キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ボージョレ・ヌーボーは煮てあるの?

2006年11月09日 | Weblog
実は私この欄でも書きましたが、ワイン業者の役得で今年のBNを検品のために飲んでます。
ですから来週の解禁が待ち遠しいなんて事は無いのですが、今日”ボージョレの真実”なんて本買っちゃいましたので、私の”ボージョレ・ヌーボーの真実”を皆様に少しお話いたします。

皆さんはBN(ボージョレ・ヌーボーの事です)は、インスタントで出来るワインみたいに考えていらっしゃるようですが、実際どのように造られているかと言うと”はてな”となってしまうと思います。実は私も製造に従事しているわけではありませんので、そんなに詳しくはありません。それでも皆さんよりは少しだけ知っています。

現在多くのメーカーがテルモ・ヴィニフィケーションという、エキス分や色を果汁の中にいっぱい出すために、収穫されたブドウを60℃以上、時には70℃まで温度を上げてから醸造をスタートさせる方法を取っています。ちょうど昆布の出汁をとる要領ですね。それ以上高くなると苦味やえぐみなどの不快な成分が液に出てきてしまう限界の温度があるわけです。日本語で言うと"煮だし製法”てな訳がピッタリのようです。

ちなみに当社のBNでこの方法を取っていないワインは一つだけ、ドメーヌ・コートデ・ラ・モリエールです。製造をしているブルーノの見解では、あれをやるとワインが持たないとの事、世間と違うワイン造りを旨としている彼ならではの見解です。ちなみにこのワイン無農薬有機栽培、無濾過です。驚くべき事にBNでも3年は良く熟成して美味しく飲めます。

一方我が旧友で新婚のジャン・フィリップは、”BNは華やかな香りで、フルーティー、今飲んで美味しいワインが良いワイン”との思想の持ち主のため、今は酸が強いけど来年の春ごろになればバランスが良くなるとBNを評する輩をとても嫌がります。と言うより馬鹿だと決め付けます。確かに論理の問題としてはその通りです。
したがってテルモ・ヴィニフィケーションのワインを自分のBNにブレンドします。しかし、やりすぎたのは苦味があり決して使ってはいけないと、先月彼のセラーでBN用のキュヴェを一緒に選んでいたときに叫んでました。確かに苦くて駄目でした。


来週の解禁日は横浜で翌日は名古屋で当社主催のBNパーティーが煌びやかに執り行われます。その折ジャン・フィリップも来日してパーティーに参加しますので、もっと詳しく聞きたい人は、ぜひ直接本人にお尋ね下さい。このパーティー広く一般の方に門戸が開放されております。

私、明日は名古屋へ味噌煮込みうどんを食べに行くのでお休みさせて戴きます。あしからず。
Taka

イナリヤト食文研のワインはこちらからご覧になれます


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