英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・111.5 There are some aspects of …

2017-04-10 | 出題英文讀解

     The degree to which cultural values can be “exported” is the subject of some debate, according to Huntington.  (4)He argues that drinking Coca-Cola does not make Russians think like Americans any more than eating sushi makes Americans think like Japanese.  “Throughout human history,” he says, “fashions and material goods have spread from one society to another without significantly altering the basic culture of the recipient society.”  Similarly, others argue that globalization brings only superficial change.  As one scholar has noted, “McDonald’s hamburger restaurants may be in nearly every country, but in Germany they sell beer, while in Japan they serve teriyaki burgers.  In some countries, such as India, hamburgers are not even on the McDonald’s menu.”  Thus the global product is often altered to take on a local flavor.  The term “glocalization” has combined the words “global” and “local” to describe such hybrid products.

問4 下線部(4)を和訳せよ。

問5 次の1から8のなかで、本文の内容と合っているものを3つ選び、番号で答えよ。

△× 1. 大多数の人がグローバリゼーション(globalization)に賛成している。

××× 2. グローバリゼーションに反対するあるアフガニスタン人は、映画「タイタニック」を見るために、埋めておいたテレビとビデオカセットレコーダを掘り出した。

××× 3. 電子メールやインターネットの普及で、国は国家間の情報の流れを管理しやすくなった。

○○○ 4. グローバリゼーションの結果、多国籍企業は貧しい地域の人々に新たな雇用の機会を提供している。

 5. ハンティントンによれば、国際的な交流によって外国の新しい流行や物が入っても、その国独自の文化が本質的に変化することはない。

 6. 本文の著者は、グローバリゼーションの結果、地球規模の諸問題を扱う人間の能力は高まってきていると主張している。

 7. グローカリゼーション(glocalization)とは、ある国の物や製品がそのまま別の国に導入され、受け入れられることを意味する。

 8. 本文の著者によれば、私たちが地球規模の諸問題を考える際の主要な観点は4つある。

 

【解答・解説】

[番號付英文]

5.1  The degree to which cultural values can be “exported” is the subject of some debate, according to Huntington.

5.2  He argues that drinking Coca-Cola does not make Russians think like Americans any more than eating sushi makes Americans think like Japanese.

5.3  “Throughout human history,” he says, “fashions and material goods have spread from one society to another without significantly altering the basic culture of the recipient society.”

5.4  Similarly, others argue that globalization brings only superficial change.

5.5  As one scholar has noted, “McDonald’s hamburger restaurants may be in nearly every country, but in Germany they sell beer, while in Japan they serve teriyaki burgers.

5.6  In some countries, such as India, hamburgers are not even on the McDonald’s menu.”

5.7  Thus the global product is often altered to take on a local flavor.

5.8  The term “glocalization” has combined the words “global” and “local” to describe such hybrid products.

 

 

[設問]

問4 下線部(4)を和訳せよ。

問5 選擇肢5、7が第5パラグラフに該當します。

 5. ハンティントンによれば、国際的な交流によって外国の新しい流行や物が入っても、その国独自の文化が本質的に変化することはない。

 7. グローカリゼーション(glocalization)とは、ある国の物や製品がそのまま別の国に導入され、受け入れられることを意味する。

 

[正答へのアプロウチ]

問4  文構造上、ふたつの特徴を見拔くことにより意味が把握できます。

  ひとつは使役動詞 make です(※英文讀解のヒント(4)[2014年5月28日付]に解説や例文があります)。

  もうひとつは「鯨の公式」と呼ばれる文構造で、<no more ~ than >或は<not ~ any more than >のかたちをとります。明白な否定的な事實を喩へとして引合ひに出すことにより、何かを否定する主張をおこなふための文體で、「~であることは、でない以上に絶對ない」と強く否定します。

  ここでは、「壽司を食べると、アメリカ人が日本人のやうな考へ方をするやうになる」といふ、あり得ないやうなかつ明白な喩へを示し、そんなことがあり得ないやうに「ロシア人がコカコーラを飮んでも、考へ方がアメリカ人のやうにはならない」ことを強く説いてゐるわけです。主張の力點は前の~のはうにあります。

□參考例文: いはゆる「鯨の公式」の例文です。

A whale is no more a fish than a horse (is).

(あるひは A whale is not a fish any more than a horse (is). / A whale is no more a fish than a horse is (a fish). / A whale is not a fish any more than a horse is (a fish). とも)

馬が魚でないのと同樣に、鯨は魚ではない。

□參考例文

This ride is no more dangerous than a merry-go-round.

この乘り物は、廻轉木馬同樣にまつたく危險ではないよ。

  この反對に肯定的表現の役割を擔ふ文體が<no less ~ than >です。ただし、この意味での<not ~ any less than >はあまり使はれないやうです。

□參考例文

A whale is no less a mammal than a horse (is).

馬が哺乳動物であると同樣に、鯨は哺乳動物である。

□參考例文

Truth is no less strange than fiction.

事實は小説に劣らず不思議なものである。

(※問4の解答は[意味把握チェック]5.2を參照してください)

 

問5  選擇肢5は英文5.2、5.3 で述べた内容に近い印象があります。basic と「本質的に」のあたりは言ひ換へとしてまあ許容できさうですが、「3つを選」ぶ設問ですから、愼重を期して「○○△」と記號化しておきませうか。

  選擇肢7は英文5.4~5.8の讀解に關はるもので、「そのまま」は5.7に矛盾しますから「×××」となりませう。

 

 [語句・構文等]

5.1       accorrding to ~           ~のいふところによれば / ~に應じて

5.6       such as ~                      たとへば~など

 5.7  不定詞の副詞的用法(結果): 不定詞は、漠然と「これからのこと」を指し示して、説明を補ふ、といふはたらきをします。ここでも意味は漠然としてをりますが、變へられて、その結果どうなるかについての説明が添へられたのだと解するとスムーズに讀めます。(※不定詞の副詞的用法については、拙稿英文讀解のヒント(10)[2014年8月27日付]に解説と例文があります)

5.7       take on ~                      ~を帶びる

 

[意味把握チェック]

5.1 Huntington のいふところによれば、文化に關はる價値意識がどの程度「輸出」される可能性があるのかについては議論の餘地がある(/文化的價値が「輸出」される可能性の度合は、討議の主題となる)。

5.2 アメリカ人が壽司を食べると思考が日本人のやうになる、といつたことがないのと同樣に、ロシア人がコカ・コーラを飲んだら思考がアメリカ人のやうになることなどない、と彼は論ずる

5.3 彼は言ふ、「人間の歴史を通して、流行や物品は、受け手社會の文化の基礎部分を大きく變へることなく、社會から社會へと廣まつてきた。」

5.4 同樣に、globalization は單に表面的な變化をもたらすに過ぎない、と論じる批評家もゐる。

5.5 ひとりの學者が言及したやうに、「マクドナルドのハンバーガー・レストランはほとんどすべての國にあるだらうが、ドイツではビールを賣り、一方日本では照り焼きバーガーを提供してゐる。」

5.6 インドのやうに、ハンバーガーがマクドナルドのメニューに載つてさへゐない國もあるのである。

5.7 かうして、世界的な産品はしばしば姿を變へられ、地域の色合ひを帶びるのである。

5.8 「glocalizationグロウカリゼイション」といふ言葉は、そのやうな複合的な産品を表はすために、「global(地球の)」と「local(地域の)」といふことばを合體させたものである。

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