キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

フルヴィオの石

2009年07月21日 | Weblog
湘南の梅雨明けはだいぶ前に発表されたのですが、愚図ついた天気が続き、どうもぱっとした夏になりません。今日も朝からどんよりと曇っております。それでも昨日は曇り空の中、大礒ロングビーチでは若い人たちが歓声を上げて水遊びを楽しんでおりました。試飲会来日メーカーの様子を書いてまいりましたが、いよいよ今日が最終日、なんでもこれで終わりとなると少し寂しいものです。

ブレッサンの畑で良く見かける石に、鉄分の多い黒っぽく見える部分が、石灰岩にサンドイッチになったものがあります。6月に畑にお邪魔して小さなものを三ついただいてきたのですが、今回の試飲会の土産に何を持ってきたらいいといわれたので、あのサンドイッチになっている石の出来るだけでかいやつをと奥さんのエレナに頼んでおきました。たて10cm×横20㎝程の2kgはあろうかと思われる意思を持ってきてくれました。おまけにその半分くらいのも持ってきており、二つも持ってきてありがとうといったら、この小さいほうのを持ってこようと思ったら、エレナにでかいやつを持たされたんだと嘆いておりました。何処の国も山の神の権限は絶大であります。

しかし今回の試飲会ではこの石が大いに活躍いたしました。白ワイン用葡萄は、この石の外側にある石灰岩が多い土壌の畑に植え、赤ワイン用葡萄品種は、この真ん中の鉄分の多い土壌の畑に植えてあり、鉄分がワインにスパイシーな風味を与えていると説明いたしますと、恐ろしいほどの説得力がありました。

ブレッサンの全ての赤にスパイシーな風味があるのですが、スキオペティーノは品種特性に黒胡椒の風味があります。鉄分の多い土壌がそれをさらに強調し、さらに強い風味となって現れます。フルヴィオの腕は丸太のようですが、ボトリングのときにペパーミルを廻しているのでこんなになったんだと冗談を飛ばしておりましたが、それが冗談で済まされないぐらいの強烈な黒胡椒の風味です。

ディナーの参加者全てが忘れられないと、後日メールや電話で感嘆の声をいただきましたが、テンダロッサで供されたミミ烏賊墨のリゾットとスキオペッティーノのマリアージュは、今回の横浜、神戸、東京、札幌のディナーを通しての最高傑作であったと参加メーカーの間でも噂されておりました。



 笑顔のフルヴィオ (神戸北野ガーデンにて)       フルヴィオの石とスキオペッティーノ2004


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