虫の音

8月10日虫の音を聴く、毎年決まったようにこの日に鳴いたが、この何年か遅れていた。
猛暑が続いたこの夏に立秋を過ぎた二日目に、秋を告げる声を聴き嬉しい。

ベッドの上に、文庫本、単行本、辞書なと40冊ばかりある中に何故か温度計が紛れ込んでいる。
見たこともないもので、誰が置いていったものだろう。
過ごしやすい朝だなと思って見たら29℃を示しており、この温度で過ごしやすいと感じるようでは、随分と歳をとったものだと愕然とした。

暑がりだった父が、晩年は真夏でも寒いと言って驚いたが、まだそこまでではないにしろ、いよいよ俺も年を取ったなあと実感する。

毎年8月10日に虫の音を聴いて秋の訪れを感じていたが、もう何十回と聴いてきたが、後何回聴くことができるのだろうか、今まで聴いてきたより少ないのは間違いないことなのだが。