DAISPO WORLD BOXING EXPRESS

今年もやってるやってる~

あの試合から30年(WBCバンタム級)

2022年09月16日 05時22分00秒 | ボクシングネタ、その他雑談

今から30年前の1992年9月17日(明日)、大阪城ホールで行われた試合結果です。
WBCバンタム級戦(王座統一戦):
暫定王者ビクトル ラバナレス(メキシコ)TKO9回1分19秒 王者辰吉 丈一郎(大阪帝拳)

*私(Corleone)はこの試合後、落胆のあまり一週間ほど人と話すことが出来ませんでした...

(辰吉の宿敵ラバナレス。)

その後、冷静に考えてみると、辰吉は負けるべくして負けたと言っていいでしょうね。この試合の一年前にデビュー僅か8戦目で世界王座を獲得した辰吉。しかしその後、初防衛戦が決定するも左目の網膜裂肛が発覚し長期のブランクを作ることに。

辰吉の長期離脱が予想されたため、WBCは暫定王座を設置。これは当時としては珍しい処置で、「暫定王座設置」としては妥当なものでした。この時期から数年後、WBCとWBAによる暫定王座乱用事変が始まり、20年近くもその望ましくない状況が続きました。

辰吉の「代役」についたのが、メキシコの荒武者ラバナレス。暫定王座を獲得し、その王座の2度の防衛に成功。辰吉戦前の戦績が33勝(18KO)10敗2引き分けと散々な戦績でしたが、敗戦はプロキャリアの前半に集中。負けながら成長していった実戦派です。

ラバナレスは非常に変則的なボクシングスタイルの持ち主で、当たればバランスが悪かろうがどんどんパンチを振ってくる選手。タフなうえにディフェンスも自己流でこれまた変則。対戦相手にとり厄介な選手でした。

こんな選手を相手に、プロ8戦のキャリアしかなく、しかも怪我によるブランク明けの選手が勝てというのが無茶というもの。絶好調の辰吉はもとより、その後の同タイトル保持者だった長谷川 穂積(真正)や山中 慎介(帝拳)、そして現王者の井上 尚弥(大橋)でもラバナレスには手を焼いた事でしょう。

そんな曲者を相手に、初回は中々のコンディションを思わせた辰吉でしたが長くは続かず。徐々にではなく、あっという間にラバナレスの乱戦に巻き込まれまったくのお手上げ状態。中盤以降はラバナレスのワンサイドマッチとなり、最後は9回、メキシカンの連打を浴びた所で辰吉陣営がタオルを投入しゲームセット。辰吉は全くいいところなく完敗を喫し、王座から転落してしまいました。しかし正直、よく9回まで持ったなというのが率直な感想です。

(ライバルに攻め込まれ続けたこの日の辰吉。)

この敗戦を機に、辰吉は基礎訓練をやり直しキャリアの再構成を図ればよかったのですが...。この後、現実は辰吉に対し厳しい試練を次から次へと与えていく事になりました。まあそれらも、ここで後々話していく事になるでしょう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする