キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

アナケナがやってきた

2013年11月26日 | Weblog
月曜日、朝からアナケナがやってきた。
責任者のリカルドと営業部長のニコラとここのところ多発している問題点の改善について話し合った。
ここ五年ほどアナケナは詰まらない問題が多く発生して困っているが、二人とも真剣にメモをして真摯に受け止めているようなので、少しは改善されることを願いたい。
この十年で担当者や責任者がころころと入れ替わったが、新しい態勢になるたびに、これで今までの詰まらない問題を改善するために新体制にして改善するということであったが、一向にその気配が無かった。
詰まらない問題が起こらず、アナケナの基本的な方針が変わらなければ、今頃アナケナは№1とは言わないまでも№5位のブランドになっていた可能性が高い。

もともとここはオーナーのフィリッペの莫大な資産を当てにして出来た会社で、優れた品質のワインを造るためのセラーの設備への投資、レイダでの土地の取得と造成、川から運河を引いてヴィンヤードへの灌漑設備を作り上げた費用など、経営的な見地からみれば初期投資が甚大で回収までに長大な時間がかかることは最初から知れていた。
4年前にフィリッペが所有していたチリ№1のスーパーマーケットを売却してからは、アナケナの運営についてシビアになり黒字化が絶対的な運営条件になった。
そのために人を二度も三度も入れ替えて、方針も二転三転したが、最後に得た有用な人材がこのリカルドとニコラであったようだ。
二人によれば、90年代後半の会社設立以来ずっと赤字であったが、ようやく来年黒字化する。

そんなわけで、ここ4,5年無かった販促と販促費の話が出てきたのに驚いた。
販促として何が有効かとの問いに、とりあえず5年前までやっていた、春と秋年二回の試飲セミナーパーティーをやろうじゃないかということになった。
こんな販促は在り来たりだが、アナログ人間としては他に良い案が思い浮かばない。
しかし、ワインの基本は味わいだから、飲んでもらう機会を供給する以外に有効な手立てはあろうはずが無い。

ようやく真っ当なことを言い出したアナケナ、2014年は楽しみな年になりそうだ。

打ち合わせが長引き、都内の営業活動に連れてゆくために昼飯の時間が30分足らずしかなかった。
井桁のチラシをニコラとリカルドに付けた営業担当者と通訳それぞれ二名と共に食した。
本来鮨はインスタント食品であるから、こういったときに一番都合が良い。

馬車道駅と桜木町駅へ行く二組を送り、馬車道から駅前へ出て芳林堂を覗いたら新書も文庫も新刊が出ていたので嬉しかった。
グレアム・グリーン「国境の向こう側」ハヤカワepi文庫、堀江敏幸「正弦曲線」中公文庫、鈴木隆一「日本人の味覚は世界一」廣済堂新書の三冊を買った。

グレアム・グリーンは短編の選集、訳者はいろいろ、ところでepiって何だろう。
後ろのページにepicenntre文学の発信地とあったが、震央という意味らしい。
東日本大震災前に名付けたのかもしれないが、危うい命名だ。

堀江敏幸のこの本は単行本で持っているかもしれない。
蔵書の整理整頓が望まれるが、どうせ直ぐに出来やしないし、きっと死ぬまで出来ないのだから買っておいた。
今一番知的な作家のような気がする。

鈴木隆一という人はまったく知らない。
しかし「日本人の味覚は世界一」とは日頃思っていることなので、それをきちんと検証してあったら外人連中に威張れる根拠が出来るのでぜひとも読まないといけない。
実感としてそうは思っているが、味蕾の数が欧米人に比べてすごく多いので繊細な味が分かる程度のことしか裏付けが無い。
もともと身体的に優れたところを持った民族が、長い間美味いものを喰おうと研鑽を重ね、味覚を鍛えたことで他に類を見ない味覚を得ることになったような気がするのだが、果たしてどのようなことが書いてあるのか楽しみだ。

ニコラが客先で見たのか、エンゲラのキュベ・タカの写真を取ってきてリカルドト共にこのワインの話となった。
ワインのコンセプトについて話したら、大いに興味を持って飲んでみたいとのことで試飲をさせた。
旨味については言葉では知っていても中々理解できないところであるが、香りがものすごくいいと感心していて、焼き鳥屋に持っていって飲もうということになった。
鳥伊勢で薬研、葱肉、ハツ、せせり、皮の塩にはオナ白を合わせて、いよいよレバ、つくねのタレでキュヴェ・タカを飲んだが、やっぱり料理に合わせるとひじょうに良いと、二人で1本を開けてしまった。

キュヴェ・タカ・プロジェクトにアナケナとしても参加して、レイダのソービニヨン・ブランとピノ・ノワールでキュヴェ・タカを造りたいとの申し入れがあった。
「日本人の味覚は世界一」だとしたら、日本に合わせて商品開発したら世界を制覇できるということなんだよな。
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