キュヴェ タカ/cuvee taka 「酔哲湘南日記」

新鮮な山海の恵みを肴に酒を吞み、読書、映画・音楽鑑賞、散歩と湘南スローライフを愉しんでいる。 

ダニエル

2010年01月10日 | Weblog


昨日は好天に誘われ茅ヶ崎まで久しぶりに出かけ、旧知のパン屋のお姉さんに久しぶりに会おうと訪れましたが、冬休みを取って郷里の長崎に里帰りをしていて会えませんでした。駅ビルの書店で今月から開始された大仏次郎の「天皇の世紀」第一巻を買い求めました。12巻完結ですから、今年いっぱいは毎月の楽しみが約束されております。辻堂までの一時間散策を楽しみましたが、所々に梅が咲いており、湯河原の幕山、曽我梅林、蘇峰堂梅林と今年の観梅の計画をどうしようかと、心は梅の香の甘美な世界を駆け巡っておりました。辻堂の古書店で川崎長太郎の「鳳仙花」と坂崎重盛の「塊集する猿」を買い求め、良いものが買えたなあと気分がよく、これまた馴染みの菓子屋のおばさんから、新年の挨拶代わりにいなり寿司を買い求めました。

さて今日もまた試飲会来日メーカーのご紹介をさせていただきます。カスターニョのダニエルが久し振りに来日します。過去二度ほどソムリエのギエルモが来ていましたが、昨年カスターニョを離れ、別のワインメーカーに移ったので、ダニエル本人が来る事になりました。

ダニエルは生魚が食べられないので試飲会期間中の食事がとても厄介です。他の参加メーカーは、日本へ来たからには鮨刺身を食べたがるので、可哀想な事になります。ただし、うちの白ワインは鮨刺身に合うというメーカーよりはよっぽどましですがね。イェクラはスペインの内陸部ですから、生まれた時から肉を中心とした食事であった事でしょうし、仮に魚があったとしても鮮度が劣るもので、喰えたものではなかったでしょう。ワインもほとんど赤が生産されますし、乾燥に強いモナストレルという品種からは、肉に合う、どちらかというと鈍重な感じの赤ワインが出来上がります。

昨年一年はこのモナストレルが飛ぶように売れて、中々良い成績を残しました。しかしながら、デフレスパイラルがこの1,200という価格帯のワインさへ襲い、現在は500円前後のワインを中心とした動きになっていて、今後売上が伸び悩むのでないかと危惧しております。そんな中で明るい話題として、このモナストレルに有機ワインが新登場いたしました。普通のものに較べて、酸がありシャープさを感じ、果実味がきりっと引き立ちます。有機で作るとワインがきりっとするのは、土壌が活性化されて植物本来の生理に立ち返り、一つ一つの細胞が立ち上がるような感じになります。価格が少し高くなりますが、それだけの価値があると思います。

ダニエルのもう一つのボデガ、アリカンテのシエラ・サリナスのMo(モ)がデータを見ると好調です。柔らかい感じのする赤ワインですが、モナストレルにガルナチャ・ティントレーラ、シラー、カベルネ・ソーヴィニョンがブレンドされていて、ある種の複雑さが感じられるところがいいと思いたいのですが、このボデガで一番安い2,200という価格が訴求点になっているだけかも知れません。

肉好きのダニエルに、名古屋で松坂牛を食べさせてあげる機会があるといいのですが、スケジュールが分刻みですので、今回も日本の誇る刺しの入った甘くて柔らかい牛肉にありつける機会がなさそうですね。


コメント
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