今から30年前の1992年9月9日、日本武道館で行われた試合結果です。
WBAジュニアウェルター級戦(現スーパーライト級):
挑戦者モーリス イースト(比)TKO11回1分47秒 王者平仲 明信(沖縄)
*この年の4月に、メキシコで同王座を獲得した平仲。それは日本人としては、1981年11月に三原 正(三迫)がWBAジュニアミドル級王座を米国で獲得して以来となる快挙でした。偉業を達成した平仲の初防衛戦に選ばれたのは、OPBF(東洋太平洋)タイトル保持者だったイースト。15勝(9KO)2敗の戦績が表すように、同級の世界ランカーとしては平凡な選手。一言でいえば、平仲の初防衛成功に選ばれた安全パイでした。案の定、試合は平仲が攻め続け、リードを保ちながら終盤戦に突入。しかし、気負い過ぎた平仲は明らかにオーバーペース。不用意なパンチを貰い続け、最後は比国人の一発に沈んでしまいました。
(伏兵イーストに、まさかの敗戦を喫した平仲。)
ダウン後、カウント内に立ち上がった平仲でしたが、足元が定まらなかったためレフィリーは試合をストップ。本場米国でのビックマッチ出場も期待されていた平仲だけに、あまりにも残念な敗戦でした。試合後、軽度ながらも脳内出血が発見された平仲は、イースト戦後を最後に現役からの引退しました。
イースト戦後は、元王者で、平仲の世界初挑戦を退けたファン マルチン コッジ(亜)との防衛戦/再戦が予定されていた平仲。その後は、当時のボクシング界の頂上に君臨していたフリオ セサール チャベス(メキシコ)との一戦に駒を進められるのでは!?との壮大な夢もありましたが実現せず。同級で世界に通じる日本人選手というのは稀なだけに、30年経った今でも、「残念」「もったいない」「悔しい」という言葉が頭を過ぎってしまいます。
(この姿をもっと長く見ていたかった...。)