【(9)からのつづき】
6.5 For example, how can we evaluate a moral question such as, “Is free trade good or bad?”
[語句]
6.5 |
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for example |
たとへば |
6.5 |
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such as ~ |
たとへば~など |
[意味] 6.5 たとへば、「自由貿易はよいか惡いか?」といつた善惡に係る倫理的な問ひについては、どのやうに吟味することができるであらうか。
6.6 Those concerned first and foremost with self-interest will ask, “How does free trade affect me?”
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・concerned は過去分詞由來の形容詞で、名詞の後に置かれます。ここではwith~ と續けて、「~に關心がある人々」の意味になります。
[語句]
6.6 |
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first and foremost |
まつ先に / いの一番に |
[意味] 6.6自分の利益をいの一番に考へる人たちは、「自由貿易は自分にどんな風に影響を與へるのか?」と問ふであらう。
6.7 A national point of view will consider one’s country and the effects of free trade on it.
[語句]
6.7 |
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point of view |
觀點 / 見地 / 考へ方 / 態度 |
[意味] 6.7國家的な見地(に立つ人)は自分の國と自由貿易が自分の國に及ぼす影響を考慮するであらう。
6.8 If people identify with a religion, they will ask how their religion would instruct them on this question.
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・would~ : 假定法由來の表現で、條件節がありません。主部 their religion に條件が示唆されてゐます。假に想定してみると、「もし信者がその宗教の教義にもとづく見解を求めるとすれば」など。(※かうした「いろいろな條件の示し方」について詳しく知りたい方は、2011年8月17日付の拙稿をご覧ください。Back numbers の當該月をクリックし、Calendar の日付をクリックすると出てきます)
[語句]
6.8 |
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identify with ~ |
~と見解を同じくする / ~と意氣投合する |
[意味] 6.8 もしある宗教を信仰する人たちなら、その宗教がこの問ひについてどのやうに教へてくれるだらうかと問ふであらう。
6.9 Finally, the global humanitarian view would ask, “What is best for humanity in general?”
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・最上級(the なし): 補語の位置にある最上級の形容詞に the がついてゐません。他と比較して「最も~」と述べるのではなく、形容詞の意味を強調してゐるものです。6.10にも同じ表現があります。
[語句]
6.9 |
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in general |
一般に / 概して / 普通 |
[意味] 6.9最後に、世界全體を視野に入れた人道的見地(に立つ人々)は、「人類一般にとつて何が非常に善いのか」を問ふであらう。
6.10 Therefore, people must ask themselves which viewpoint is most important to them when evaluating globalization.
【讀解のポイント-かたちからのアプロウチ】
・接續詞+分詞構文: when evaluating globalization は分詞構文に接續詞が添へられたものです。分詞構文(分詞の句)は主文との關はりが曖昧ですが、接續詞により明確になります。ここは when they evaluate globalization といつた意味になります。
分詞構文と主文との關はりをさぐるための手がかりは「時」「理由」「付帶状況」「條件」「讓歩」ですが、アタマをとつて「ふとり上々」といふ暗記法は如何でせうか。
[意味] 6.10 それゆゑに、人々は、globalization を吟味する際に、どの見地が自分にとつて非常に重要であるかを自問しなくてはならない。