女にまつわるエピソードはいずれご紹介いたしましょう。