英文讀解自修室

  - in the historical Japanese kana/kanji orthography

・英文讀解のヒント (32) 《助動詞+have+過去分詞②》

2015-08-26 | 英文讀解のヒント

英文讀解のヒント (32) 《助動詞+have+過去分詞②》

1  次の英文を音讀または默讀しながら意味をとらへ、下線部については意味を日本語で言つて、または書いてみませう。(※讀み方がわからない語はあとで辭書で調べておきませう)

     It might seem that the twenty-first-century revolution of information technology (IT) and digitization ought to have completed the job.  Teleworking can remove the need to transport people to the workplace or even have a physical workplace at all.  And yet several of the cities that seemed to be dying in the 1970s ―― New York, Chicago and London ―― have since had remarkable revivals.

(35 一橋大學 2013 3パラ; 2013年10月14日掲載)

※先行するパラグラフで、製造・物流據點都市の衰退・人口減少が述べられてゐます。ここでの the job はさうした推移を指してゐるものと思はれます。全文は2013年10月4日付の拙稿を御覽ください。

 

2  下線部の解説

2.1  〈ought to/should+have+過去分詞〉: このかたちは ①實現されなかつたことに對する非難・遺憾の氣持を表して「~すべきだつたのに」  ②推量・當然の意味を表して「當然~したはずだ」「~していいはずだつた」「もう~してゐるはずだ」  などの意味を傳へます。意味については、讀解や發信に際して文脈に留意すると良いでせう。

  should は ought to よりもやや弱い意味合ひとされますが、アメリカ英語ではほぼ同樣に扱はれます。使用頻度は should のはうが高いやうです。

 

■諳誦例文: 〈ought to+have+過去分詞〉① の意味

31(32.1)  I ought to have phoned Ed this morning, but I forgot.

       私は今朝 Ed に電話すべきだつたのに、忘れた。

□參考例文: 〈ought to+have+過去分詞〉② の意味

32.2  Bill ought to have got back home yesterday.  Has anybody seen him?

     Bill は昨日には歸宅したはずだ。誰か彼を見かけたかい?

32.3  Ten o’clock. She ought to have arrived at her office by now.

     十時だ。彼女はこの時間までには事務所に着いてゐるはずだ。

□參考例文: 〈should+have+過去分詞〉

32.4  You should have submitted your application by the end of January.

       願書は1月末までに提出すべきだつたのに。

32.5  The match should have started at 3 o'clock, but there was a delay.

      試合は3時に始まるはずだつたが、遲れがあつた。

□參考例文: not の位置に注意します。

32.6  We ought not to (/should not) have turned left at the last corner.

     先程の角を左折すべきではなかつたのに。

 

2.2  preparatory it(形式主語): 眞主語は that 節です。

2.3  過去形による婉曲表現(might): may よりも可能性が低く、控へめな表現になります。

 

3  意味把握チェック

  21世紀の情報技術とデヂタル化の革命により、その推移(/衰退の事態)は當然完了したはずだと思はれるかもしれない。テレワーク(/遠隔通信勞働形態/在宅勤務)によつて、人々は職場に通ふ必要がなくなる(可能性があり)、或は實際の職場さへ全く要らなくなる可能性もある。けれども1970年代に衰退しつつあると思はれた都市のいくつか――ニューヨーク、シカゴ、ロンドン――はその後目覺しい蘇りを見せてゐる。

 

4  意味把握チェックの下線部を參考にして、元の英文に戻してみませう。

 

※下線部以外の解説については上記日付のブログ記事をご參照ください。畫面右の Back Numbers で該當の月・年をクリックし、Calendar で該當日をクリックしてご利用ください。