キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

桜鯛

2019年04月01日 | Weblog
妻が坐骨神経痛で動けない、飯の支度や片付け皿洗いなどを下の息子と二人でやっているが、長引いてきたので疲れてきた。
夕方、大磯まで散歩をしたが、後で妻が来ると言っていたのでヤオマサで魚を見たが買わずに帰って来た。
家に帰ると、よたよたしながら妻が二階から降りてきて、痛みがひどく買い物に行けないと言う。
買い物大好きな妻がマサに行けないと諦めたくらいだから、坐骨神経痛は本物のようでさらに長引きそうだ。
午後、娘が母の卒寿の祝いに好物のモンブランを持って来たので、買い物に行くついでに魚を買ってきてくれるようにたのんだ。
母と一緒にジャイアンツ戦を観ていると電話がきて、愛媛の天然鯛があるというので、刺身用にと頼んだ。
風呂に入っている間に鯛を持って来てくれたようで、出て来て冷蔵庫を覗くと、5枚におろした柵とアラがあった。
アラをグリルに入れて焼き、潮汁を作り、刺身を引き、菜花と豚肉の卵とじを作って下の息子と二人晩飯にした。
薄口醤油を使ったので、潮汁は色濃くならず上出来で美味かった。
刺身は予想通りだったが身が柔らかく、せめて神経締めをしてくれてたらなあと思ったが、安かったので網で揚がったのを氷詰めにし東上したのだろう。
歯応えは今一つだったが、味わいはさすが桜鯛、脂がのって味が深くて美味かった。
下の息子がやけに気に入りバクバク食べた。
新鮮だったら檸檬と塩で食べてみたかったが、レモンと醤油で食べた。
菜花は下茹でしたのが功を奏したのか美味かったなあ。
鯛の刺身があったので、やっぱり酒だよねと、寅さんを観ながら「牧水の詩」「盛升」を冷で呑んだ。
香川京子がマドンナで、この時48歳だと思うが、好みの女性にはつい点数が甘くなるが綺麗だった。
成瀬巳喜男、溝口健二の作品や小津安二郎の「東京物語」、黒澤明「天国と地獄」「赤ひげ」などいい映画に出ているが、監督に気に入られたのもその美貌ゆえだったのだろうか。

母の着替えを手伝って寝かせ、9時からNHKのドラマを観た。
渡辺謙という俳優はどうも好きじゃないが、奥田英二が良かったなあ、女優は好みの余貴美子がほんの少しだけ出ていた。
戦争中に戦争協力した画家が戦後それを非難され画業を捨て、娘の見合いの席で、戦中とはいえ戦争協力の絵を描いたのは間違っていたと、反省の意思を表明するのだが、僕としては母国が戦争状態になった以上、それを全面的に支援するのは国民として当たり前の事だと思う。
戦争に反対するなら開戦前に戦争回避の努力を尽くすべきだと思うが、先の大戦はなし崩しに対米戦争になだれ込んでしまったので、開戦回避をするべき時期は掴みにくかったと思う。
それでも、満州国の運営にとどめず、対中戦争への拡大を初期の段階で止めることが出来なかったことが事をこれだけ大きくしたわけで、その時の政府に最も大きな責任がある。
戦争を鼓舞する絵を描いた画家を糾弾するなら、隣組や国防婦人会で戦意を煽った数千万の日本人の責任はどこに消えたんだろう。
戦後、軍国主義を鼓舞した新聞、教育者をはじめ件の町のオジサンやオバサンが手のひらを反すように軍国主義批判をし民主主義を賞賛したが、どの面下げてそんなことが出来たのだろうか、うしろめたさのかけらもなかったように思う。
徴収され国のために戦死した兵に対して無駄死にだと言ったバカもいたが、厚顔無恥の極みが日本人の特性であるという事なのか。
主人公のように良心の呵責に耐えかねる人物もいたが、多くの人は集団健忘症にかかった。
そのため反省も無いわけだから、もし今同じ状況になれば、同じ行動をとるに違いない。

民主主義を賞賛した人たちは、アメリカの民間人集団殺人である原爆投下や東京大空襲などの戦争犯罪の大罪を何故糾弾せず、同胞の中の僅かな罪を糾弾したのだろう。
また軍人に対しては、戦争に勝つことが求められていたのだから、負けたことについて糾弾すべきでなかったか、「敗戦の本質」で負けた原因については研究されているが、その敗因の多くは戦後の日本社会の中にそのまま残った。

ついムキになってしまったが、10時半に二階に上がり西部邁「しあわせ論」を読んだ。
1時過ぎに寝たのかなあ、5時すぎに目が覚め再び同書を読み継いだ。
誤植が同じページに二か所あり、珍しいなあと思った。

7時半に起きると、下の息子が雨戸を開けており、さっと風呂に入って朝飯を作った。
昨夜の鯛の柵がまだ女節一柵と男節が3分の1ほどあり、それを刺身に引き、あら汁に味噌を加えて味噌汁にし、スティックブロッコリーを茹でて、納豆で朝飯にした。
鯛は水分をしっかり取ったので身が引き締まり、味わいが濃くなり、昨夜より美味かった。
魚は余分な水分を取ると臭みも取れ、身が引き締まり美味くなる。


下の息子と二人花見をしながら葛川を北へ歩いた。
川沿いの桜は開花が遅いと言われるが、気によってはまだ2分咲きのものもあり、今年開花が遅いのは暖冬だったせいで低温要求量が満たされなかったのかな。
ここ10年は3月中に満開になっていたのにねえ。
妻が買い物に行けないことを想定して、ビックで「高砂」バナナ、モンブラン、バチ鮪を買い、帰りにワクワクに寄り、桜餅、豆大福、ブロッコリー、小田原の練り物を買った。


家に帰ると妻は寝たままで、息子と二人で鍋焼きうどんを作って食べた。
今日は暖かいが、鍋焼きうどんが喰いたくなくなるほどは暑くない。
鶏肉と椎茸で出汁を取り、青葱、三つ葉、スティックブロッコリー、蒲鉾、卵で作ったが、色合いが春っぽくて思いの外美味かった。








コメント
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