キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

おしめり

2019年04月09日 | Weblog
昨夜8時半に眠ってしまったので、今朝は2時過ぎに起きて高坂正尭「文明が衰亡するとき」を読んだ。
1981年に初版が出て、僕が買った古書は2004年の53版で文字が小さいうえにところどころかすれていて読みにくい。
もっとも僕は強度の近視だったので、老いて後は裸眼ならどんな小さな文字でも読めるのであまり困らないが、今では2012年に改版されたものが出ているのでずっと読みやすいはずだ。

この1981年は3月に就職して5月からハワイに駐在になり、その暮れの一時帰国時に一番夢中になった女性と知り合った思い出深い年なんだが、その時にこの本と巡り会っていたら、その後の生き方が随分と変わっただろうなあなんておみながら、感慨深く読んでいる。
文明の衰亡について、ローマ帝国、ベネチア、アメリカ合衆国をサンプルに検討している論文で、ローマが読み終わり、ベネチアを読み始めた所ではある。
優れた論考で、なるほどとうなるところが多く、一々反芻しながら読んでいるので中々先へ進まないが、愉悦の時間が逃げてゆかないようにしているともいえる。
権力についての分析は、今でこそ肯けることが多いが、1981年の駆け出しのころには読んでも分からなかっただろうね。
最高権力者ってのは一人なので孤独、かなり優秀な人物でも、その地位の維持に不安を感ずることなく比較的正しい決断を出し続けることは至難の業、その地位に置かれたものでなければ分からない。

海洋国家ベネチアの教訓は、海洋国家日本の行く末を検討する良い手本であるので、入れ込んで読んでいるが、対外的には寛容で幅が広く将来を考慮した外交能力が最も大切である。
国内的には教育であることは、数千年前から変わらない。
経済は公共的な事業の充実(建設業じゃないよ)にキーがあると思われる。

朝方雨が降り出した。やけに鮮やかな好天が続いたのでいいおしめりになった。
午前中の散歩はやめて、車で秦野にウォーキングシューズを買いに出た。
生憎欲しいものが品切れで、ただ行って帰っただけではバカバカしいので、帰りに中井の若葉によって鰯を買った。
この間から鰯の塩焼きを喰いたいと思っていたが、中々その機会が無かったので6尾買って帰って来たが、今晩は妻が茅ヶ崎のマッサージに行くので、昨日からおでんを作っていたんだっけ、まあいいや鰯を肴におでんを喰おう。

二階で「文明が衰亡するとき」を読んでいたら、妻が昼は何にしますかとやって来たが、どうせ炒飯だろうと思っていたらその通りで、ヴァリエーションが無いなあと思いながらも、考えてみると特別喰いたいものなんかない。
スープも作ってよ、とたのんだら人参とエリンギのスープが出来ていた。
秦野へ行く前にJA湘南で買った苺と昨日買ったロールケーキを食後に食べた。

最近のプレシネは去年やったやつを繰り返していることが多く、今日もハリソン・フォードの「パトリオットゲーム」だったが、結局観てしまった。
ちなみに1992年の米映画で、シリーズ2作目、という事はありきたりのストーリーでアクションを調味料にしたもので、柳の下の泥鰌狙いで大して面白くない。
でも、夜は面白そうなのをやるから期待しているんだけどね。

ウォーキングシューズが中々買えないので、娘の車に乗って茅ヶ崎まで妻と一緒に出掛けることにした。
二人はマッサージを受けるのだが、本来身体の状態から考えても僕が受けるのが妥当なんだけどなあ。
ホテルや旅館に一人で泊まるときには無聊を慰めるのによくお願いしたが、考えてみれば30代の若い頃だったなあ、仕事のストレスが強かった時代だ。


コメント
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